8月25日、ファッションコンテストイベント「Make Over」がVRChatにて開催されました。3Dアバター「フラクチュア」で、テーマにそった改変を行い、その魅力を評価するユーザーイベントで、開催直後にフルインスタンスとなる盛況となりました。
いわゆるアバター集会の発展系とも言えるイベントなのですが、会場ワールド、審査員、そして特典に至るまで、相当な気合がうかがえました。本記事では、フラクチュアへの愛が詰まった珠玉のコンテストの全容をお届けします。
目次
テーマは「もしフラクチュアが街中にいたら?」
「Make Over」は、VRChat向けアバター「フラクチュア」を題材としたファッションコンテスト。BOOTHショップ「Froginyata Store」のアバターコミュニティ・イベント団体「Ribbit×Party」が主催し、今回で二度目の開催となります。
イベントの主役となるフラクチュアは、今年で発売2周年を迎えた女性アバター。ハイウエストのパンツスタイルが基本衣装で、頭身も高い大人の女性です。数あるVRChatアバターの中でもなかなか少ない「高貴でエレガントな大人」なデザインから、現在も根強い愛用者がいます。
そして、今回の「Make Over」で課せられたテーマは「もしフラクチュアが街中にいたら?」。服装の「一体感」、現実にいるような「実在感」、そしてフラクチュアの「新しい一面」を軸に、街中にいるフラクチュアの姿を作り上げる、コーディネートの腕前とセンスが問われるコンテストとなりました。レギュレーションは以下の通り。
また、本イベントはアクセサリーショップ 「Lily♡jewelry」とのコラボも実施。上記の通り改変の推奨条件にも設定されたほか、本選出場者にはガラスの靴、グランプリにはオリジナルモデルのティアラが景品として授与されます。特にグランプリのティアラは、受賞者の名前が刻まれる特別仕様。「世界で一つだけのアクセサリー」が栄誉として贈られると思えば、気合が入ること間違いなしです。
今回、名乗りを挙げた参加者は8名。うち1名は諸事情により辞退したため、8月25日の本番には計7名の参加者が集いました。
夜景が映える屋上でファッションコンテスト!
イベント会場は都会の中にそびえるビル。入口からまっすぐに伸びる通路には、両サイドにさまざまなフラクチュアの写真が展示されていました。
メイン会場は、街の夜景が一望できる屋上。メインステージには大階段とランウェイ、巨大なモニターが設置されていました。都会的な風景とランウェイ付きのステージの組み合わせがオシャレ! フラクチュアのイメージにもハマっていました。
会場はオープンからほどなくして満員御礼。観覧用アバターとして用意された軽量版フラクチュアになる人が多く、「こんなにフラクチュアさんがいる光景は滅多に見ない」とつぶやく観客も見られました。
時間になったところで、「Ribbit×Party」代表のせびるさんがMCとして登壇し、イベントスタート。コンテストの概要と、審査員を務める「フラクチュア」制作者のにゃーたさん、アクセサリーショップ 「Lily♡jewelry」オーナーのLilyさん、イベンター・ファッションモデルのきゅあぴっぴさんが紹介された後、7名の参加者がステージに現れました。
十人十色。参加者のコーディネートを一挙ご紹介!
ここからは、各参加者のコーディネートを順にご紹介していきます。「街中にいるフラクチュア」というテーマでも、その解釈は十人十色です!
ルゥさん
トップバッターのルゥさんはパンクルックで登場。ホワイトのパンツにはクールなロゴが添えてあります。両手の指を彩るリングにへそ出しルックと、どことなくワルでやんちゃなイメージが漂いますが、気品さをどことなく感じるのはフラクチュアらしいところ!
KOHDAさん
KOHDAさんはライトブルーのデニムがまぶしい、夏を感じさせるコーデをお披露目。ピンクレンズのサングラスとおでこ出しのウェーブロングヘアは、ギャルっぽさと同時に、育ちの良さも感じます。行楽地を颯爽と歩く姿が脳裏をよぎります。ちなみにヘソピアスもチャームポイントです!
