
情報量が多すぎる……
目の前に広がるこの風景、現実で撮影したと思いますか? 実はこれ、VRChatの中で撮影されたものなんです。
VRChatでは、これまでも「フォトグラメトリ」といった技術で現実を3Dスキャンしたリアルなワールドが作られてきました。しかし今、それとは異なる新しい表現を可能にする技術があります。
それが、Gausian Splatting(ガウシアンスプラッティング、以下3DGS)という表現技術です。
この記事では、そんな3DGSの解説と、VRChatで体験できるワールドを紹介します。
百聞は一見に如かず!今すぐ行ける3DGSワールド
「一体どれだけリアルなの?」 そう思った方はワールドに行ってみましょう。すでにVRChatでは、3DGS技術を取り入れたワールドが公開され始めています。まるでその場の空気感まで伝わってくるような体験が待っています。
ワールド負荷が高いため、アンチエイリアスなどの描画設定を変えるなど工夫をしましょう。
Yonago Castle -龍 liea

双葉水辺公園 [ 3DGS × Photogrammetry ]-Tokoyoshi

※一部、3DGS使用
天地魔闘の構え -ゆーゆ n_1YY

なぜこんなにリアル?「3DGS」とは
「なぜこんなにリアルなんだろう?」と不思議に思ったのではないでしょうか。
現在使われている「フォトグラメトリ」という技術が、「面」で3Dモデルを作っているのに対し、3DGSは色のついた無数の「点」を空間に配置して、景色を描き出します。
この手法により、フォトグラメトリが苦手としていたガラスや水面の反射、木の葉や枝のような細かいものも、高いクオリティで再現できるようになったのです。
実は3DGSは、そのままではVRChatに持ち込むのが手間のかかる技術でした。 しかし、Mykhailo Morozさんが開発した「VRChat Gaussian Splatting」というツールが登場したことで状況は一変。誰でも手軽に3DGSのデータをVRChatで表示できるようになり、一気に身近な技術になったのです。
3DGSが変えるVRChatの未来
3DGSは、フォトグラメトリやLiDARスキャンとはまた違った3Dスキャン技術です。
VRChatでも手軽にデータを持ち込める環境が少しずつ整いつつあります。これからさらに3DGSを使ったワールドや展示物などが増えていくでしょう。ツールの精度や撮影者の技術の向上とともに、皆さんの目に触れる機会が増える日もそう遠くないです。
また、これまでリアルな表現として使われてきたフォトグラメトリの3Dモデルにはなかった、3DGSの光の集まりのようなその質感に、美術的な利用を考える人も増え、音楽ライブやフォトグラフィーの表現活動に用いられる日も遠くないでしょう。
ぜひまずは、ワールドを訪れてこの新しい世界に触れてみませんか。
●参考リンク
・Mykhailo Morozさん(Xアカウント)
・VRChatGaussianSplatting