新ライブ「RYUGU – Generated Paradise」はAI x 未来の「サンリオなりの」答えだった。文章や画像の生成、直接作らずとも画像の補正などすでに私たちの生活に深く入り込んでいる生成AI。
AIが存在感を増す現代において、サンリオの新作パレードもまた「AI」をテーマに掲げています。時事性を拾うのはさすが……と思いつつ、キティちゃんたちがどのように楽しむのか、パレードに参加して確かめてみました。
そんな矢先に飛び出してきた言葉がプロンプト。
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……さては思っていたよりも「ガチ」だな……!?
今回は、2月9日から始まった「Sanrio Virtual Festival 2025」(以下、サンリオVfes)で公開された新作のバーチャルパレード「RYUGU – Generated Paradise」の様子をメディアツアーの際に公開されたときのお届けします。
ロボットの亀に連れられてAI竜宮城へ……なんか思ったよりも踏み込むぞ!?
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まずワールドに入ってみると広がる入口。今回のサンリオVfesからは、開催される前にやってきてもカウントダウンが表示されるようになりました。「次はいつ開催されるんだろう…?」という心配がない設計になっています。
サイトなどでスケジュールは把握できますが、ワールド内で確認しやすいようになっているのはありがたい仕様です。このようなカウントダウンは、他のコンテンツにも用意されているのでありがたく利用しましょう。
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ライブが始まると、現れるのがハローキティ、シナモロール、クロミの3人の悩みを話すシーンから始まります。例えば、キティちゃんならピアノでいつも同じ箇所で失敗してしまうといった内容です。
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そんな悩みを聞いて現れたのが、AIのカメ。3人はAIのカメに連れられて竜宮城へと旅立ちます。ここから今回のパレードがスタートします。
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道中では、今回の肝となるAIについて説明をしてくれます。このパレードでは、Generate(生成)するために必要な呪文としてPrompt(プロンプト)が必要であると説明されます。プロンプトとは、ChatGPTやGeminといった生成AIに指示を出すための文章です。
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AIをテーマにすると聞いたとき、どこまで踏み込めるのだろうと思っていましたが、呪文といったポップな要素を入れつつも、しっかりと「生成AI」の概念を取り入れています。
従来からあるAIと昨今話題になっている生成AIは仕組みが異なりますが、このパレードでは両者を混同することなく、的確に「生成AI」の概念を扱っています。AIと銘打っていますが、しっかり今話題になっている「生成AI」の話をしてくれるのはさすがです。
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パレードでは、プロンプトがオブジェクトとして登場します。ステッキを使ってハートを当てていくと、当たったプロンプトが命令を実行し、食べ物など欲しいものを生成してくれるのです。今回のパレードには、参加する側の動きに作用する参加型の要素も盛り込まれています。
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サンリオのパレードで表現する「AI」のある未来について
ここから竜宮城へと向かい、次々とAIを使って欲しいもの、叶えたいことを生成していきます。冒頭でキティちゃんがピアノを弾けるようになりたいという願望も、AIによって叶えられました。
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望みを叶える様子は、各キャラの要素がふんだんに盛り込まれており、それぞれの個性が際立っています。3人の事が好きなファンもニッコリできること間違いなしです。他2人がどういった望みを持っているか、ぜひ自分の目で確かめてください。
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そしてパレードといえば「歌」! かなり完成度の高い曲が揃っているため、目だけではなく、聴いて歌って楽しめるコンテンツになっています。各キャラの歌い方がそれぞれ魅力的なのはもちろんのこと、歌詞にも注目です。AIに対してどう向き合うのか、サンリオなりのスタンスも感じられます。
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面白いのは、何度でも生成し直せばよいというスタンスを提示していることです。実際に生成AIを使う場面でも、プロンプトを修正し直すことは珍しくありません。歌詞やメッセージに盛り込まれているのは、踏み込んでいるなという印象です。
そのこともあってか、竜宮城やキティちゃんの乗り物にガチャの要素が組み込まれているのも面白いポイント。ガチャも欲しいものが出るまで回し続けますし、生成を繰り返して欲しいものまで粘る様子は確かにガチャです。なのでモチーフのベースはAI×竜宮城ですが、サブテーマとしてガチャの要素も含まれていると言えるでしょう。
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「AI」がテーマの主軸になった今回のパレードでは、サンリオなりの「未来、そしてAIとの対話」といった物がテーマのように感じられました。子ども騙しではない、テーマの活用をしているため、終わった後はぜひ友達と話すなりして楽しんでもらいたい内容でした。
「RYUGU – Generated Paradise」は、イベント期間内では定期的に上映されます。開催時刻の詳細は、公式サイトのタイムテーブルよりご確認ください。