Yo men bro, T00です。
今回はVR映画スタジオ『カデシュ・プロジェクト』から8月に公開される『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』をより楽しむためにヤスナカこと楊・安中とグレイ・エルエスについて紹介。
ホテル・カデシュの基礎的な設定から紹介しますので、この記事1つで『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』の予習がバッチリできます。
メインキャラクター2人がこれまでどういった活躍をしてきたのか、イベントをはじめ既存の映像作品やゲームワールドなどの情報をまとめていきました。過去の活躍を紹介するため、これまでのホテル・カデシュ作品のネタバレが含まれています。
そもそもホテル・カデシュってなに?
ホテル・カデシュとは、VRChatで活動するVR映画スタジオ『カデシュ・プロジェクト』が行うロールプレイイベント、およびそこで登場する「老舗高級ホテルという表の顔を持つ暗殺組織」の名前となります。
……というと小難しく聞こえるかもしれませんが、深く考える必要はありません。イベントとその舞台の名前がホテル・カデシュなんだなぁ、と思っていただければ大丈夫です。
ホテル・カデシュに関する作品はロールプレイイベントをはじめ、映像作品、ゲームワールドなど多く派生しています。イベントの詳細などについては公式サイトや以下の記事で読むのがいいでしょう。
公式サイトにアクセスの際は、カデシュでおなじみの合言葉、「13階に部屋を予約している」を思い出してくださいね。
ホテル・カデシュの映像作品では、キーキャラクターとなるキャラクターが1人から2人登場します。普段のロールプレイイベントでは描かれない活躍や描写をされることもあり、ファンとしては注目するポイントです。
ホテルカデシュの人気キャラクターの1人である二階堂・ダニエルも、プロジェクト:エメスでキーキャラクターとして大活躍しています。
ホテル・カデシュ最新の映像作品『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』では大人気キャラクターの1人であるヤスナカこと「楊・安中」(以下、ヤスナカ)と、ホテル・カデシュの世界に関わる謎を持つ「グレイ・エルエス」がキーキャラクターとして登場。
映像作品単体でも楽しめる作りにはなっていますが、せっかくなら過去の描写や伏線も追っておきたいですよね。ここからは、キーキャラクターの2人について迫っていきます。
不老不死の怪しい中国人 ヤスナカ
Hatoyaさん演じる「楊・安中」、通称「ヤスナカ」は、怪しい雰囲気漂う中国人の女性。
ホテル・カデシュでは上級会員の上位10人が務め、各組織との折衝、調停、そして問題解決を行う「コマンドメンツ」の1人であり、その席次は第六席となっています。
特殊な能力として不老不死に近く、最新作の予告映像の中でも傷が急速に再生していくというシーンがあります。
ヤスナカは「かなり無茶な戦いをしていた」と同期のソフィア等から言われることがあるのですが、この再生力に物を言わせていたのでしょうね。
ヤスナカのコマンドメンツとしての仕事は、主に麻薬組織・薬物取引の管理となっているようですが、本人もまた薬物等に手を出しがちというところがチャームポイント。
過去に行われていたイベント『プロジェクト:エメス』およびワールド『海上都市「エメス」⁄VLFPs "E․M․E․T․H․"』のゲーム版では、エメス市警と近隣の軍部を単独で足止めする活躍を見せています。どのようにして足止めしていたか、詳細は語られていませんが、ヤスナカなら交渉よりも武力による抑止が似合っていそうな気もします。
ヤスナカの初登場は初回のRPイベント。以降、長期に渡りコンスタントにイベントに顔を見せ続けています。
映像作品での初登場は『シャークポカリプス 絶滅鮫地獄』。ホテル・カデシュ モロッコ支部にバカンスに来ていたヤスナカでしたが、モロッコ近海にて発生した会員の殺害事件を調査するため、現地を訪れていた第二席・イクミと第三席・ピーコックに連れられ、フォルネウス海洋研究所に向かうこととなります。
こちらの映像はゲームワールド『フォルネウス海洋研究所』のイントロダクションムービーとして視聴可能です。
また、ヤスナカは以前「教えて!ヤスナカ先生!」というコーナーを担当していました。これはカデシュの事情や小ネタ等を先生役のヤスナカが教えてくれるというもの。
さらっと支配人に子供がいる、なんてことが明かされるなど、ファンとしては面白く、興味深い情報が載っているコーナーです。しばらく更新はないですが、いずれ再開してほしいなと思っています。
ヤスナカに限らずホテル・カデシュで登場するキャラクターは、演じている人たちのロールプレイキャラクターが持ち寄っています。なのでキャラクターの元ネタや裏話は、ヤスナカを演じているHatoyaさんによって触れられています。
元ネタの一つは映画『フルメタル・ジャケット』に登場したベトナムの客引き。
あの有名な訓練のパートが終わった後、ベトナムでの一幕に登場したキャラクター。確かに翻訳にヤスナカの面影があります。
元ネタのもう一つは上野のケバブ屋さん。それを元にあの愛嬌のあるキャラクターを生み出しているとのこと。いやはや、キャラクターのアイデアはどこに転がっているのかわかりませんね。
このケバブ屋さんがある周辺の通りは秋葉原駅から徒歩で15分ほど歩いたところにあります。『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』が公開される8月には秋葉原で行われる予定のVketリアルが開催されます。イベントに訪れる人は、ヤスナカ生誕の地の雰囲気を味わうのはいかがでしょうか。
そして今回、ヤスナカは『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』にて主演を務めます!
