VRChatにて現実に近い風景があるワールドを巡るイベント「VRC世界旅行」は、世界一周を達成しました。
メタカル最前線では、これまでにイベントレポートや主催のNEKO旅さんへのインタビューを行ってきました。
今回は、世界一周を達成した節目で、主催のNEKO旅さん、スタッフのMIRAI@さんにインタビューを実施。
世界一周した今だからこそ言える苦労した話や、これからのVRC世界旅行について聞いてきました。
世界一周までリピーターと新規が安定していてよかった
ーー改めてなのですが、VRC世界旅行についてコンセプトをお聞きしてもよろしいでしょうか。
NEKO旅 VRChat上には実在する観光地のワールドがあるので、それらを巡るワールドツアー形式のイベントとなっています。行くワールドの先々には、スタッフによる解説が入ります。特徴的なのが、ワールドの移動の合間に電車や飛行機といった乗り物のワールドを挟むことで、よりリアルな旅行体験をしてもらうようなイベントとなっていることです。
ーーワールド巡りは趣味だったのでしょうか。
NEKO旅 もともとQuest単騎で遊んでいたのですが、その頃からワールド巡りは趣味でした。PCVRになったときに、こんなにもワールドがたくさんあると知ってしまったですよね。自分を知っている情報を組み込んで、旅の様子を楽しむイベントを作ろうって思ったのが、VRC世界旅行のきっかけですね。
ーーイベントで巡った場所を実際につなげると1つのルートになるのは、実在する場所をモデルにしているVRC世界旅行ならではですよね。
NEKO旅 いつもGoogle Mapとにらめっこしていましたね。でも、世界一周のルートに関してはイベントを始める当初に決めてありました。なので、ほとんどその予定を沿うようにワールドを選定していったですよね。
ーー今回世界一周を果たしてみて手応えはいかがでしたか?
NEKO旅 予定通りのルートを進むことはできたと思うですけども、スタッフの数や参加者がこんなにも増えるとは思いませんでしたね。なので、増え続ける参加者に対して受け入れ態勢を整えるのがすごく大変なところでした。でも、参加者は楽しんでもらえたし、リピートする人もすごく多く、世界1周までずっと良い状態が続けられてよかったです。
ーースタッフはNEKO旅さんとMIRAI@さんの2人から始まったでしたよね。
NEKO旅 そうなります。現在は13名になりますね。
ーーワールドツアー系でスタッフが13人もいるってそんななかなかない規模じゃないですか。リピートする人も結構いるんですね。
NEKO旅 データを取ったわけではないのですが、見慣れた顔がイベントに参加しているなぁって思いますね。7,8割はリピーターじゃないですかね。ただ、新規も毎回2,3割ぐらい参加しています。
MIRAI@ フレンドに誘われてやってくるパターンがあるみたいですね。
2時間半という長さについて
ーーこれまでに1番苦労した回をお聞きしてもよろしいでしょうか。
MIRAI@ スタッフが少ない2人や3人で回していたヨーロッパ地域の時期ですかね。今はスタッフが増えて1つの班に2人や3人でやっているですけども、当時は1人だったので、自分がいなくなってはいけないし、進行もしないといけないですよ。
ーー1人で十数人を回さないといけないのは大変ですよ。
MIRAI@ VRC世界旅行自体、NEKO旅さんの持つ世界観がすごく反映されたイベントなんですね。限られた時間の中で、どうやって再現するのかスタッフと一緒に話し合っていますね。
ーーVRC世界旅行ってたしかに独特の雰囲気がありますよね。スタッフ間でもどう引き出すのか話し合っているのは納得です。NEKO旅さんはいかがでしょうか。
NEKO旅 どの回も大変だったですけども、思い出に残っている意味では第7回のアメリカ大陸編ですね。2022年の年末に行ったのですが、イベントの時間がいつもの2時間半ではなく、3時間に設定したんですよ。
たかが30分増えただけって思うかもしれないですけども、これが運営側も参加者側も疲れる結果になりまして……
やっぱり、時間が長いのはVRC世界旅行の特徴なのかなって思います。
ーー参加している側としては2時間半あっという間に過ぎるのですが、イベントとしては結構長尺ですよね。
NEKO旅 なかなか参加がしずらいのかなって思っているですけども、先程言った通り、継続的に新規の方も来てもらっているのは助かっています。
でも今後は、もうちょっと時間を短くしてもいいかなって考えています。もう少しコンパクトにして、何カ国も回るというよりは、1カ国に絞って参加しやすい形にしたほうがいいかなって思っています。
ーーところで、2時間半という時間はどういった経緯で決めていったのですか?
