アバターファッションを取り巻く環境は年々加速していっています。参入する企業はもちろん、関連サービスも登場。
個人も企業もよりクオリティを切磋琢磨していき、共同の作業もしていくこともあります。年々面白く、勢いを増していきます、ですが、VRChatにはとある「問題」があるのも事実です。
その問題とは、Unityが使えないとアバターファッションに触れられないこと。
Unityが使えないと触れられないと、アバターファッションを楽しむことで必要なアバター改変ができません。パソコンを持っていない人や触ることが難しい人にとっては死活問題であり、これからより多くの人がアバターファッションに触れるためには避けられないことです。
そんなより拡大していくためには避けられない問題を解決できる一手が、ドットエスティから公開される3D専門新ECサイト『StyMore(スタイモアー)』です。
『StyMore』では、Gugenkaから出ているスマートフォンアプリ『MakeAvatar』との連携が可能。『MakeAvatar』ではアバターを作ることができ、対応したものであれば『StyMore』で購入した衣装も着用できます。
そして、『MakeAvatar』では、アプリからVRChatをはじめとした対応プラットフォームにアップロードできるため、スマートフォンだけでアバターファッションが楽しめるのです。
ヘッドセット単体でのユーザーをはじめとしたアバターファッションに触れられる人口が一気に拡大していくのが考えられます。
これまでアバターや衣装販売、イベントへの参加をしてきたドットエスティが行う革新的な試み。今回はドットエスティメタバースから島田さんと育良さんにインタビューしてきました。
直近のドットエスティが行ってきた展開を含め、いろいろと聞いてきました。『StyMore』が気になって仕方ない人は必見ですのでぜひ読んでいってください。
X公式アカウント設立やサンリオキャラクターコラボをはじめとした最近の動きについて
ーーまずは、ドットエスティメタバース公式アカウント設立おめでとうございます。
島田 うちのSNSマスターが立ち上げてくれましたよ。
育良 運営しているのは僕ですね。
ーーSNSマスター(笑) メタバース業界で広報として働いてきた育良さんをドットエスティメタバースのチームに加えたのは、どのような目的があったのでしょうか。
島田 メタバース領域にアダストリアとしてより一層注力するため、単純に人員を増強したかったのはあります。育良さんを選んだ理由としては、クリエイターとユーザー両方の視点を持っているのがありますね。
ーー育良さんと知り合ったのは、やはり『Carat』でしょうか?
島田 そうなりますね。ドットエスティメタバースにとって、Caratに出会えたのは本当にターニングポイントでした。クリエイターとの繋がりやenu.さんとの出会いもありました。
ーードットエスティメタバースの中で、育良さんは広報を担当しているのでしょうか。
島田 実は育良さんは、ドットエスティのプロモーションとメタバース全般を担当してもらっています。
ーーそういえば、浅草の新店舗にスタッフとして行っていましたね。育良さんもプログラマーから広報になったら、アパレル業界で働く、なかなか面白い経歴になってきましたね。
島田 いろんな人に育良さんがいるの羨ましいと言ってもらえることありますね。enu.さんが入ったときは「クリエイターが活躍できるのいいですね」といった反応でしたが、育良さんのときは「僕もドットエスティ入りたいです!」と本当に転職したい声が届きました。
ーー直近のサンリオキャラクターコラボなどの商品では、コラボクリエイターと手を組んで多くの商品を出してきましたが、今後ドットエスティメタバース内にクリエイターを迎えたり、育成したりする構想は考えているのでしょうか。
島田 アバターやワールドを作るクリエイターがいるからこそ、VRChatをはじめとしたメタバースが成り立っていると思っています。メタバースの世界で活躍できるクリエイターさんを応援していきます。
ーー今回のサンリオキャラクターコラボの商品や『SANRIO Virtual Festival』(以下、サンリオVfes)の参加は、どのような経緯で決まりましたか?
