アバターの自撮りを「絵画」に見立てる YOYOGI MORIアバター『Undone Kittens』主役の個展を見る【PR】

VRChatにあふれるアバターの自撮り。しかし、その一枚が見せ方によって気品ある「絵画」に変わる瞬間があることをご存知でしょうか?

9月21日から開催されるmoyukさんの個展『UK展』では、アバター『Undone Kittens』(以下、アンキテ)を絵画風に仕立てることにより、ワールドの雰囲気も相まって美術品のような雰囲気を演出しています。

Xで見る写真とは異なり、ワールドの「額縁」に収められるからこそ生まれる面白さとは何か。その魅力が詰まった個展について、撮影者のmoyukさんと主催者のkoujiさんにお話を伺いました。

VRChatの出会いはYOYOGI MORIから

──まず最初に、今回moyukさんを個展にお呼びした理由からお聞かせください。

kouji moyukさんはフォトグラファーとして活動されている方ではないのですが、『YOYOGI MORIアバターフォトコンテスト』で応募作品を拝見した際に、その素晴らしさに惹かれてお声掛けしました。moyukさんの場合は、絵画・肖像画的な印象のある作品が多いので見ていただけると嬉しいです。

──個展会場に足を踏み入れた途端、今までに感じたことのない空気に包まれました。まさしく肖像画のようで、ワールドのお屋敷のような雰囲気と相まって、まるで美術品のようです。

kouji ワールドに額縁の中に入れたことでの魅力はありますね。Xでも投稿されていますが、タイムライン上ではどうしても流し見になってしまいがちです。しかし、ワールドでまとめて展示することで、作家性がより明確に伝わるようになります。

──moyukさんの作品は、構図自体はシンプルでバストアップのようなものが多いですが、ずらりと並んでいても見応えがあって楽しいです。

kouji 色んな写真があるのですが、絵画のような撮り方をされる人がなかなかいらっしゃらないなと思っています。「おはツイ」に近いものではあるのですが、雰囲気はまた異なりますね。

──そもそも、moyukさんがVRChatを始めたのはいつ頃からでしょうか。

moyuk 始めたのは2023年の年末から2024年の年明けごろです。VRChatを始めたきっかけは写真を撮りたかったからです。もともとゲームのフォトモードが好きだったのですが、その撮りたいアバターがYOYOGI MORIから出ている『NH-01』だったんです。たまたまXで流れてきたのを見て、NH-01のデザインが好きなイラストレーターさんの手によるものだと知り、どうすればこのアバターに会えるのか調べていった、という流れです。

──運命的な出会いからスタートされたのですね。

moyuk でもアンキテは最初買えなかったんですよ。金額的な問題ではなく、自分には向いていないなといった問題ですね。

──好きなアバターと、自分に馴染むアバターは異なることがありますからね。

moyuk でも色々あって使ってみると、すごく馴染むようになってメインで使うようになりました。

──YOYOGI MORIのアバターが基準になると、価格がハイブランドであるという意識は薄れてしまいそうですね。

kouji YOYOGI MORIアバター結構お持ちですよね?

moyuk これははっきり言いたいのですが、YOYOGI MORIアバターは増えます!次の月には別のアバターを買っています。

──わりと一回ラインを超えると許容範囲になる印象はありますね。

moyuk 今だとハイブランドだと認識できるのですが、始めた当時は平均も分からなかったので3Dモデルがこの価格で買えるって驚いたんですよ。後になって気付いたわけですが。

──実際有名なクリエイターが色々関わったうえであれば、納得ではありますよね。とはいえ、親鳥みたいな存在がYOYOGIMORIになると面白いことに……

アンキテを「絵画」に見立てる

──撮影はどのような環境で行われましたか。

moyuk 特に特殊な機材は使っていません。『VirtualLens』と『Avatar Pose System』を主に活用しています。1階は、アンキテを絵画風に撮影した作品を中心に集めました。

ここに置いてある作品は一度Xに投稿したものがほとんどですが、今回の展示にあたって一部は再撮影しています。

というのも、お声掛けいただいたのが第1回YOYOGI MORIフォトコンテストの結果発表があった2024年の9月ごろだったんです。作品を入稿する時期が近づくにつれて、過去の作品から飾りたいものを選び、撮影可能だったワールドへ赴いて再撮影し、より良いものを採用しました。

また、Xではサムネイル表示の都合でアスペクト比を4:3にしているのですが、今回は1階の作品を16:9に統一し、額縁のサイズを揃えています。

──展示にテーマは設けられていますか。

moyuk ここに至るまでに二転三転しまして、最終的には展示ワールドのコンセプトや、自分の気に入っているアバターであるアンキテを中心に据えることにしました。

普段はフォトコンテストに応募しないのですが、第1回YOYOGI MORIフォトコンテストに出したことをきっかけに、ちゃんと考えて撮るというと語弊がありますが、写真に方向性を持たせるようになりました。なので、作品を見終えた方が帰りにBOOTHでこのアバターを買ってくれたら嬉しいな、という気持ちでいます。特に強いメッセージ性はなく、自己満足のような形で作りました。

