日本語対応 VCCの非公式互換ツール ALCOMが登場。代替だけども、大体のことは本家より早いし便利

VRChatにアバターやワールドをアップロードするときには必ず使うVCC(VRChat Creator Companion)ですが、互換ツールが存在しているのはご存知でしょうか?

anatawa12さんが4月18日にリリースした、『ALCOM』を使ってみました。
本ツールの語源は『ALternative Cretator COMpanion』、つまりCreator Companionの代わりになるものの略でALCOMとのこと。

https://misskey.niri.la/notes/9s9irj2bis
また、本ツールはWindowsのみならず、Linux/macOS環境でも動作します。本家VCCをマウスで操作出来るのはWindowsのみのため、Linux/macOS環境で利用する方にも便利なツールです。

VCCの代わりに使うことができ、乗り換えや元に戻す手間などは考えなくてもよく、高速に動作する上にパッケージの一括更新が出来るツールです。

なお『ALCOM』はanatawa12さんが作成している『vrc-get』を、一般PCユーザーにも馴染み深いマウス操作で使えるようにしたものです。

ALCOMのインストール

下のボタンからインストールサイトを開き、最新版をダウンロードしてインストールします。

インストールを開始するとほぼ確実に「WindowsによってPCが保護されました」の表示が出ます。

「詳細情報」をクリックすると「実行」が出てくるので、クリック。

実際のところは、安全だという証明書の発行には費用がかかるため警告が出るだけで、特に危険にさらされることはありません。より詳細に知りたい方は、anatawa12さんの解説も合わせてご確認ください。

インストールウィザードが開くので、「Next」を押していってインストールを完了させてください。

完了したら早速起動します。

使ってみよう

初回起動時にはUIの設定などのセットアップが始まります。まずは言語とUIのテーマを選択しましょう。

セットアップの設定は、基本的に自動で入力されていますが変更したい場合は別途設定し直してください。

「ALCOMとvcc:URLを紐つける」は、意味がわからなければ設定しなくても問題ありません。機能としては、URLからVCCに対応したツールを追加する際に起動するのがALCOMに差し替えるかだけです。基本的にはVCCとALCOMでどちらから追加しても違いはありません。

セットアップが終わり起動すると、VCCに既に存在するプロジェクトがすべて読み込まれています。Unity2022、2019のプロジェクトが混在していても問題ありません。

既存プロジェクトの「管理」ボタンを押すと、プロジェクトに追加しているパッケージ類の管理画面に移ります。

パッケージ管理画面は次のようになっています。

VCCではそれぞれバージョンアップする必要があったパッケージ類ですが、「すべて更新」というボタンがあります。押してみましょう。

変更を適用する対象を下記のように一覧表示してくれます。適用してみます。

きちんとVCCと速さを比較するために動画を撮ったのですが、4パッケージを更新するのにわずか3秒程度で終わったため、動画を出すまでもありませんでした。

(参考)

VCC同様、管理画面で+ボタンを押すとパッケージが追加されます。

左側のチェックを入れれば纏めてパッケージの追加も可能。

もちろん新規プロジェクトの作成も可能。注意点としては、プロジェクト名は半角英数字のみを使ってください。バグの温床になります。

その圧倒的な速さと、VCCでこれがあれば、と思っていた痒い所に手が届く作りになっており、今後のプロジェクト管理のスタンダードになる可能性を秘めていそうです。

ただし、本記事の初掲載時点では未実装機能があるため、VCCの上位互換ではないという点には注意してください。

また、本ツールはオープンソースなので、コーディングの出来る方であれば機能追加なども可能です。


一見上級者向けに思われるかもしれませんが、むしろその速さやパッケージの一括導入・更新の恩恵は初心者にも強くおすすめできるものです。ワールド作成や改変ももっと進んでいく、そんな可能性を感じるツールでした。