皆さんは自転車に乗っていますか?
さて、このときに「どういった自転車」に乗ることをイメージしましたか?
シティサイクルならクロスバイク、普段使いならママチャリといったものが思い浮かぶでしょうか?
ですが、今回紹介したいのは!
そう、マウンテンバイク!山の中にある凸凹な道を、自転車とその身一つで駆け抜けていくものです!
今回紹介するワールドは、12月3日にオープンするヤマハ発動機の企業ワールド「VR Trail」を先行体験した様子をお届けします。VRChatのワールドに本格的なマウンテンバイク体験を持ち込んできた気合い入っているワールドですので、その迫力とともにご紹介します。
実在するマウンテンバイクの施設や販売しているマウンテンバイクをVRChatで再現
ワールドの紹介に入る前に、そもそもヤマハ発動機とはどういった企業なのかを紹介していきましょう。ヤマハ発動機とは、車体・艇体技術を軸に乗り物に関する輸送機器などを製造する企業。いわば、二輪車やボートなどさまざまな製品を手掛けています。
そんなヤマハ発動機の企業ワールド「VR Trail」は、実在するミリオンペタルバイクパーク (静岡県周智郡森町)の施設を再現したマウンテンバイクの VR コースを巡るといったもの。ミリオンペタルバイクパークを知って、リアルとバーチャルそれぞれに来てもらうことを目的にしています。
ミリオンペタルバイクパークやヤマハ発動機についてより詳しく知りたい人は下記の動画がオススメです。
今回紹介するマウンテンバイクも、事業としては電動アシスト自転車の1つとして作られているものです。
人によっては、もしかしたらマウンテンバイクに電動アシストって載せられるのって思うかもしれません。少なくとも、筆者は昔マウンテンバイクに触ったことはありましたが、そのときの記憶では覚えがなかったのが正直なところです。
実は、2018年頃からマウンテンバイクやクロスバイクなどスポーツサイクル向けに電動アシストを搭載した車体が商品として登場するようになりました。
「VR Trail」で乗れるマウンテンバイクは、そんなヤマハ発動機のフラグシップモデル、いわば1番最新技術などを盛り込んだ「YPJ-MT Pro」です。価格はおおよそ70万円ほど。実際にお目にかかるとしたら少しハードルがいるものですが、忠実に再現された3Dモデルを鑑賞、運転できます。
それにしても、モデルのクオリティが本当にきめ細かいです。注目したいのはタイヤ部分でしょうか。山道で凹凸のある場所でも対応できるようにガッチリとしたタイヤ幅。接地しているトレッド部分もしっかりグリップしやすい作りです。
マウンテンバイクに乗った事がある人は分かるのですが、タイヤ幅が大きかったり、重量が他のスポーツサイクルに比べるとあるので、電動アシストが付いていると坂道の負担は変わってきます。
パーツごとの解説はワールド内にも用意されているので、ぜひ間近で思う存分見てください。
乗る自転車の確認を済ませたら、コースに出向きましょう。
ワールドのスタート地点にある大きなマップ、もしくは中指トリガーを2回押すと出てくるタブレット(ユーザーメニュー)にあるマップからコースに出向けます。タブレットに関しては、自転車の呼び出しやユーザー同士の合流などの機能も搭載されているので、このワールドに来たら必ず覚えておきましょう。
コースは全部で10コース。初級から上級までさまざまなマップが用意されています。
ということで行きたいと思いますが、その前にヘルメットを装着。スタート地点にはヘルメットを被るスポットがあります。
コースの試乗
それでは先ほど紹介したタブレットから、自転車を呼び出し。
操作は、ハンドルはコントローラーの位置によって操作、アクセルはコントローラー左のスティック、ブレーキは右コントローラーの人差し指トリガー、降りるときは左コントローラーのメニューで行えます。
ワールド内にいる「ニャイケン」がバイクの操作をはじめとした操作方法を紹介してくれます。なので、ワールドに行ったときはまずは触れてみてください。ちなみに、ニャイケンって?思うかもしれませんが、バイク「NIKEN」を擬ニャン化したキャラクターです。
実際にある施設の地形データをVRChatのワールド向けに最適化させ、再現させたコースに挑んでいきます。実際のコースにはテープはありませんが、VR上では現実とは違って道が分かりにくいことを踏まえたうえでの措置とのこと。
それでは行ってみましょう。
マウンテンバイクに乗るような起伏の激しい山道。そしてこのワールドでの自転車の挙動はリアル寄りに寄せているので何も操作せずとも地形に合わせて速度が変わるのです。コースアウトして滑り落ちる危険と隣合わせです。
だけども、この凸凹した道を駆け巡るのが本当にスリリングで楽しい。ハンドル操作を基本的には集中して、場面ごとにスピードを少し調整するといったことを徹底すると面白くなっていきます。どこまでアクセルを踏むかの駆け引きというわけです。
実際にあるアクティビティをVRで体験することは、VRの遊び方としてよく紹介されるものです。その中でも、マウンテンバイクはその身1つに自然やスリルに立ち向かっている感覚があるのがたまらない。実際の映像でちらっと見ることはあっても、VRの主観でかつ自分の手で動かすとなると一気に自分ごとになるので一気に臨場感を増します。これはマウンテンバイクにやみつきになる人もいると理解できるほどに、ぐっと解像度を引き上げてくれます。
