音楽イベントをVRChatでやるのに気をつけたいこと、それは遅延問題。演者とユーザーの間に遅延が発生することは、VRChatの仕組み上避けられません。普段の会話であれば、遅延に関してはそれほどまで気にならないことが多いですが、音楽イベントのような場では体験に影響を与えます。
その他にも、VRChatのアバターから出す音ではステレオになっていないなど楽曲などを届けるのには向いていない問題があります。
そこで利用したいのが、外部サービスを使った低遅延での音声のやり取りです。今回紹介するのは、TopazChatとVRCDNの2つ。どちらも音声や動画を低遅延でやり取りするサービスですが、それぞれ仕様や想定場面が異なるため、適切に選ぶ必要があります。
今回は、TopazChatとVRCDNのどちらを選ぶべきか提示した後に、それぞれの導入方法を紹介します。それぞれのサービスごとにページを分けているため、目次より目的の箇所に飛んでください。
(編集=東雲りん、執筆=千種ナオ・枕木凛子)
TopazChatとVRCDNのどちらを選ぶべき?
まずはTopazChatとVRCDNのどちらを選ぶべきなのか、それぞれの特徴を比較して向いているケースを紹介。
結論から話すと、音のみを届ける演奏イベントなどの場合はTopazChat、動画も必要なVJなどの参加があるイベントの場合はVRCDNがオススメです。
TopazChatは、日本のユーザーよしたかさんが個人運営で行っているサービスです。(サーバーはAkamai社による支援を受けている)利用は無料で、VRChatのビデオプレイヤーホワイトリストに登録されています。
最大接続人数は1ストリームキーあたり100人。映像での配信もできますが基本的には音声の配信のみを想定しています。
無料でできる点や、音のみ、あるいは映像を流すにしても静止画のロゴくらいを届けるシンガー、バンドなどの演奏イベントではTopazChatで問題ないでしょう。
VRCDNは、イギリスのVRCDN LTD.が運営しているグローバルストリーミング ネットワークです。全世界に9箇所のサーバーが設置されているため、異なる国のユーザーが参加するイベントでも低遅延で配信できます。
利用するためには有料のプランに加入する必要があり、VRChatのビデオプレイヤーホワイトリストに登録されています。
接続人数は加入するプランによって異なりますが、最大1000人まで同時接続が可能です。
映像での配信や、VRChat以外のTwitchやYoutube Liveなどの外部プラットフォームでの配信についても想定されています。
VJのような映像を必要としているパフォーマンスをする場合や、日本以外の国のユーザーが参加する人の場合は、VRCDNで繋ぐことをオススメします。