今や当たり前となったショート動画、その中でもTikTokはメインストリームになっており投稿する人も日々増えています。VTuberがTikTokで動画を投稿するのはもちろん、ピーナッツくんが歌った「刀ピークリスマスのテーマソング2022」はいろんな人が踊っている大人気曲になるほどです。
そんな状況下でVRChatユーザーの中には、TikTokを活用している人が見られます。本記事ではTikTokで活動しているユーザーに集まってもらって座談会をしました。「TikTokなんてなにをどうすればいいのかわからない」って人でも、撮影方法の仕方からTikTokで活動する上でのヒントが盛り込まれた内容となっています。この記事を読んで、TikTokについて少し知ってみましょう。
TikTokをはじめたきっかけは?
ーー最初に自己紹介をお願いします。
せいそ系ゆめかわめすがきVtuberのちべたろーです。最近はYoutubeで生配信したり、Twitterでおはようツイートしたりしています。TikTokではトレンドを追ってダンス動画を出したり、ネタ動画にもチャレンジしています。最近はネタ切れで悩まされています。
育良啓一郎と申します。VRChatの方面だとHIKKYでVketの広報が本職なんですが、VRCボクシングやバーチャルショッピングモール「Carat」のスタッフをしています。1番分かりやすい自己紹介はSCPの「ねこです」の作者です。TikTokだと流行っている音源を踊っている感じですね。
VRP Dance Studioの課外活動「VRP放課後TikTok部」で部長をしているMEMELAPIと申します。TikTokは12月から始めたばかりです。踊っている動画が中心になります。
ーーVRP放課後TikTok部について詳細を聞いてもよろしいでしょうか。
MEMELAPI VRPDanceStudioの課外活動としてVRP放課後TikTok部があります。自分は部長で、副部長がまおりんさんで、ゆるく活動をしています。活動のスタンスとしては、みんなで集まって楽しくTikTokやろうなので、怖いことはないです。
VRPはダンスのグループなので、レベルの高いダンス動画が多かったです。「休憩ついでに緩い動画も撮ろうよ」っていうのもあるので、気軽にダンスしている人も歓迎です。
ーーTwitterで動画を撮りはじめたのはいつ頃からになりますか?
アズニャン 元々Twitterで動画を投稿していたのですが「Twitterで投稿している動画をTikTokに投稿してみるか」ってなったのがきっかけですね。TikTokは、Twitterよりも音楽の権利周りが厳しいのでまったく同じではないですけども、縦撮りの動画が多くなりましたね。
ーーTwitterで動画を撮ろうとしたのはいつ頃からになりますか?
アズニャン 2、3年前からになります。始めたてのときにふざけて撮っていたのが面白いなって思って続けていますね。
MEMELAPI 私が始めたきっかけは、ダンスしている動画をYoutubeに上げて、Twitterでみんなに見てもらう形だったのですけども、簡単にできないかなって思ってTikTokを始めました。ダンスの動画は、VRPのレッスンで習った動きの復習も兼ねています。あとは、Twitterにあったモーメント機能がなくなったのもタイミングとしてありました。
育良 動画投稿はしていたんですけども、VRChatと関係ない友だちとTikTokの話をしていたんですよね。レコメンドのシステムとか面白いとかが出て、やってみないと分からないからやってみたらハマりましたね。
VRChatの周りにいる人がアバター改変してもカワイイとか話す人達ではなかったので、TikTokを見せ場にすればいいじゃんという流れもありましたね。
ちべたろー 知り合いに結構ストレートに好きじゃないって言われて、見返してやるって思って始めました。最初の頃は3日に1本動画を出すことにして、その知り合いが自分のことを羨ましがったら見返してやろうと思ってここまで来ました。
育良 やっている人が見るとちべたろーさんの動画ってめっちゃ気合い入っているのが伝わってきますね。
ーーちべたろーさんの改変ってすごく統一感あっていいですよね。
ちべたろー 改変をするときは服から入っていて、服から色、髪型とか考えています。
アズニャン 改変をするにしても統一感を大切にしていますね。あんまり変えすぎると分からなくなるので、黒髪とタトゥーをたくさん入れるみたいな感じになります。
育良 TikTokのために改変をしているわけではないのですが、TikTokで撮影するときはパッと見て分かってもらえるように髪型を同じにするなど意識しています。改変の方針は、リアルクローズでモノクロ系ですね。
どのようにして撮影するのか
ーー撮影、編集はどのようにして行っていますか。
ちべたろー 無音の動画を撮影したのをスマホに送って、スマホのアプリ「CapCut」で編集しています。TikTokやるなら「CapCut」がいいぐらい良くて、シーズンごとにエフェクトとか追加されるんですよね。
育良 揃っているエフェクトがTikTokで使われているものですしね。
