RESONARKとArcaeaが楽曲交換でクロスオーバー!音ゲーファンが見る「らしさ」を活用した譜面

3月2日スマートフォン向け音楽ゲーム『Arcaea』とVRChat上に展開された音楽ゲームワールド、『RESONARK』シリーズとの楽曲交換イベント「Crossing Pulse」の開催が告知されました。この後RESONARKシリーズ側からも移植楽曲の告知が以下のようにされています。

人気ゲームワールドとして知られているRESONARKが人気スマートフォンゲームであるArcaeaとコラボするということもあり、大きな反響を呼んでいます。

音楽ゲーム同士のコラボレーションは近年よく聞くようになりましたが、今回のコラボレーションは現実空間の音楽ゲームと仮想空間での音楽ゲームのコラボということで、一味違うものがあります。筆者は寝起きにこのポストを見てしまい、あまりの驚きにひっくり返っていました。

今回はこの2つの音楽ゲームのコラボがどのようなものなのか、各ゲームや背景、譜面なども含めて見ていきたいとおもいます。

演奏により変化する世界で音を紡ぐ RESONARKについて

RESONARKシリーズは個人サークル「sep-neko-ya」が手掛けるリズムゲーム・VRChatワールドです。VRChat上に展開されている『RESONARK4 ELVES Part.2 Raylight』を始めとした4作の他にSteam、Oculus Quest版である『RESONARK X』などがあります。さまざまなシリーズがあるRESONARKですが今回は主にVRChat上に展開されている『RESONARK4 ELVES Part.2 Raylight』を指すものとします。

 RESONARKは六角形の枠の各頂点に糸が繋がれたような形状のデバイスでプレイするリズムゲームです。糸に沿って流れてくるオブジェクト(音符)が枠に重なるタイミングで音符を触る、弾く、手を近づけるなどの簡単な操作を行うことで演奏を行うことができます。

難しいように思えるかもしれないですが、ご安心を。ワールドにはチュートリアルがあり、画像付きでホノカちゃんが優しく教えてくれますよ。

演奏中はデバイスの向きやサイズが変わったりステージの演出が音に合わせて動いたり光ったりすることでより没入感の高い演奏を行うことができます。

フレンドと一緒にワールドへ遊びに行けば、同時に同じ譜面で遊ぶことができるマルチプレイを行うことができます。リザルト画面にアバターがアップで映るのがまたかわいいですよね。

さらには、ストーリーを読みながらワールドを歩き回って条件を満たすことで楽曲を解禁できるシステムや、RESONARKシリーズから派生したアバターが展開されているなどその世界観の広がりは留まることを知りません。

今回のワールドであるRESONARK 4 ELVES Part.2 Raylightでは、月額課金制度の導入や過去のワールドの楽曲を含んだ「疎通試験モード」など、さらなる新要素が盛り込まれているようです。

去年7月にはVRスポーツの祭典「Spark Link」が主催となり、現実会場とVR空間上の会場がリンクした競技大会が開かれているなど、今1番アツいVR音楽ゲームと言っても過言ではないと思います。

超感覚リズムゲーム -Arcaea- とは

Arcaeaは、イギリスに本拠地を構える「Lowiro limited」が開発・運営をしているスマートフォン・タブレット向けリズムゲームです。Nintendo Switchにも対応しています。このゲームは、<超感覚リズムゲーム>と銘打つ通り、他のゲームでは類を見ない立体的な譜面構造や、練り上げられた世界観と物語によりさまざまな体験を得ることができます。

Arcaeaの演奏では主に2つの空間を使ってプレイします。下部に存在する4つのレーンとそれ以外の空間です。

下部にはレーン上を流れ、判定ラインに重なるタイミングでタップすする「フロアノート」

ラインに重なったタイミングから終点まで押し続ける「ロングノート」があります。

上部には空間のあらゆる箇所に飛来する「スカイノート」や

Arcaeaの代名詞とも言える上下左右縦横無尽に動く2色の「アークノート」

譜面の誘導や演出を司り、譜面を盛り上げる「トレースノート」が存在します。複雑に見えるかもしれないですが、基本的にはすべて2本の指でプレイすることが可能です。(一部例外はありますが……)

楽曲総数は350曲を超え、様々なジャンルの音楽を譜面に合わせて楽しむことができます。特にMain Storyと呼ばれる楽曲パック群では2人の主人公を主軸とした美しくも力強いストーリーが展開され、それを追体験するような演出によりArcaeaが織りなす世界をより深く楽しむことができます。

また、マルチプレイにも対応しており、最大4人までの部屋を作りオンライン上で同じ楽曲を同時に遊ぶことも。

異なる世界の音楽を楽しむ「Crossing Pulse」

今回のコラボの発端である「Crossing Pulse」という企画について見ていきます。この企画はArcaeaによる継続的な外部リズムゲームとのコラボレーション企画であり、不定期ながらさまざまなリズムゲームとの楽曲交換が行われています。