島田 もともとサンリオVfesをすごいと思っていて、何か一緒にやりたいと思っていました。なんとか実現しようといろんな人との縁を繋いでもらいましたね。サンリオの担当者と会ったときは、すぐに意気投合しました。2023年の1月ぐらいに最初に会ったので、1年越しで表に出た企画ですね。
ーーアバターの衣装では今回のサンリオVfesのみですが、リアルの洋服では1年に渡って新商品が展開されますよね。
島田 やはりドットエスティの母体がリアルの洋服なので充実させました。さらにピューロランドでも洋服を販売したり、バーチャルにいる人たちにも届けるようにさせた形です。どのように届けるのか、ずっと考えました。
誰でもアバターファッションを楽しめる『StyMore(スタイモアー)』
ーー今回の『StyMore』について、立ち上げまでの経緯についてお聞きしてもよろしいでしょうか。
島田 これまでドットエスティメタバースではアバター販売や衣装販売を行ってきました。実際に展開していく中で、アバター衣装が売れると気づきました。ファッションに特化したマーケットプレイスはなかったので、リアルの洋服屋をやっているドットエスティが立ち上げることにしました。なので、『StyMore』はファッション特化型を銘打っています。
ーー 『StyMore』ならではの機能や特徴はあるのでしょうか。
島田 『StyMore』の1番のポイントは、Gugenkaと手を組んで『MakeAvatar』との連携があります。『StyMore』で対応衣装を買うと、そのまま『MakeAvatar』で反映されて使えます。
そのままアプリ内でアバターを作ってアップロードを行えば、VRChatなどで使えるわけですね。Unityも使わずスマートフォンだけでアバター改変の楽しみが味わえるわけですね。
ーーアップロードできるのはどのようなアバターなのでしょうか。
島田 オープン当初は『MakeAvatar』にある共通素体から始めます。
ーースマートフォンだけでアバターのアップロードができるのは、やはりハードルを下げたかったのでしょうか。
島田 VRChatでオシャレを楽しむための最大のハードルに、Unityが使えないとアバターのアップロードや改変ができない課題がありました。『StyMore』では『MakeAvatar』と連携して、Unityが使えなくても楽しめるようにしたわけです。
ーー今共有されている情報を見ると、VRChatをはじめバーチャルキャストや、VRoidHubといったマルチプラットフォームで対応しています。clusterとは直接の対応をしていませんが、VRoidHubを経由してvrm規格のデータがダウンロードできるので、アップロードできますね。多くのプラットフォームに使えるアバターが、簡単に作れますね。
島田 Unityなしでアバターファッションが楽しめることをクリエイターに話してみたら、支持をもらえました。
ーー「MakeAvatar」だけでアバターの操作が完結するとなると、QuestやPICO単体で楽しんでいる人もターゲットになりますよね。将来的にはVRChatのAndroid版やIOS版が出てスマートフォンユーザーが増えたときに、アバターでファッションを楽しむとなると真っ先に選択肢になるわけですか。
島田 まったくその通りです。ただ自分としても、PCVR環境を前提としたハイクオリティの衣装が大好きです。なので、『StyMore』ではこれまで通りPCVR環境下で使われる3DCG衣装も販売します。
サイト上では、「MakeAvatar」に対応しているかどうかがマークでひと目で分かるようになっているので、購入するうえでは困らないと思います。
ーーこれまでPCVRで遊んでいる人にとっても、Unity触りたくない人にとっては救世主みたいなものですよね。本当に「MakeAvatar」との連携は魅力的だと感じます。
島田 今回の取り組みは、サンリオVfesも含めGugenkaとの強いパートナーシップがあったからこそ実現したことです。ありがとうございます。
ーー「MakeAvatar」との連携以外で、『StyMore』の特徴がありますか。
島田 よりほしいファッションを探しやすいUIを心がけてます。リアルクローズはもちろん、バーチャルならではの表現を盛り込んだものまで、アバターを使ってオシャレをしたい人にとって満足してもらえるプラットフォームにします。
今後も「MakeAvatar」のアップデートに合わせて、対応するプラットフォームを増やすなどといった機能の拡張も行います。
ーー最後にですが、記事を読んでいる人に向けてメッセージをお願いします。
島田 今回の『StyMore』のオープンを通して、皆さんに「場」を提供していけたらと思っています。ここから『StyMore』がより盛り上がっていくためには、クリエイターの皆さんこそが大事だと思っています。今後も『StyMore』のアップデートを行い、クリエイターの皆さんにとって世に作品が広まる場にしていきます。
サンリオキャラクターコラボや『StyMore』のオープンも、まだスタートに過ぎません。これからいろんなことが起こるので、楽しみにしてください。
サンリオキャラクターコラボはもちろん、その前の3ブランド同時冬物衣装の発売もチームのみんなをはじめ、クリエイターの皆さんのおかげでリリースできました。今後もクリエイターの皆さんとコラボすることも増えていくと思います。
『StyMore』をよろしくお願いします。
ーー今回はインタビューありがとうございました。『StyMore』頑張ってください!
インタビューの最後に触れられていましたが、『StyMore』はあくまでも場つくりです。ここから使われていくのかは、ここからクリエイターやユーザーがどう動くかによって変わってきます。
なかなか試みとしては面白いものとなっているので、まずは1回『StyMore』に触れてみてはいかがでしょうか。