2月7日、VRChatアバター向けのスニーカー「WARV(ワーヴ)」を販売するバーチャルスニーカーショップ「足踏SNEAKERS」で、ショップの制作について語られたショップツアーが開催されました。
足踏SNEAKERSの制作陣である主宰・企画・デザインを担当するBUSSAN、スニーカーデザインを担当するぜれゔぃあさん、ワールドデザインを担当するArfoxさんがブランドの立ち上げやワールドの制作にまつわるエピソードを語る会になりました。

今回は足踏SNEAKERSショップツアーの様子をレポートします。ファンなら非常に気になるその制作背景や今後の動き!ぜひご覧ください。
足踏SNEAKERSとは
「足踏SNEAKERS」は、バーチャル発のスニーカーのオリジナルブランド兼セレクトショップ。「バーチャルファッションを足元から盛り上げたい」という想いから立ち上げられました。昨年12月にワールドが公開され、ストリート系のアバターファッションが好きなユーザーを中心に話題を呼んでいます。ワールドには、足踏SNEAKERSのアイテムや他のバーチャルファッションブランドなども実際に並んでおり、その場で手に取って見たり、デザイン時の資料も見られるようになっています。
ワールドは足踏区にあるリノベーションされたショップという設定があり、ショップの外側の世界も含め足踏SNEAKERSの世界観を丸ごと体験することができる場所になっています。
「足踏SNEAKERS」の名前には、その場で足踏みするのではなく、”自分の足で踏破する”という前向きな意味が込められていると主宰のBUSSSANは語ります。

スニーカーデザイン
足踏SNEAKERSのスニーカーデザインを担当するのは、3Dモデラーシューズデザイナーのぜれゔぃあさん。
以前、BUSSANとコラボしてアバター用スニーカー「CozyBeta」を制作していた経歴があります。今回の足踏SNEAKERSはその延長にあるプロジェクトだと言います。

現在販売中の「WARV」を制作したのもぜれゔぃあさんです。スニーカーの特徴的な靴ひもの結び方は”オーバーシューレース”という名称で、シューレース(靴ひも)を二重に架ける構造になっています。このデザインは、攻めすぎない程度に特徴のあるスニーカーにしたいという意図から辿りついたものだと言います。

リアルのファッションでも、靴ひもで遊ぶ傾向は世界的にあるらしく、靴ひもを2重3重に架けたり、靴ひもがスニーカーを巻いてあったりするものもあるそうです。
WARVは足踏SNEAKERSとしての第1作となるアイテムのため、年齢性別に関わらず合わせられるスニーカーにしたいという背景があったと言います。CozyBetaの公開で得た反響に、まめふれんずのような小柄なアバターでもリアルのようなスニーカーを履きたいという需要をキャッチしていたことから、どんな体型のアバターでも合わせられるようになりました。

またデザインには、カラバリ以外にも個性を出せる要素が欲しいというBUSSANの要望に応え、ソールの厚みを高くできるようにしたり、クッション部分とアッパー部分も膨らませられるようにして、”形状”から個性を出せるように改良されました。
ワールドデザイン
足踏SNEAKERSのショップモデルからワールド設計、3Dモデリングを担当したのは、ワールドデザイナーのArfoxさん。ワールドライティングが印象的なコーヒーショップ「KURAGARI COFFEE」やリノベ-ションされた部屋をイメージした「Tiny Life Room」といったオシャレでハイクオリティなワールドを制作しているクリエイターです。

足踏SNEAKERSのショップ、リアルチックな内装と現実感がとても印象的なワールドとなっていますが、それもそのはず現実のエッセンスがたっぷり詰まってるんです。
このワールドの制作は、2025年3月頃に東京の下北沢や原宿で実際に行ったロケハンから始まっています。制作陣3名が自分たちの足で現実の街々を見て回り、ネットで探した素材ではない”生のもの”を撮影してワールド制作の参考にしているのです。店構え、カーブミラー、ネオン管など様々なシーンをワールド内部に落とし込んでいます。



