クールなビジュアルから思わぬ一面も! 大丸・松坂屋新作アバター「玲來」「零韻」レビュー

半年で10体。

この数は何を指しているのか分かりますか。

そう、大丸・松坂屋が世に送り出したアバターの数です。もちろんパーツが共通している共通素体もありますが、半年で10体のアバターを取り扱ってきたのはなかなか見ないでしょう。しかも、イラストレーターのデザインもされているのもすごいポイント。

そんな大丸・松坂屋アバターに新たに2体のアバター「玲來」(れいら)「零韻」(れいん)が増えます。今回出されるアバターは、気品のあるきょうだいとなっています。今回のデザインを担当したイラストレーターは、Adoのイメージディレクターを務めているORIHARAさんです。

イメージディレクターとは、バーチャルに生きている人のスタイリストのような役割。今回の起用した理由に、イメージディレクターを務めている人が、同じくバーチャルに生きているVRChatの人に向けてアバターを作ったらどうなるのかと気になったのがあります。

それではORIHARAさんが描くイラストや世界観が、アバターにどのように反映されるのか見ていきましょう。

かっこいい女性だなぁと思って僕から近づいたんだ。「おもしれー女」だった……

まず紹介するのは「玲來」。共通素体は、風璃(Type KOB)です。

テーマはクラシック、ロリータ。大丸・松坂屋アバターは、「正装」をモチーフにしていますが意外にも正装にロリータファッションはなかったと思います。

衣装の全体にアシンメトリーが随所に活かされています。衣装についたリボンやソックスもアシンメトリーです。

衣装の注目ポイントにチェーンがあります。3Dモデルでチェーンを作るのは大変な作業。チェーンをモデリングするとなると、ポリゴン数が増えてしまいがちです。もちろん、ポリゴン数を減らすための方法はありますが、見た目をリッチに見せるとなるとバランスを取らなければなりません。

Expression Menuのカスタマイズ要素として衣装の着脱があります。ジャケットとスカートを脱ぐとショートパンツが印象的なコーデに。

髪はORIHARAさんの大好きな要素である黒と白のツートーン。さらに髪の長さが調整できます。短髪や目隠れにしたい人には優しい仕様でしょう。

他にも小道具として懐中時計があります。開閉ギミック搭載で、中には文字盤と写真。写真に関してはマテリアル別のため、好きな画像に差し替え可能です。

それでは本命の顔を見ていきましょう。ORIHARAさんの描くイラストが再現されていませんか?とくにイラストにもあった目元の力強さが本当にたまらないですよね。

テクスチャを描いたのは、当然のことながらアバター制作陣。顔と髪はもちひよこさんが担当しており、寄せるのに努力したのがうかがえます。イラストレーターの描いたイラストを高い再現度で反映しているのが、この大丸・松坂屋アバターの強みとも言えます。

表情も見ていきましょう。クールな女性の雰囲気でかつ、感情をあらわにするものも入っています。顔のタッチと同じように表情の付け方も、イラストレーターの雰囲気を再現してくれると嬉しいものです。

表情のプリセットは3つ入っているので、Expression Menuを使って見ていきましょう。

いや、この顔でクールな女性をやるのはかなり無理があるよ。

口をωするのかなり反則だよ
もうこれ恋愛頭脳戦で出てくる顔だよ
「姉」がこのドヤ顔するのすごくイイ

上の画像にある通り、カワイイ雰囲気の表情もあります。玲來は「おもしれー女」の部類に入りますので、仄暗い雰囲気があって使うのも難しいかもって思う人でも安心です。VRChatでコミュニケーションをするときや写真撮影のときに、感情が大胆に出ている表情があると使いやすいので助かります。

実際に使うときはプリセットで感情の振り幅が異なるような雰囲気でしたので、カッコよく写真撮影したいのに暴発して困るといったことは、そこまでないと思います。

きょうだいの姉が表情豊かだと、弟の「零韻」は尻に敷かれていそうな画が浮かびますね……第一印象と先入観をいい意味で崩してくれました。

ドールをテーマにした耽美な男性アバター

続いて紹介するのは「零韻」。共通素体は、龍青(Type NGY)。

テーマはドール。これまでも大丸・松坂屋アバターに男性アバターはありましたがが、今回の「零韻」はかなり美意識の高い雰囲気を感じさせます。

顔はふさふさなまつ毛、足元はハイヒール。これは美意識の高さが伝わってきます。デフォルトでメイクをしているような描かれ方なので、刺さる人はかなり刺さるのではないでしょうか。

衣装は「玲來」とデザインが共通化している箇所がいくつかあります。先ほど紹介したチェーンがその1つ。

ジャケットを脱ぐと分かりますが、腰にはリボンも共通のデザインとして使われています。ここまで共通のデザインをこだわって散りばめているのも、ORIHARAさんが「きょうだい」が好きだからなのがあるかもしれません。

「零韻」にもアイテムがあります。Expression Menuからを出せます。左右、順手逆手を組み合わせた4パターンを用意。雨のあるワールドに連れ出したくなりますね。

そしてこの傘にはまだ秘密があります。

なんと傘からを取り出せます。いわゆる「仕込み傘」です。

きょうだい揃ってクールなビジュアルから一転して、はっちゃけすぎじゃないですか!?

この仕込み傘のギミックは、関わっている人が相当ノリノリで作ったのが伝わってくる仕上がりになっています。まず傘から刃を出すときは、傘を持っている手をサムズアップのハンドサインにします。刃を出した状態で、反対の手を使って刀を取り出す2段階方式です。

正しい方法でやらないと変身できないみたいな心をくすぐる要素です

また傘から刃を出すときにはエフェクトが鳴ります。エフェクトもしっかり0から用意するほどの力の入れっぷり。そして剣を取り出した後の傘に注目すると、しっかり刃が入るための形状になっています。

このギミック、すべての要素がかなり愉快です。

動かすとかなり楽しいので、ぜひとも試着してみてほしい

事前に公開されていた情報や、アバターの雰囲気から、まったく想像できない魅力が「玲來」「零韻」にはあります。今回主に紹介した「玲來」の表情や「零韻」の仕込み傘以外にも、毛並みの動きや映えるスタイルといった動かしていて楽しい要素がてんこ盛りです。

数あるアバターの中でも、商品ページで見る印象と実際に動かしてみての印象が、かなり異なるのでぜひとも試着してみてください。クールさを全面に押し出すのもいいですし、おちゃめな部分も押し出すのも、使い手のあなた次第です。

でも、「試着会イベントが終わったから試着できないのでは」と思った人もいるのではないでしょうか。

今回の「玲來」「零韻」はワールドの展示ギミック「PolygonLoading」にて、もうすでに試着可能です。FUJIYAMAやSuRoomといったワールドで使えますので行ってみてください。

大丸・松坂屋アバターは今回の12体をベースに、当面の間は衣装やイベントに力を入れていくとのことです。
衣装は、すでに展開されている大丸・松坂屋アバター間の衣装交換や完全新作衣装、有名な衣装の大丸・松坂屋アバターへの対応を展開。
イベントは、現段階ではどのような形で開催するか考えていて、コラボも模索しているそうです。

今回の新作アバター「玲來」「零韻」はもちろん、今後の展開も見逃せないのでチェックしてみてはいかがでしょうか?