テレビ局さながらの映像制作をVRChatで!? バーチャル映像コミュニティ「With VR」を大特集【前編】

ソーシャルVRのユーザーには、VR空間で映画MVなどといった映像作品を撮影する人団体がいます。そういった作品は驚きに満ちた作品ばかりですが、ユーザーではない人はもちろん、ユーザーでも映像を撮ることは身近ではない人も多くいると思います。

そんな悩みを持つ人にWith VRという団体があることをご存知でしょうか。With VRは、映像をやってみたい人たちの助け合いをする動画制作コミュニティであり、制作請負、VR内での撮影研修もしている団体です。

これまでにも「きょうのさーまる」といったワールド紹介の動画や、Vketで行われたVketEscapeの配信協力などをしていきました。そして、年末に行うメタカル最前線主催のイベント企画「年越しメタバース2022」でも配信全般を担当しています。

今回はそんなWith VRについて前半にこれまでに行ってきた活動の紹介制作スタジオ、後半では代表のとーたさんへのインタビューを交えてお届けします。

ワールド紹介からインタビュー動画まで幅広い動画の種類

With VRが制作した動画は、VRChatを中心にYouTubeでアップロードされています。代表的なのがインタビュー動画。これまでに私立VRC学園の学園長などを務めているebigusoさんやJapanTalkRoomの製作者であるやがて捨てられる補助輪さんなどがインタビューを受けています。

その他にもアバター「cocoa-ココア-」でワールドを紹介していくきょうのさーまるイベント紹介アバターPVと幅広く手掛けています。

外部組織の制作請負・VR内での撮影研修も!

With VRでは、ソーシャルVR内で活動している団体はもちろん、その他にもまだVRをやったことのない人たちにも向けて制作請負・配信支援・VR内での撮影研修をしています。

これまでに行った制作請負のひとつに、2022年8月に行われた「Vket Escape」では撮影スタジオの貸出、別ワールドの中継を行いました。「Vket Escape」は50名以上の参加者となったイベントで、広大なバーチャルマーケットのワールドをドローンを使って鬼ごっこしている様を映し出しました。

研修では、VRChatのイベントである私立VRC学園の講師として撮影の授業をしていたり、一般社団法人インパクトラボさんのメタバース事業部にワークショップを開いたりと、ソーシャルVR内外の人に撮影の仕方を教えています。

研修の様子。参加者の声はインパクトラボさんのnoteでまとめられています。

実際のテレビ局さながらのスタジオ

また、With VRはこうした動画や配信の制作、研修のみならず、VRChatでの独自のバーチャル撮影ギミックの開発や、それらを活用した本格的な撮影スタジオもプロデュースしています。スタジオは生放送を意識した作りとなっており、ワールドギミックを用いて複数台のカメラをスイッチングできます。

ワールド制作、ギミックはろいさんが主にしています。

With VRで行っている生放送では、報道部によるニュース映像、ゲストのインタビュー、商品紹介とテレビ局で行われている情報番組をイメージした内容です。

通常、VRChatのデフォルト機能ではカメラの場所を切り替えられるのは3つまでで、他の人のカメラの映りはDiscordで配信してチェックしなければなりませんでした。このスタジオでは9台のカメラをワールドのギミックとして設置しており、どのように映っているのかワールド内にあるモニターで確認できます。

9台のカメラはワールド内で切り替えが即座に可能。生放送では、実際に切り替えを担当する人が配信の内容に合わせて随時カメラの切り替えを行っています。

設置しているカメラは、水平機能ズーム機能などを搭載しており、他のカメラへの映り込みもしない設定です。バーチャル空間上なので空中でのカメラ設置も気軽に設置、調整が可能のため、かなり自由度の高いカメラ設置が可能です。

生放送中に透明なアバターを使って調整することなんてのもできます

また出演している人にも配信画面が見られるパネルや配信しているカメラがどれなのかが分かるようになっています。配信に出ているキャストが、今どのカメラを使っているのか、どのように映っているのかが確認しやすい環境が整備されています。

実際に現場に行ってみたい!と思った人は、毎月第2火曜日に開催されているVRChat映像する人集会にてスタジオの見学ができますので、お気軽に参加してみてください。

前編では、With VRがいろんなジャンルの映像を制作していることや、より多くの人がVR上での映像制作に関われるようにする取り組み、テレビ局さながらの作り込みがされたスタジオ紹介ができたと思います。

後編では、With VRの代表であるとーたさんインタビュー、With VRとはどういった組織なのかやこれからの目標について聞いていきます。