ショップモデルについて
ショップ自体は喫茶店が入っていた建物をリノベーションしたという設定になっています。リノベーションはArfoxさんが制作するワールドにもよく見られる特徴です。元々2、3階の床として使われていた部分を吹き抜けとして改装するなど、建物としての魅力や時間の経過をどう伝えるかを考えながら制作されています。
店内にあるディスプレイ台は、どれも原宿に実際にあるお店のものを参考にしているそうです。それ故にこのショップやワールド自体に使われているアセットは、既存のアセットよりフルスクラッチで制作されたものが多いです。自分たちで一から作ることで、深くこだわった作品が作られていきました。

ショップから街に、ワクワクを生み出す要素の追求
元々ショップを作る話から街ができていたことについて、制作構想を練るArfoxさんが制作陣に見せたのはショップが建つ場所となる街の地図です。
ワールドの立地は高低差を意識して作られたそうです。これには高低差を作ることによって、角度によって見えるものが変わることが魅力になると想定して制作されました。渋谷・原宿には高低差がある道が多く、それをロケハンで感じたので要素として入れたいと思ったそうです。
ちなみにArfoxさんのお気に入りの風景は、コーヒースタンド側から下る坂道だそうです。

お店の位置にもこだわりがあります。ワールドに入るとまず地下通路があり、先に進み階段を上がって地上に出ると、真正面にドンと店舗が見えてくるのが足踏SNEAKERSのショップです。この粋なショップの登場の仕方やショップにたどり着くまでの流れも設計して作られたものです。BUSSANは「古着屋を探す時のワクワク感は駅を出るところから生まれるのではないか」と考え、ショップにたどり着くまでの体験にもメンバーとともに考えを膨らませました。階段自体も先述した高低差を生み出すためのギミックの一つになっています。
Arfoxさんはこのワールドを制作するにあたって、代表作である「KURAGARI COFFEE」制作で得た知見や、他のワールドで観察した景色などフルに活かしたと語ります。階段の下はどうなってるのか、排気ダクトの形やコインランドリーなど。ショップ内部を作るためにVRChat内でのロケハンも多く行ったそうです。そして、同じものを作るのではなく、足踏SNEAKERSらしさを考えて、ロケハンで得た情報を練って制作していきました。その時は寝ても覚めても足踏SNEAKERSのことを考えて作っていたそうです。

また技術的な面の話でも、BUSSANから「Arfoxマジック」と評されるArfoxさんの軽量化術が発揮されています。如何にワールド容量を抑えるか。それは使用されるテクスチャ解像度とのトレードオフです。来店者に見せたい部分はこだわりつつ、それ以外の箇所は最適化させることに重点を置き、同じマテリアルを複数のオブジェクトに当てることで容量の増加を抑えるといった手法を行っています。このような工夫が施され、Arfoxさんのスキルが十二分に活かされたワールドに仕上がったというわけです。
また制作中の出来事で、制作途中でも頻繁に意見交換を行ってワールドの細かいところまで議論を交わし、こだわって作っていたそうです。VRChatにはQVペンがあるので、ワールドに置いた簡易的なモデルの上に描いて「こうした方が良いよね」といった意見交換を密に行って考えていたそうです。撮影した写真をmiro(リアルタイムで共同作業ができるオンラインサービス)を活用してアイデアを練って、メンバーとすり合わせることで出来上がったのがこの『足踏SNEAKERS』ワールドでした。

今後、ショップの2階に新スペースが公開され、さらに3階も新しく追加される予定となっています。店以外の場所にも新しい要素を追加していくことも明言しており、まだまだ足踏SNEAKERSの世界は広がっていきます。

