華青が、グローバルに花開く 『Raindance Immersive 2024』オープニングセレモニー「青色クラブ」アフターパーティーレポート

6月1日から、英国の映画祭「レインダンス映画祭」のXR部門「Raindance Immersive 2024」が始まりました。そのユーラシア・オーストラリア地域向けオープニングセレモニーのアフターパーティーが『青色クラブ』というイベントにて開催されました。本記事では、アフターパーティーの様子をお届けいたします。

レインダンス映画祭とは?

「レインダンス映画祭」は、1992年よりイギリスで開催されている、イギリス最大のインディペンデント(独立)映画祭です。

「映画祭とVRChat?一体どういうこと?」と思われた方も多いかもしれません。実は、同映画祭では、2016年からインディペンデントxRクリエイター、ゲーム開発者、バーチャルワールド開発者、パフォーマー、映画制作者などにフォーカスする部門「Raindance Immersive」が設立されています。

そして、本年度開催「Raindance Immersive 2024」では、12作品が日本からノミネート。「BEST LIVE SHOW」カテゴリに至ってはノミネート4作品すべてが日本発となっています。

「Raindance Immersive」のキュレーター・Mariaさんは「日本には古くからものづくりの精神が根付いていることが、イマーシブ部門のクリエイターが活発に活動していることの要因だと思う」と、オープニングセレモニーで述べられていました。世界的な映画祭が、日本のVRChatコミュニティのクリエイティビィティに大きく注目しているのです。

日本のバーチャルクラブ「青色クラブ」がアフターパーティ会場に

そんな「Raindance Immersive 2024」のアフターパーティ会場に選ばれたのが、「青色クラブ」。日本のクリエイター・藍上アオイさんがワールドを作成し、運営しているバーチャルクラブイベントです。

青色クラブとは

通常は毎月第一、第三金曜日の22時から26時まで営業している、VRクラブイベント。地下駐車場というシチュエーションで音楽やお酒を楽しめます。
ギミックを除きワールドはフルスクラッチでゼロから制作。また音響効果には非常に力を入れており、場所によって大きく聞こえ方が変わるリアリティあふれる体験ができます。地下駐車場のイメージから想像出来る通りの音響が楽しめます。
公式Group

根強いファンも多く、「青色クラブ」の開催日は「華金」になぞらえて「華青」と呼ばれ、多くの人がつぶやくキーワードとなっています。

日本のバーチャルクラブが会場に選ばれた理由は、やはり今回の日本発作品のノミネート数。ノミネート作品の実に30%以上が日本のクリエイターの作品となり、大きく作品ノミネート数の記録を更新しました。故に、日本のVRChatコミュニティでイベントを開くことは自然な流れだったとのこと。

アフターパーティパーティレポート

ここからは、アフターパーティの様子をお伝えします。

パーティスタート!まずは乾杯とご挨拶から

オープニングセレモニーは少し時間が押していましたが、アフターパーティーはほぼ定刻通り22時の開場。レインダンス映画祭、青色クラブより主催者挨拶を行い、そのまま乾杯となりました。

今回のイベントのアバター制限はVery Poor不可、負荷状況次第ではMedium以下で指定されていました。

もちろん会場入口にこのように注意書きが貼ってあるのですが……

すぐ奥には、アバターに困った方へのパブリックアバターのペデスタルが設置。非常に自然な形で誘導がついていて、青色クラブの雰囲気をまったく阻害することなく配備されており、こだわりを感じます。

今回は通常営業時とは異なり、初めてキャストの参加もありました。VRChatを体験できる店舗型サービス『スグバース』キャストでもある有明ステラさんや、バーチャルフォトグラファーのTATAMIさんをはじめ、英語対応可能な方もアサイン。国際イベントらしい対応でした。

会場を温めるダンサーたち

青色クラブの通常営業では、ダンサーたちが場を温め、彩ってくれます。通常営業ではその場に来た方が自由に踊っていますが、今回の特別営業ではよく来場するダンサーのほか、主催の藍上アオイさんから声かけをしたダンサーもキャストとして参加していました。

言葉で説明するのも野暮というものでしょう。この4枚の写真だけでも、非常にキレのある生き生きとした動きが伝わります。私はそのあまりの動きの良さに思わずカメラを連写してしまいました。120fpsで撮れなかったのが無念です。

周囲の皆さんも感嘆している様子が見受けられました。一方、ダンサーの皆さんはいつもと変わらない様子で踊ることそのものを楽しんでいるようでした。

バーでも、地下駐車場でも、話に花が咲く

室内のバーカウンターでは、多くの参加者が歓談しながらお酒を楽しんでいました。今回おすすめのドリンクとして、シャンパンやスパークリングワイン(ノンアルコール含む)が挙げられており、参加者は用意した飲み物を手に取りながらパーティを楽しんでいました。

もちろん地下駐車場エリアにも多くの参加者が。各参加者が思いおもいに歓談を楽しんでおり、同じジャンルの方はもちろん、異なるジャンル同士の交流も見受けられました。

入口で歓談する方も。

関係者パーティということもあり、さまざまなところで会話に花を咲かせていました。

アーティスト達のミュージックビデオも上映

会場では日本のVRChatコミュニティで活動したり、ゆかりのあるアーティストのミュージックビデオや、「BEST MUSIC VIDEO OF VR」部門に選ばれた一部の作品など、計17本の映像が上映。MVの紹介パネル前で説明するキャストの姿も見受けられました。

今回のチョイスは、できる限り幅広く、偏らないように様々なアーティストに声を掛けて実現したもの。もともと関係性のなかった方へも声掛けをされたとのことで、アフターパーティーから多様なアーティストへの接点になってほしい、という思いも感じられました。

関係者パーティから、誰でも入れる特別営業へ

関係者パーティは23時30分で締め。アイキャッチ画像の通りレインダンス映画祭関係者の集合写真を撮り終えて、青色クラブ(ありがたいことに我々メタカル最前線も加えていただいて)の集合写真も撮影。

そしてここからは一般の方も入れる特別営業。当初2インスタンスで開催されていましたが、あっという間に上限の60人になってしまい3インスタンス体制に。120人をゆうに超える方が集まるとても盛大なパーティとなりました。

用意していた軽量パブリックアバターもしっかり活用されている様子が伺えました。

もちろんMVもすべての会場で上映。MVに合わせて踊る方も見受けられ、普段の青色クラブと特別営業が見事に溶け合った姿を見せていました。

おわりに

前段の準備からお邪魔させていただきましたが、非常に入念に準備されている様子を目にしていまして、お恥ずかしながらかなり緊張した面持ちで取材に伺いました。

いざ当日を迎え、オープニングセレモニーから青色クラブへ移りましたが……ええ、まったくの杞憂でした。青色クラブの皆さんはとてもあたたかくゲストの皆さんを迎え入れていました。何より、自然体で、温かいホスピタリティを感じられました。

レインダンス映画祭自体は6月19日〜6月28日にイギリス・ロンドンで開催されますが、「Raindance Immersive 2024」はすでに6月1日より開催中。6月30日まで開催しており、様々な体験をもたらしてくれます。予約制のイベントも多いですが、お時間が合いましたら参加してみると、映画祭にXR部門がなぜ存在するかが感じ取れるかと思います。