2月19日から3月17日まで「SANRIO Virtual Festival 2024」（以下、サンリオVfes）が開催されています。「SANRIO Virtual Festival 2024」はVRChat上に作られたバーチャルピューロランドを舞台とした、いつでも何度でも楽しめる期間限定VRテーマパークです。
期間中は、バーチャルパレードをはじめゲームワールドやコラボアバター、キャラクターグリーティング、コミュニティコラボなどを行っています。
本記事では、バーチャルパレード「Dreamin’ a Dream」とミニショー「ハローキティと友情の飛空艇」を紹介します。
興味深いスタッフ陣で作られたミニショー
「SANRIO Virtual Festival 2024」のバーチャルパレードでは、直前にミニショーが開催されます。バーチャルパレード「Dreamin’ a Dream」の前にはミニショー「ハローキティと友情の飛空艇」が行われました。
キティが飛行船に乗って登場。サンリオVfesについて紹介してくれます。ミニショーのスポンサーであるフコク生命が描かれています。フコク生命は去年のイベントでもミニショーのスポンサーをやっていました。
ワールドの中央にある知恵の木をぐるりと回っていると、エネルギー切れで墜落することに。
次のショーに間に合わないと慌てるキティ。ピンチに現れたのは、キティの友達たちです。エネルギー切れだった飛行船も直り、みんなで飛行船に乗って次のショーに向かいました。
ショーの内容自体はここで終わりなのですが、制作陣がなかなかにユニークなので紹介。このショーでの制作は、VRChat映像制作スタジオのJaMstudioが担当しています。映像作品に携わっている人たちがショーのスタッフとして参加しているのは面白い試みではないでしょうか。VRChatの映像制作は盛り上がりを見せていますが、こうした外部での活動が見られるのは珍しいように思います。
サンリオVfesは、VRChatにある既存コミュニティと密に連携して一緒に作っているイベントです。このミニショーに限らず誰が作っているのか調べてみるのもいいかもしれません。もしかしたら、思いがけない人が活躍しているかも……？
キティの夢をのぞき見てみよう！
ミニショーが終わり、バーチャルパレード「Dreamin’ a Dream」が始まります。パレードが始まる前にハートライトが渡されます。ピンチになったときに応援するための道具で、振るとエフェクトが出てきます。
今回のパレードは、キティの夢の世界をのぞき見る内容です。人の夢をこっそり見てもいいのかなと思いながらも、キティの就寝するところから始まっていきます。キティが寝るのと合わせてまぶたが閉じる演出もされており、丁寧な作りを感じます。
ところで、キティの夢は何か知っていますか？ 自分は、キティに関する情報が身長がりんご換算しているぐらいしか知りません。
キティの夢はピアニストになること。公式サイトを見てみると、ピアニストになること以外にも詩人になることも夢らしいです。芸術方面に興味があるのか……
そう、今回のパレードのテーマは夢。キティの夢を皮切りに他のキャラクターが登場してきます。登場するキャラの中にボーイフレンドのダニエルがいるのがいいですよね。キティの主役のお話には欠かせません。
他のキャラクターたちの将来の夢をラップ調で表現します。キャラクターの生き生きとした動きでテンポ良く夢を語っていきます。ここで、それぞれのキャラクターの特徴をバッチリ掴ませてくれる気持ちいい導入です。
各々が夢を話していく中で、ポムポムプリンはいっぱい食べたいとアピールします。しかし、将来の夢がいっぱい食べたいはいいのかとツッコミが入ります。
将来の夢に限らず、自分が真剣に思っているのに「えっそんなこと」とコケにされることありませんか。この場面のポムポムプリンの心境は、どことなく嫌な記憶を思い起こすものがあります。
何気ない悪意に触れてしまったポムポムプリンは、夢なんていらないと思ってしまいます。この場面の背景も結構凝っていて、ついつい見てしまいます。
次第に背景やキャラクターたちの様子も怪しくなっていきます。悪夢を思わせるような雰囲気で表現の尖りっぷりで、急にアクセルを踏んでいます。
ところで、ここのシナモンはマウスで描いたみたいな独特のゆるさを感じませんか。写真だと分かりづらいのですが、平面なので動きがあるときに平べったさが伝わってきてかわいいですよ。同時に明らかに様子がおかしい「異物」として認識もさせられます。
「何者かに侵略されているぞ」と思った場面で登場するのが、バクの化身ブラックナイトメア。諦めた夢や捨てられた夢が好物で、夢をいただいているそうです。夢を取られると、もう二度と夢を見なくなります。夢を手放してしまったたポムポムプリンは倒れてしまいます。
ポムポムプリンをどうしようかと戸惑っている中、他の夢を取ろうとするブラックナイトメアにキティが立ち上がります。ここからキティとブラックナイトメアの主張が曲に合わせて開幕！
この場面に限らずショー全体に言えますが、VRの演出を上手く乗りこなしています。キティとブラックナイトメアの掛け合いでは、パーティクルライブの文字演出を踏襲。2人の主張の違いをフォントで表し、さらに掛け合っていく様子をアニメーションで伝えていきます。
そしてドラマチックな場面転換。物理法則がない世界でのぶつかり合いで、スタジオセットのようにこれまで使ってきた場所を使っていくのは最高に熱い展開。VRで見ることで最大限発揮される演出です。今回のパレードを通じて感じることですが、夢を舞台にしているからできることを活かし続けています。
音楽の曲調もかなりヒロイックで、RPGの戦闘曲かと思うほど。中盤以降のアクセルの踏み方がとんでもないことになっていますが、しっかりサンリオの世界観を壊さない舵取りをしているのも感じられます。
今回の「SANRIO Virtual Festival 2024」ではバーチャルパレードが3つありますが、「Dreamin’ a Dream」はベースは従来のパレードでありつつも、VRで培われた演出をはじめとした従来では扱わなかった表現や演出を貪欲に取り込んでサンリオの世界観に溶け込ませた内容になるでしょう。サンリオのキャラが許容できないことは、本当になんだろうと考えさせます。
今回紹介したバーチャルパレード「Dreamin’ a Dream」とミニショー「ハローキティと友情の飛空艇」は無料で見られます。開催期間中に決められた時間で行われているので、公式Xや公式サイトでスケジュールを確認しましょう。
また、サンリオ公式YouTubeチャンネルではパレードの様子が動画として公開されています。VR環境がない方は動画で楽しんでみてください。