足踏のデザイントンマナとアートディレクションについて
足踏SNEAKERS主宰のBUSSANは、デザインを担当しています。コーポレートデザインやブランド全体のトンマナを用意しました。
今回BUSSANが目標としたのは、足踏SNEAKERSは”青っぽい”と思ってもらうこと。ロゴはもちろんスライドの細部に至るまでその意識を植えこませる様々な工夫がありました。

イベントで使用されたスライドは、メインカラーをロゴのカラーである「#0000FF」にし、それが目立つようにベースカラーを灰色「#d6d6d6」に指定。そして差し色まで計算されています。

足踏SNEAKERSのテーマにもある、「アナログ×デジタル」を出すため、スライドを装飾する素材に、アナログ感を布、紙、テープといったアナログの素材を使って表現し、デジタル感を「x12y12pxMaruMonica」という装飾フォントでまとめ、「キービジュはボタンのようなあしらいを取り入れてゲーム画面のような要素を取り入れた」と語りました。

青っぽいと言えば、BUSSAN自身のテーマカラーも「#5500FF」の青系カラーです。足踏SNEAKERSのロゴと並べるとBUSSANのカラーの方がやや紫っぽくなっており、異なる色だとわかのですが、画面越しに下から見ると同じ色に見えるという仕掛けが用意されているのです。デザインに精通しているクリエイターならではの遊び心を感じました。
足踏SNEAKERSの今後のアップデート
気になるのが足踏SNEAKERSの今後の展開。イベントの最後にたくさんの驚くべき情報が飛び出しました!
WARVのカラー追加
足踏SNEAKERSの看板商品「WARV」に25種類のカラーが新たに追加されました!。メッシュの素材感をリアルに再現した素材もあるとのことで、自身でカラーを変える改変を行っているユーザーにも公式の素材アップデートに期待してほしいとのことでした。
さらに今後の展開として、スニーカーにもっと個性を出すための要素として”アクセサリー”を構想中とのことです。どのようなアイテムになるのか期待が高まります!そして、ファン待望の2作目のスニーカーも鋭意制作中!WARVがローカットだったこともあり、2作目はハイカットタイプを検討しているとのことです。また異なったオシャレが楽しめそうですね!

間牙みつき&こばぽこコラボシグネチャーカラー
追加カラー25種類とは別に、特別なゲストとのコラボで2つのシグネチャーカラーが追加されました。今回コラボするのは、VTuber間牙みつきさんとこばぽこさんの2名。専用カラーとして細かいところまで制作されているとのことです。今回のコラボにあたり、2名ともノリノリで快諾してくれたそうです。

今回のWARVの新色追加とシグネイチャーモデルの公開に併せて、足踏SNEAKERSワールドがアップデート!ポップアップコーナーが追加され、新しいカラーのWARVを手に取って見ることができます。


さらに、スニーカーと並んで置かれている「シューズボックス」と「ショッパー」の3DモデルがWARVの販売データに追加!アバターに持たせて足踏SNEAKERSでお買い物してきたような改変をしたり、自宅ワールドに置いてWARVと一緒に部屋に飾ったりするのもいいですね。

スニーカー愛好家たちの集い「スニ会」開催
「好きなスニーカーを履いて集まろう」というコンセプトの元に「スニ会」を開催することを発表しました。足踏SNEAKERSのスニーカーだけでなく、他ショップのスニーカーなどの自分の好きなスニーカーを履いて集まる会にしたいとのことです。開催日程やテーマについては、変更の可能性があるため、公式からのアナウンスをお待ちください。

スニ会を始めとした足踏SNEAKERSのイベントは今後も開催していくので、足踏SNEAKERSのスニーカーが好きな方、この足踏区の世界観に惚れた方は公式XやVRChatのグループに参加して続報をお待ちください。
参考リンク
・足踏SNEAKERS公式X
・足踏SNEAKERS公式BOOTH
・足踏SNEAKERS公式VRChatグループ
・足踏SNEAKERSショップツアー配信アーカイブ


















