HIKKY、VRChatのワールド「ポピー横丁」商標登録出願を実施 匿名のまま商標とる前例に

株式会社HIKKYは6月3日、VRChat上の人気ワールド「ポピー横丁」の名称をポピー横丁制作者であるコクリコ氏と合意のうえ、商標登録出願を実施したことをを発表しました。

今回の商標登録出願は、コクリコ氏の「ポピー横丁の商標取得に関心があるが、出願により実名や住所などが公開されるため迷っている」というツイートに対して、同社代表の舟越氏が代理取得の申し入れをたことで実現しました。なお、同社は将来にわたり本商標に関する一切の権利行使を行わないことを宣言しています。

これにより、「ポピー横丁」の商標権が第三者に不当に取得されることを防ぎ、今までと変わらずに、VRCユーザーやクリエイターの創作物に「ポピー横丁」の名称を自由に安心して使い続けられるようになるということです。

クリエイター保護のための商標登録出願の動き

昨今、商標登録出願が増えた背景には、5月15日に権利者ではない全くの第三者が「ゆっくり茶番劇」という名称を商標登録出願をし、さらに商標権の使用料として月10万円を請求すると発表したことからネット上から騒動に発展した件がきっかけになっています。

この事件に合わせ、ニコニコ動画などでこの名称をジャンルとして使用してきた株式会社ドワンゴは原作者のZUN氏と協議後、5月23日に記者会見を開きました。会見の中でドワンゴは、「ゆっくり茶番劇」の商標登録について無効審判の請求、さらに独占を防ぐために「ゆっくり」関連の複数の文字列について商標登録出願をおこなったとしています。

今回の出願の意義について

今回の商標登録出願について、ワールド制作者のコクリコ氏は「今後も安心して『ポピー横丁』の名称が2次創作や創作物に商用/非商用含めて自由に使えるようになること」「日本のVRCクリエイターコミュニティに対して『商標取得』と言う道筋があることを示すこと」の2点を意義として挙げています。

特に後半についての意義に重きを置いており、個人クリエイターが匿名のまま商標をとる前例を示すこと、それを多くのユーザーに知ってもらうことが意味のあることだと伝えました。詳細のコメントおよび、内容についてはプレスリリースを参照ください。

●参考リンク
プレスリリース
コクリコ氏(Twitter)