VRChatで活動していると「VRChat」ができなくなる。それって本当?第3回VRCムービーアワード終了後座談会

「VRChatに没頭すると、VRChatする時間がなくなる」

VRChatのクリエイターなら一度は頷くこのジレンマ。果たして本当なのでしょうか?

特に映像制作では、撮影こそVRChat内で行うものの、絵コンテや編集作業などの作業はパソコンと向き合う時間になりがちです。

本記事では、年に一度の映像の祭典「VRCムービーアワード」に挑んだクリエイターたちに集まってもらいました。慣れないチームでの創作や「作業によってVRChatができない」状況を、彼らはどう乗り越えたのでしょうか。

何故作品を作ろうと思ったのか

──まず最初に今回の参加者がどのような作品を作ったのか、出展経験があったかどうか聞けたらと思います。

じぇーゆー じぇーゆーです。いままでは、『IRREGULAR’S』シリーズでカメラを担当していました。今回は自分で最初から作品を作って、完成させて公開してみたいと思い、カメラマンだけではなく監督として『HUNTER』を制作しました。

唯野みき 唯野みきです。実は制作自体は第2回のVRCムービーアワードのときに行っていたのですが、日時を間違えてしまい、今回の応募が始めてとなります。

第2回のときには、授賞式にてトロフィーを受け渡しする役をお手伝いしていて、そのときに司会だったリーチャ隊長とイベント終了後に話をしました。そのときに、「ふたりとも映像を作ったことないから作ってみたいね」と盛り上がったんです。

今回は、ホラーが好きなので、そのホラーを自分が作ったら「どういうものなんだろう」と、完成してみたのが『推し』となります。

いすぷびたみん いすぷびたみんです。ムービーアワードは第2回にも参加していたのですが、とある撮影スタジオが終末世界を舞台にした作品を作るらしいぞと聞きつけて、自分が所属している「被甲連合」でも映像を作りたいと火がつきまして、長編映画である『EAT OR DEAD』を作ることになりました。

RGBこーぼー RGBこーぼーです。制作の中心となった「ヴィルーパ観測機構」という創作グループは、もともと自由にクローズドな創作をするスタンスで進めていました。

ただ、「せっかく創作したものを外に出したほうがいいのではないか」といった提案をメンバーの1人であるたけのこさんからもらって、『食語り-VILLPER REPORT-』を制作しました。

Luvdelic Luvdelicです。「Dust to dust」というイベントのオーナーを1年ぐらいやっていて、そろそろ創作団体としてコンテンツを広げたいと思い、ファーストステップとして映像を撮って応募しようと制作したのが『OUR TESTAMENT』です。

──こうして聞いてみると、創作団体やイベントで活躍されている方はその団体の表現の幅を広げる一環で作られていると思うのですが、『推し』と『Hunter』に関してはどのようなテーマを持って作られましたか。

唯野みき そもそも映画を作るとはどういったものなのかも分からない中で制作だったので、いままで自分が怖いと思ったもの、好きな映画を見返すことから始めました。

そこから積み重ねた結果、まず「最後はこうしたいよね」という結末がドンと来ました。そこから、登場人物は「2人だよね」といった風に要素を固めていき、今の形になった感じですね。

──元々ホラーがお好きですよね?

唯野みき 好きですね。リアルだとお化け屋敷も行くのが怖いのですが、VRChatだとホラーワールドが身近にあるので、1人だと怖いのですがみんなとなら行けます。

それこそ、VRCムービーアワードでも活躍されている中田らりるれろさんのホラーワールドにも行ったことがあって、そこから中田さんの作っている映像作品を知って、見るといったこともしています。