現在コラボした音楽ゲームは5種類あります。今回のコラボ先であるRESONARKの他に、「リズムゲーム+弾幕シューティング+アイドル」がコンセプトである『NOISZ STΔRLIVHT』、斬撃をモチーフとした新感覚和風リズムゲームの『シノビスラッシュ』、上下左右の4面にスペースノートドロップの3次元空間的リズムゲームの『Paradigm:Reboot』、そして、唯一無二の譜面表現力を持つ『Phigros』とのコラボが行われています。

毎回違ったリズムゲームからコラボ先を選出していることもあり、次のコラボは何か、どんな楽曲が交換されるのかなど、中には本気で考察をしている人などもおり、プレイヤーたちの関心を集めている企画となっております。

中でも今回のRESONARKとのコラボはかなり異例でした。他三作品はどれもスマートフォン・タブレット向けのリズムゲームであります。(NOISZ STΔRLIVHTはアーケード展開もしています)最近ではこうした競合タイトルとの楽曲交換コラボレーションが少しずつ増えてきていると感じていますが、RESONARKはVRChat上の仮想空間で行うリズムゲームであり、現実世界のリズムゲームと仮想世界のリズムゲームとのコラボレーションは今回が初めての試みであると思われます。異なる世界の音楽を楽しむ、このコンセプトにふさわしいコラボではないでしょうか。

余談ですが開発者たちもVRChatでかなりの時間を過ごしている様子。RESONARKプレイ後の感想をSeptem47氏に伝えている様子がSNS上で見られていました。

 ArcaeaでRESONARKを楽しむ体験『IONOSTREAM – Tatsh 』

ここからは楽曲や譜面について見ていきましょう。まずはRESONARKからArcaeaへと移植されたTatsh氏作曲の『IONOSTREAM』。初出はRESONARK2の公式大会、「第2回RESONARK Championship」決勝曲となっております。サプライズとして登場したこの曲はRESONARKでも特別な存在。出場者のリアクションや演出はYoutubeのアーカイブで見られますよ。

Arcaea側で譜面を作成したのはDec18氏とNitro氏。Past難易度とPresent難易度はNitro氏が、Future難易度とEternal難易度は2人の合作となっています。なんとどちらもVRChatユーザーです。

全体的にRESONARKのデバイスや操作性を意識した譜面が特徴で、特にFuture難易度以上では六角形に並んだトレースノートに細かいアークノートを並べた配置がよく見られます。アークノートは触れ続けることで得点を得ることができるノーツであり、この操作性によって、まるでArcaeaの世界でRESONARKをプレイしているような感覚を得ることができます。

疾走感のある演奏が非常に心地よく、後半に進むにつれて密度を増す構成もたまらないものでした。最後の配置での指の動かし方でニッコリしたのは私だけではないはず。Eternal難易度ではさらに歯ごたえのある配置がプレイヤーを迎えてくれます。仮想現実のゲームを見事に落とし込んだ譜面、是非触れていただきたいものです。

Arcaeaの代表曲が殴り込み『 Ignotus – ak+q 』

対するRESONARKに移植されたArcaeaの楽曲はak+q氏作曲の『Ignotus』。

初出はArcaea Ver.1.1.3とかなり初期の頃から愛されている楽曲です。他のゲームではLanotaやGroove Coasterといった音楽ゲームにも収録されており、Arcaea Sound Teamが手掛けたRemixが存在するなど、Arcaeaといえばこの楽曲という声も聞こえるほどです。

Cya氏が作成したこちらの譜面もまた非常に愛を感じる譜面になっており、六角形のデバイスを非常にうまく使った動きの再現がキラリと光ります。両腕を使ってダイナミックにプレイすることができる感覚はArcaeaとは違った爽快感があり、同じ楽曲でも違った世界を味わうことができました。

譜面演出もさすがはRESONARK。デバイスやノートの動き、鮮やかに切り替わる美しいライティングがRESONARKらしさも、「これは!」というArcaeaへの愛も、しっかりと受け取る事ができるものとなっており、非常にプレイしているときの満足度が高かったです。まさかこのワールドでこの楽曲が聴けるとは……という感動も非常に大きいものでした。本当にありがとうございます。

異なる2つの世界観を持つリズムゲームである、『RESONARK』と『Arcaea』。この2つのコラボレーションについて見てきました。今回ご紹介した『RESONARK 4 ELVES Part.2 Raylight』はVRChatで、『Arcaea』はお使いのスマートフォンやタブレットで遊べます。

心地よい音楽とともに2つのゲームで異なる世界を味わってはいかがでしょうか。きっと素晴らしい体験になると思いますよ。

(TEXT BY 枕木凛子

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