【PR】大丸・松坂屋アバターはどのようにしてデザインされたのか。BALANCEに聞く『璃空』のデザイン秘話

今を活躍するイラストレーターやモデラーと大丸松坂屋百貨店がタッグを組んでアバターを販売している大丸・松坂屋アバター販売公式。アバター・ファッション領域に参入してからこれまでに12体ものアバターを世に送り出してきました。

このたびメタカル最前線は、キャラクターデザイン、プロデュース、制作を担当した大丸・松坂屋とV社にインタビューを実施。

インタビュー企画の第4弾となる今回はアバター『璃空(りく)』のキャラクターデザインを担当したイラストレーターのBALANCEさんにお話を伺っていきます。

BALANCEさんプロフィール

ファッションブランド【fale】キャラクターデザイン、イラストなど

公式Xアカウント

『風璃』と『璃空』ふたりでひと組のようなデザインを意識。

──『璃空』も前回の『風璃』と同じく、テーマも正装ということでしたが、今回意識した点や気をつけた事などがあれば教えてください。

BALANCE 男の子とか女の子とかっていうのを意識しない雰囲気を目指したくて、フェミニンな印象を持たせたいと思いました。モチーフはリボンとかが多いんですけど、あんまりつけすぎても……と思ったので、シルエットは男の子っぽい感じにしつつ、ディティールは女の子のような、両者の特徴を合わせたデザインを目指しました。

BALANCE 制作依頼時に「男女それぞれのデザインをお願いしたい」とお話をいただき、自分はいわゆるメンズライン・レディースラインと解釈しました。璃空くんの場合、そこから風璃ちゃんとセットとなる、対になるようなイメージでデザインさせていただきました。共通した要素も持たせて、ふたりで並んで立っても違和感がないように調整しています。

BALANCE アバターの表情に関してはモデラーさんにやってもらいましたが、いい意味で想定してないキャラクター性が出ててすごく面白かったですね。風船ガムのギミックは後からつけていただいたんですけど、とてもかわいいですよね。

──VRChatユーザーからの反応はいかがでしたか?

BALANCE 風璃ちゃんも璃空くんも、自分がデザインでこだわった部分や僕がとらえたVRChatならではの雰囲気が、VRChatユーザーにちゃんと伝わって好印象を持ってもらえるかが気になっていました。公開後、SNSを見ていましたが、そこをわかっているような反応がチラホラあって、すごい嬉しかったです。

VRChatは技術系の人たちが楽しむ場所だと思っていた

──対になる感じ、とてもよいですね。ところでVRChatで実際に風璃ちゃんや璃空くんのアバターを着用とかしてみましたか?フレンドさんとかと一緒に撮影なんかしてみると楽しいですよ!ふたりのアバターが揃った姿、確かに確かに見てみたいですよ。

BALANCE いえ、実はまだなんですよ。でもぜひやってみたいです。そういうの、とても楽しそうですよね。

──以前お話を伺った時、VRChatにはあまり慣れていない印象でした。あれから少し時間が経ちましたが、今はどうですか?

BALANCE 実は、VRChatはゲーム開発者や技術者などが楽しむ場所だと考えていたんです。いろんなツールとか、きっとすごい難しいことをやってるんだろうなって思ってたんです。でも実際に触れてみると実はそうでもなく、気軽に楽しめるものだと知りました。

──たしかに最初は敷居が高く感じるかもしれませんね。わかってくると実はそうでもないという。

BALANCE はい。本当にその通りで、素晴らしい世の中になりましたね。BOOTHのようなアセットストアとかもあり、少し調べるだけで簡単に遊べる環境になっていることに驚きました。

──風璃ちゃんや璃空くんのイメージに合うようなワールドもたくさんありますし、よければ今度ご案内しますよ!

BALANCE ありがとうございます。ぜひお願いします!

リボンの存在が逆に中性っぽさを引き立たせる良いアイテムに

デザインの仕事をきっかけに、新たな分野も広がっていく

──BALANCEさんは今回の案件以外でも、ファッションブランドのデザインのお仕事などもされていると伺いました

BALANCE 「Fale」というファッションブランドで、キャラクターデザイナーとして参加しています。特に、ブランドのミューズ(※)を立てる際、そのデザインを担当させていただきました。

※ミューズ:ファッションデザイナーがインスピレーションを得るためのモデルや、ブランドを象徴するモデルを指す言葉。

「Fale」はポップカルチャーとファッションのほか、AR・VRも志向していたので、自然とVRChatにも以前から興味を持っていました。

──ファッション自体は以前からお好きだったのでしょうか?

BALANCE もともと服とファッションが好きなので、VRChatのブランドなどもたまに見ていて、アルティメットゆいさんの手掛けている「MAISON DARC.」とか、いろいろなブランドがあることも把握しています。
リアルでのファッションと違うところにあって、バーチャルファッションはバーチャルファッションとして存在している、みたいなのを感じてて面白いなと思っています。

──そこから今回の話につながった、という感じなんですね。

BALANCE はい、直接は関係があるかどうかはわからないんですけど、今回のお話をいただいてとても嬉しかったです。今回の大丸さんとは別のプロジェクトで、VRChatをやるってことも増えてきていますね。

それで、最近3DCGの勉強をはじめたんですよ。「Blender」を触り始めたばかりです。

きっかけは、やっぱりX(旧Twitter)とかで自分が作ったデザインしたアバターとか着ていただいてるところとかの反応を見てて、なんかいいなと。僕もこういうことをやりたいなって思ったのが最初です。

──最近はBlenderも始めたと聞きました。3Dモデリングにもともとご関心があったのでしょうか?

BALANCE 風璃の仕事をしていた当時は、本当にこういうデザインの仕事があるんだな、楽しそうだなぐらいの感じで思っていたくらいで、本当に最近興味を持ち始めました。

とくにVRChatの界隈を見ていて、アバター関連の市場がこれからまだ大きくなっていくんじゃないかなと思ったし、楽しそうなのも相まって、自分もそれに混ざりたいという気持ちが出てきました。

BALANCE 僕はフィギュアとかも結構好きなんで、そういうのを何か描いてみたいなって思ったときに、立体物になった場合を意識します。服のことを考えるのも好きなので、立体になったときに服がどういった服になるのかも考えちゃいますね。

──最初からその考え方はすごいです。3DCG作るのに向いていらっしゃるような気がします。

BALANCE 自分で言うのもなんですけど、相性が良かったのかなって思ってます。今後はこれからいろいろ勉強して、自分のバーチャルファッションを提案できればと思ったりしていますね。

──ありがとうございました!