マコさん
マコさんは白シャツにスキニーパンツで、清涼感のある夏コーデを表現。頭に乗っかるサングラスと、レースをあしらった日傘がなによりのチャームポイントです。リゾート地にやってきた活発なご令嬢かも? 日傘の華やかな装飾がフラクチュアの高貴さを代弁しているようなコーディネートです。
なご櫻井さん
なご櫻井さんは昭和レトロなコーデで勝負。頭のリボンと水玉模様のグレーカラーなワンピースが、50年代っぽさもあるレトロポップな雰囲気を形作っています。同時に、髪色にも採用されるライトパープルにはお菓子のようなかわいらしさも宿っています。右手のおっきなお菓子リングがキュート!
AriaKoganeさん
AriaKoganeさんのコンセプトはズバリ「吉祥寺にデートにきた女の子」。貴婦人のような幅広の帽子に、白のパフスリーブとシースルーなスカートの組み合わせは、どことなく「背伸びした少女」のシルエットを感じさせます。高貴な女性のイメージが強いフラクチュアでこの姿を作り出せるのはすごい……!
じょにーさん
じょにーさんは黒いメッシュ素材のトップスと白のカーゴパンツで、ラフさとセクシーさを演出。髪型はデフォルトのフラクチュアのものを採用しつつ、黒髪にすることで実在感をうまく作り出しています。 「Lily♡jewelry」のリングを髪留めに採用する、大胆な改変案も大きなポイントです。
Bamiさん
トリを飾ったBamiさんは、前回のコンテスト「Change Over」で「にゃーた賞」に輝いた実力者。今回は銀座の大通りでも映えそうな、垢抜けた大人の女性らしいおでかけコーデを引っ提げて参戦です。ボブカットとシックな黒ワンピースがよく似合う……! ちなみに、左手のバッグには「Froginyata Store」第1弾アバター『リズ・シグマ』のアクリルキーホルダーが!
切磋琢磨で生まれる新たなアバターの魅力
各参加者のランウェイパートと、改変のこだわりを聞くインタビューパートを経て、審査員3名によるコメントが寄せられました。3名とも、それぞれ”推し”となる参加者がいらっしゃったようですが、特ににゃーたさんは可能な限り全員にコメントを寄せていました。「自分の作ったアバターの改変」にどこか嬉しさを隠しきれない様子が印象的です。
喧々諤々の議論の末、審査員長であるにゃーたさん進呈の「にゃーた賞」にはKOHDAさんが、そして映えあるグランプリにはじょにーさんが輝きました。審査員のみなさんも、どのフラクチュアにも甲乙つけがたそうでしたが、両名ともフラクチュアらしさも「新たな一面」も存分に見せてくれていたことは間違いないでしょう。
アバター改変には、当然ながら優劣の概念は存在しません。しかし、「競い合うライバル」の存在が、改変により一層の気合を入れてくれることは事実。健全なマインドで競争する環境が、フラクチュアの新たな魅力をたっぷりと引き出す多種多様な改変を生み出したと思えば、こうしたファッションコンテストの意義はとても大きなものでしょう。
主催の「Ribbit×Party」の活動目的は、「Froginyata Store」アバターの魅力発信と認知度強化にあるのだそう。「願わくば対応衣装がもっと増えてくれるとうれしい」と語るせびるさんの姿には、並々ならぬ「Froginyata Store」アバターへの愛情を感じました。筆者自身、決してユーザー数の多くないアバターをいくつか愛用していることもあり、その気持ちには大きな親近感を抱いていました。
「Make Over」は、アバターコミュニティの大きな可能性を示したイベントだったように思います。自分の好きなアバターを多くの人に伝えようとする熱意と企画力は、多くのアバターコミュニティの参考になるはずです!
写真提供協力:TATAMI
●参考リンク
・Froginyata Store
・Ribbit×Party(公式X/VRChatグループ)
必須:
・アイテクスチャ・タトゥーなどのテクスチャ改変OK
・髪型変更OK
・メイクOK
・キメラ・他アバター素体へのすげ替え禁止
・パーティクル・アニメーションは原則禁止(組み込み済みの場合は2種類まで可)
推奨:
・Lily♡jewelryのアクセサリー着用(点数指定なし)※なお、該当ショップアクセサリーに関しては運営側で購買サポートを行います(上限あり)