ちべたろー TikTokを見ていると「CapCut」のエフェクトとか編集方法について紹介されているのが多いですよ。文字素材というのがあって、ダウンロードをして「CapCut」で編集すると同じような動画になるみたいなのがあるんですよ。自分みたいなカワイイ系の人ならすごく参考になると思います。
アズニャン 作っているジャンルはミュージックビデオか、ネタ動画、とりあえず動いている動画って分けてネタ帳でまとめています。今日はこの動画を撮るって決めたらワールドについて考えます。ワールドは動画のシチュエーションごとに変わりますが、自分のワールドを1つ持っていて、グリーンバックとかが必要な場面があったら用意するなどしていますね。
撮影は4Kで行うようにアドオンを使って、録画は「OBSStudio」を使っています。編集は、TikTokでできるかなって思うのですが、「DaVinci Resolve」でモーションブラーなどのエフェクトを足してVRChatで撮っている感をなるべくなくしています。音源だけは動画で付けると警告が来るので、TikTokの中で使っていい楽曲を選んで付けています。
ーーVRChatで撮っている感をなくすというのはどういったことでしょうか。
アズニャン そのまま投稿してもいいですけども、モーションブラーや細かいカメラの動きがあると直撮り感がなくなって差別化されていいんじゃないかなって思ってやっています。ネジやパソコンが光るだけでも細かいところが多いですけどもね。
育良 アズニャンさんとちべたろーさんの合いの子みたいなやり方ですね。VRChatのカメラを横向きのまま、OBSの画面を1080×1920の縦画面にして撮影します。XSOverlayを使って振り付けの画面を見ながら、うまくできたカットをAdobePremierで切り出します。Discordを使ってスマホに送ったら、TikTokにある編集機能を使ってスタンプや音源を付けて完成という流れです。
ーー動画の制作ってどれほど掛かりますか。
アズニャン 適当に動いているとモーションブラーを付けて終わりなんですけども、細かいカメラ振りとか、ミュージックビデオで音合わせとか必要になってくると4〜6時間ぐらい必要ですかね。
育良 アズニャンさんのはガッツリ作っているわけですもんね。
ちべたろー ちべの場合だと、ダンス動画で何本か撮り直しからよかったカットを編集する流れだと、踊るのに1時間、編集に1〜2時間掛かりますね。ネタ動画だと、流れは頭の中に決めてあるので20〜30分ぐらいで撮影して、編集は効果音を付けて2〜3時間ぐらいですね。
育良 僕の場合は、撮影に時間掛かっていて、うまく踊れた動画だけ切り抜きたいので、ちょっとでも気にいらなかったらもう1回の流れになります。編集はスタンプを入れるぐらいなので、1本あたり撮影から編集まで1時間ぐらいで終わります。踊ってみた動画は何本かまとめて撮りますね。
ーー自分はダンスが全然できないので踊ってみたをガッツリできるのはすごいですね……
育良 結構振り付けとかごまかしていていますよ。
MEMELAPI 私も自分流にして変えちゃっています。
ちべたろー TikTokって手を使った動きが多いですけども、アバターだと再現できないってなったらネコの手でやっていますね。
一同(笑)
育良 手の形と表情が紐ついているから、この手にするとこの表情になるけども曲に合わないから、右手後ろにして左手でポーズを取るみたいな工夫をしています。
MEMELAPI 踊れないダンスは「まめひなた」とかの小さいアバターにして踊りましたね。
ちべたろー 小さいとダンスって上手く見えますよね。短い手足だから思いっきり動かしているように見えるし、かわいく見えるんですよね。
アズニャン 「みなほし」ちゃんで踊っている人はみんな上手いですよね。
育良 「みなほし」ちゃんダンス界隈はレベル高いですね。
VRChatの外にも届く
ーー見ている人はどの層が多いですか。VRChatのユーザー内外だとどちらが多いでしょうか。
ちべたろー VRChat外のユーザーが多いですね。なので「VTuber」ですかってコメントで聞かれることが多くて、VTuberとしてやったほうがいいなって思ってやっています。
育良 VRChat外のユーザーが多いですけども、カワイイってコメントが最初に来て、どういうゲームですかって続けて聞かれることが多いです。たまにやり方をめちゃくちゃ聞かれることがあるので、説明してVRChatをはじめたという人が何人かいます。
アズニャン アナライズから見てみると、Twitterだとアメリカ、TikTokだとメキシコが多いですよね。コメントでもスペイン語、ロシア語も混ざっていて、いろんな国に届くなって感じですね。
ちべたろー 国でいくと日本がほとんどですよね。VTuberが好きな人がTikTokでちべを知って、Youtubeに行く流れができています。
育良 TikTokerの人でもInstagramとかYoutubeに流れていくのはあります。
ちべたろー ウケるジャンルもプラットフォームごとに違って、Twitterはネタ動画、TikTokは流行りのダンス、YoutubeShortsはTikTokに近い感じなんですよね。
ーーTikTokの中で固定ファンの方はいたりしますか?