NEKO旅 初回や2,3回目ぐらいまでは2時間だったですよ。ただそれでも物足りないなって思って30分付け足したって形です。30分付け足したらちょうどよくなりましたね。
ーーなるべくして増えたわけですね。
NEKO旅 リアルさを追求していった結果です。
VRC世界旅行はこれで終わりではない
ーーVRC世界旅行は世界一周をしたから終わりというわけではないそうですが、今後はどのような展開を考えているのでしょうか。
NEKO旅 2周目をするわけなのですが、いままでやってきたような線をたどる形ではなく、国ごとに焦点をあてていこうかなって思っています。ただ、国ごとに焦点をあてるとなると、国数の多いヨーロッパにずっと留まることになってしまうので、適度にいろんな大陸を渡るようにはしていきたいと思っています。
国以外にも何かテーマを絞ってやるとかも面白いと思っていて、例えば博物館オンリーの旅とか、川などといった自然系に絞ってやるとかもいいかなって考えています。
また、コラボという形で、パフォーマーさんを呼び込んで観光地の先でパフォーマンスを見る体験をするのも、提供できたらなと思っています。多分、パフォーマンスと旅行は相性がいいと思うわけですよ。
ーー結構これまでと形が変わってきますね。となると、例えばアメリカ大陸をまたやるとなると、前にアメリカ大陸行ったときとはまた違った旅行になるということでよろしいですか。
NEKO旅 おっしゃる通りで、同じ題名になったとしても全然違う内容にしようと思っています。1回来ていただいた人も新しいワールドを見たいと思いますし、こちらも紹介したいワールドがまだまだいっぱいありますので。
ーー復刻だからって見逃さないほうがいいわけですね。
NEKO旅 そうですね。前に開催したときよりも解説の質も上がっていると思いますし、損はさせませんので、ぜひ来てください。
ーーMIRAI@さんからは何か話しておきたいことはありますか?
MIRAI@ VRC世界旅行でも、ワールドやギミックを作ってもっとアクティブに旅行を楽しめる仕組みを作りたいなって思っています。いくつかVRC世界旅行のスタッフ内で案を出しているですけども、開発して、実装できればと思っています。
ーー最後になのですが、VRC世界旅行のファンに向けて一言お願いします。
MIRAI@ VRC世界旅行は本当にリピートする人が多くて、フレンドがフレンドを呼ぶみたいな循環が生まれています。毎回楽しかったよというツイートをエゴサーチしているですけども、そういった方々のおかげで、自分も本当に楽しませてもらっています。2周目もぜひ来てください。
NEKO旅 まずはありがとうございます。参加者はもちろん、ワールドクリエイター、スタッフにも感謝しかないです。これから2周目に入っていくですけども、どんどん新しいことを取り込んでいこうと思っています。そのときは、みなさんの反応をしてくださると嬉しいですし、アイディアも生まれるので、協力してもらえると助かります。
イベントに関しては、私と優秀なスタッフが盛り上げることが確定しているので、ぜひ応援していただければと思います。
ーーありがとうございました。インタビューは以上になります。
●参考リンク
・VRC世界旅行(Twitter)
・NEKO旅(Twitter)
・MIRAI@(Twitter)