実際なら怪我のリスクはありますが、VRでは考えなくてもありません。そういった気軽さが、最初の入口に立たせるきっかけにマッチしています。
救済措置として、コースアウトを防ぐための壁を出すことができます。とはいえ、コースアウトそのものにデメリットがあるわけではないので、過度に気にせずにチャレンジしてみるといいでしょう。
こうした揺れのある動きがあると、酔いはどうなんだろうかと考える人もいるでしょう。酔いに関しては、ワールド制作側も意識して縦揺れなどの動きを盛り込んでいるとのことです。乗ってみると分かるのですが基本的には地面に張り付いているので、見た目よりは理不尽な動きも少なく酔いにくかったです。
ただコースアウトせずにスムーズに乗りこなすだけでもやりごたえがあるうえに、10コースのボリュームもあります。なので、1回のワールド訪問で全部やり切る、長時間プレイするというよりは。1コースを決めてひたすらにコースをキレイに走るためのトライアンドエラーを行うといった繰り返し来て少しずつ上達していく遊び方のほうが、無理に酔いに困らず済むのかなと思います。
またワールド内では、コース以外にもある程度の範囲を自由に探索できます。多少の傾斜などはありますが、コースを走るのに比べるとサイクリング感覚で巡れるのでオススメです。コースとコースの感覚が短く、ワールド内ではワープで移動していますが、実際は施設として作られているんだなと実感できます。
また、「VR Trail」入口にあるキャンプスペースでのんびりするのもオススメ。カフェスペースでくつろいだり、ワールドを夜にして焚き火で囲んだりできます。
ワールドのほうでも自動で撮影してくれる機能もあるので、いいカットがあればぜひ保存してみてください。
さらには、展望台から山を眺めることも。「VR Trail」内はBGMはなく自然音のみで構成されていますが、ゆっくり過ごすタイミングには自然音だけのほうが落ち着きますし、BGMを聞きすぎて飽きる心配もありません。
VRChatのワールドとしてこれからも作り込んでいく気概を感じる!
ワールド内に乗れる自転車やヘルメットにはカスタマイズ要素もあります。
乗れる自転車は、マウンテンバイク、クロスバイク(CrossCore)、ニャイケンの3種類。タブレットからいつでも切り替え可能です。
先述したマウンテンバイク以外のモデルも当然作り込まれています。クロスバイクのモデルを見てみましょう。
マウンテンバイクとクロスバイクで色々異なる部分もありますが、わかりやすいのはタイヤ幅でしょうか。マウンテンバイクよりも細く、表面のトレッド部分も異なります。マウンテンバイクよりは、山道の適正は少し落ちるものの、普段使いの舗装されている道なら快適に進められるといったところでしょう。
そして、もう1つはニャイケン。毛並みも分かる程度に作られていたり、影がキレイに入ったりしているので、実在感が意外とあるのが面白いところ。遊園地のパンダの乗り物に並んでいてもおかしくない作り込みです。
ハンドル部分に関しては乗っているときにも見えていて、臨場感に一役買っています。ぜひ、気分転換したいときに切り替えてみてください。
カスタマイズ要素は他にもヘルメットや自転車そのものにもあります。この2つのカスタマイズは、コース中にあるアイテムを集めてスタート地点で交換する形でアンロックされます。交換できるアイテムの中には、先程のニャイケンもヘルメットのカスタマイズに含まれています。
ちなみに、夜になると光ります。安全運転よし!
アイテムの交換要素やコースのクリアタイムなどは、今後のアップデートでワールドの保存機能(Persistence)に対応させて、やり込み要素を強化する予定とのこと。データの保存もできるようになる点もあるため、ぜひ繰り返し来て上手くなるのを楽しむのがいいでしょう。
Vketやリアルイベントも開催
冒頭でお伝えした通り、「VR Trail」はミリオンペタルバイクパークをリアルとバーチャルそれぞれで来てもらいたいのが狙いとのこと。
そんなミリオンペタルバイクパークは、静岡県の森町にあります。ワールド内にも森町を紹介するパネルもあります。
もともと森町はヤマハ発動機の工場が置かれているほか、本社からも近い場所にあります。そのため、ヤマハ発動機とかなり密着した関係の場所です。そのため森町を紹介するのは、地元の応援とも言えます。
ぜひ、VRChatでワールドに訪れてよかったら実際のミリオンペタルバイクパークにも行ってみてください。マウンテンバイクのレンタルも施設のほうで行えるため、持っていない人でも行けます。
ヤマハ発動機は、この他にもVket Winter 2024への出展や渋谷でリアルイベントを開催します。渋谷のリアルイベントは、12月13日から26日まで渋谷サクラステージ内「Yamaha Sound Crossing Shibuya」で実施。会場内には今回紹介したマウンテンバイク「YPJ-MT Pro」を使ったシミュレーターで体験できます。
さらに12月14日、15日には先程紹介したニャイケンの乗り物を「実際に」乗れるとのこと。一体どんなクオリティで仕上がっているかは実際に行ってみて確かめてください。
日常では体験できないものをVRで体験するのは、VRChatに慣れた人にとってはありふれたフレーズではあります。その中でもマウンテンバイクはその身一つで上下左右に駆け抜けるスリリングさが新鮮に映ることでしょう。ぜひ、ワールドに行って乗ってみてください。
ぜひワールドに行ったときの感想はハッシュタグ「VRTrail」を付けて発信してみてください。