育良 いつもいいね、コメントしてくれる人はいますね。僕の場合は、アバターによって変わっていて、「Grus」ちゃんのときにする人や「リーファ」ちゃんのときにする人みたいに分かれています。
MEMELAPI 男性アバターを使ったときは女性の視聴者が多いですね。
ちべたろー 男女比率だと広告の打つときに意識していますね。TikTokに広告のシステムがあって、300〜500円ぐらいでバズった動画を広告してくれるシステムがあるんですよ。最初は、広告を打つ対象を全体に向けてしていたのですけども、リピートしてくれるのが男性80、女性20って出てきたので、20代前半から30代男性ゲームって特化するようにしました。
ーーTikTokに20代前半から30代男性ゲームで届く人がそんなにいるんですね。
ちべたろー ゲームのクリップとかも流れてきますからね。
育良 いくつかクラスターが存在する感じですよね。女子高生とそのインフルエンサーたちだったり、グラビアアイドル、ダンサーっていろいろあるんですよね。僕の周りで多いのはコンセプトカフェの方面が多いですね。界隈ごとに音源が違っていて、僕はどこの界隈で流行っているのかを意識しています。
ーーVRChatのユーザー層に近いのはどこなんでしょうか。
育良 日本のVRChatユーザーはTikTokやりなさすぎて集まりがないですね。
MEMELAPI 海外のユーザーはいくつか見られますね。
アズニャン 海外はインフルエンサーとかいますよね。TikTokのインフルエンサーはBOOTHアバターを使っているイメージがありますね。
ちべたろー 海外ユーザー多いから海外ミームやってみたら全然ウケませんでしたね。ジャンルが違うから分からないってなってましたね。
アズニャン 1度見ているユーザーの国が定着したら難しいですからね。
ーーアズニャンさんは日本のネタには触れずに海外のネタから動画にしているということでしょうか。
アズニャン 基本は海外だけで、たまに日本ですね。海外のBOOTHアバター愛好家の中だと「竜担」ちゃんと「セレスティア」ちゃんが好きな人が上位なので使っていますね。
これからやる人へのアドバイス
ーー最後にこれからVRChatユーザーがTikTokを始めるにあたってアドバイスがあれば教えてください。
ちべたろー 自分の周りでTikTokをやる人がいるんですけども、1,2本でやめちゃうんですよね。続けていったら結果が出るので、すぐやめないで続けていってほしいです。
アズニャン 3Dアニメーションを作るのって大変だと思うんですけども、VRChatだと自分で動くだけで手軽にできてしまうんですよね。写真を撮る人は多くいると思うので、いろんなところで投稿をしてみてください。自分の知らなかったような人たちからの良い反応がもらえると、モチベーションに繋がるんじゃないかなって思います。
育良 ダンス動画もいけるし、VLOGみたいな感じで記録を残してもいいですよね。とにかくTikTokって1ジャンルだけじゃなくて、マインクラフトの小技紹介みたいなのもあるんですよね。やろうTikTok!
MEMELAPI 始めて1ヶ月なんですけども、楽しいなって思っています。1回動画を投稿してみるだけでいいじゃないかなって思います。友達とコメントのやり取りをするだけでも楽しいので、はじめてみてもらえればと思います。
勇気がなくて恥ずかしいなって思ったらVRP放課後TikTok部に入ってもらえればと思います。12月にTikTok部を動かしたのですが、10人ぐらいTikTokをはじめてくれたんですよね。ビギナーばっかりなので、怖がらずに一緒にやりましょうって感じです。
VRChatのSNS活用と考えるとTwitterがほとんどだと思いますが、今回を期にTikTokに挑戦してみるのはいかがでしょうか。
TwitterをメインにTikTokやInstagramで写真や動画を出しています。日本人ですが、海外をターゲットにやっています。