──それでも、作品を見ていると『Undone Kittens』が様々な顔を見せてくれることが伝わってきます。デフォルトの姿のままこれだけの表現ができるのは、撮る側とアバター、双方の魅力が詰まっているからこそですね。

moyuk 一応スケールを少し調整していますが、ほとんどデフォルトのままです。表情や動きで幼くもなれば、お姉さんにも見える。やんちゃにも見えれば、お淑やかにも見える。どんなことでも表現できるアバターだと思います。

Undone Kittensはもともと表情が豊かなのも大きいですね。後は、HMDの傾きに合わせて目の動きが変わるんですよ。

kouji 写真を撮ろうとすると、視線を逸らすようなギミックもありますよね。まぶたの上下やまばたきの仕方で印象が変わるので、撮影する側としてはありがたい機能です。

──そんなギミックがあるんですね……

moyuk 後は、Avatar Pose Systemを活用しています。目線に関しても調整を入れられますので。

──写真撮影をする際は、どのような流れで撮られていますか?

moyuk 特に決めていないのですが、ワールド巡りをしている最中にふと良さげな場所があれば撮影するケースもあれば、狙った画を撮りたいときはワールドの項目を漁って見つけ出しています。1階にあるものは、ワールドを見たときに撮ろうと思って思ったものがほとんどですね。例えば、間接照明の当たり具合から収まりが良さげだなと思って撮るみたいな感じです。

──そんな手が……足を稼ぐ手段はよくあっても、そんな使い方を見出すのははじめてです。

飛んでいるヘリコプターとアバターを一枚に

──2階はいかがでしょうか?

moyuk 2階はアバターの全身を写しつつも、ワールドの風景がメインに近い作品を展示しています。

──他の作品とレイアウトがかなり異なっていて目を惹くものがありますね。

moyuk この作品は16:9の横長をいい感じにトリミングしたものです。

──額縁に収まっている物として見ると、かなり異物感があって面白い。多分、Xで見たらまだ異物感が抑えられていそうです。

moyuk この写真はフライトできるワールドでアバターを固定して、透明になった自分がヘリコプターに乗って動かして撮影したものなんですよ。飛んでいる乗り物とセットとなった画が欲しかったのですが誰もいなくて。

──相当な力技ですね。

moyuk 撮影をしていて楽しかった1枚ですね。ヘリコプターの浮く瞬間で揺れている感じも表現していて気に入っています。

机の上に置かれた3枚の写真に込められた共通点とは?

──3階の作品はまばらな感じですね。アンキテ以外のアバターの写真が含まれていますね。

moyuk 普段遊んでいるときのアバターを使って撮影したものを展示しています。

──奥の方は……作品がしまってある?

moyuk これは……作品がしまってあったら面白いかな、と。最初は何も置かないつもりでしたが、スペース的に物置のような雰囲気だったので、このように配置してみました。

kouji そのように配置してもいいですか?って確認しました(笑)

moyuk お願いするときに写真とレイアウトだけ指定して後はおまかせしますって感じです。

kouji 贅沢な使い方でいくと、同じく3階の机にあるものもありますよね。

moyuk これらの写真は、今回のギャラリーとは別の経緯があるため展示から外れたものになります。

3枚あるのですが、そのうち2枚はYOYOGI MORIのアバターフォトコンテストに応募したもので、他の写真とは違った意図が込められています。自分の中で重要な写真になったので、机の上に置かせてもらいました。残りの1枚は、また違ったいわくつきでして……

──いわくつき、ですか。

moyuk 誕生日に「写真を撮ってくれないか」とお願いされて撮影したのですが、それが自分にとってある種の呪いのようになってしまって……

──置いて大丈夫なんですか!?

moyuk 私が目指している「見た人の目を奪うような一枚」、それに近いものができてしまったんです。その写真に恋に落ちるようなものを目指していたのですが、それを人にあげる写真で全力を出し切ってしまったので、しばらく何も手につかなくなってしまったんですよ。好きで気に入っていて、プレゼントとして渡せたことは自信にも繋がっています。ただ、今このレベルの写真を撮れるかというと……

kouji 隠すように配置してくれとお願いされましたね。

moyuk 自分のためではなく、他の人のために撮影したものなので今回の展示で大きく飾るのは違うのかなと思ってですね。本人には許可を取っているのですが、まさかこういうふうに飾られているとは多分思っていないですね。

──最後にですが、Undone Kittensの魅力について聞けたらと思います。

moyuk 同じアバターでも、着る人それぞれに合ってくれるような懐の深さがあると思います。特定のイメージに留まらず、可愛くもあり、美しくもあり、元気にもお淑やかにもなれる。どんな姿も見せられるのがこのアバターの魅力です。ぜひBOOTHで実物を見て、そして買っていただければ、展示しているワールドのUndone Kittensカフェのスタッフ共々喜びますので、よろしくお願いします。

──ワールド内に導線を用意したいですね(笑)本日はありがとうございました。

9月21日から個展が公開

個展 『UK展』はワールド『Gallery & fanCafe Kittens』内で9月21日から10月18日まで開催中です。デフォルトのアンキテで表現できる幅広さ。ぜひ額縁で収められている展示ワールドでご覧ください。