普段のおちゃらけた姿からは想像もつかない凛々しい姿ですが、その裏にはどのような事情があるのか。今回明らかになることでしょう。
このキレキレのヤスナカの姿、実は以前に1回だけ、似たような姿を見せています。それが2024年4月のエイプリルフールイベント。このイベントでは、普段のホテル・カデシュではない異なる世界線である、「1989年のホテルカデシュ」に行けました。
エイプリルフールと聞くと本編と関係ないお祭り要素が強いイメージがあるかもしれませんが、カデシュの場合は考察材料になるので貴重な場でもあります。
「1989年のホテルカデシュ」なので、当然のことながら1989年当時の姿のヤスナカが登場します。
このころのヤスナカ、まだ愛称ではなく「ヤン・アンツォン」と呼ばれていました。当時のカデシュはそれこそ『ゴッドファーザー』のような様相で、現代のような朗らかな(?)殺し屋イベントではなく、ヤスナカも鋭い雰囲気でした。
この時のヤスナカに近い姿がスクリーンで見れると思うと今からワクワクが止まりませんね。
実はかなりぶっ飛んだキャラクター?グレイ
ホテルカデシュの重要人物、コマンドメンツ。その中の一人がえるすさん演じるグレイ・エルエスです。
彼の席次は第九席。この席次は2020年に起きたカデシュ内での権力闘争「ファニー・ヴァレンタイン事件」時の活躍によって与えられたものとなります。
公式ホームページのメインキャラクター紹介には、民間軍事会社の所属であることや、あらゆる乗り物を操縦できると説明されています。ですが「経歴に謎が多い」とされており、公式からは情報があまり出ていない人物の1人です。
『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』予告編では、姿こそ見えていませんが、ヤスナカが助手席から外に向けてアサルトライフルを撃ちまくっているシーンがあり、こちらの運転を担当しているものと思われます。
エアコン等、内装から車種を特定しようと思いましたが、残念ながら特定はならず。ピラーの形からして『プロジェクト:エメス』で登場した『マンバ』に近い気もしますが、香港支配人の私用車などの現地で調達した車両の可能性もあります。
その他にもイベント『プロジェクト:エメス』第三部『無限の光』にて登場した、武装仕様のINADAにも搭乗しています。こちらはイベント中、エメスのフロート内を飛び回りつつ、ダニエルやイクミと共同してE-MESの掃討を行っていました。
グレイのINADAは武装以外にも1個特別な仕様があります。
こちらのハッチオープン、通常のINADAではハッチが前方向のスライドと上部ハッチのオープンの2つに分かれていますが、グレイが乗っているINADAは上部ハッチのみオープンし、前方視界を確保しています。
これは演じるえるすさん曰く「FCS(火器管制システム)がないため、ハッチを開放して目視で照準を付けている」とのこと。
妄想、ともあるのでどれほど設定に組み込まれているのかは不明ですが、メインカメラの破損等に備えるという意味でも確かに納得ではあります。その他にも「グレイ本人の顔が見えないから」という理由もあるようです。
『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』では、大型のクリーチャー「真人」も出てきます。真人と真っ向から組み合うINADAが見られる展開が来たら個人的には嬉しいですね。
また、今でこそ謎めいた人物であることが強調されていますが、実は以前の公式サイトでは「幼い想い人がいるが、ロリコンではない。決して。」という冗談めいた一文も存在していました。グレイの「想い人」であるサーヴは、2021年のクリスマスイベント時に登場しています。
こちらは筆者のロールプレイキャラとのツーショット写真。筆者のキャラクターの身長が150cm前後で、サーヴも同程度の身長でした。アメリカ人成人男性の平均身長より高い180cmのグレイと並ぶとなると、確かに幼く見えてしまうことはあるかもしれません。
そんなグレイのロールプレイイベントでの初登場はヤスナカと同じく初回のロールプレイイベントから。
映像に本格的に登場したのはしばらく間が空いて『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』の特報映像からになります。
カデシュメンバーとしてはヤスナカと同じく最古参!基本的に表に出てこないアルバを除けば、ようやくスクリーンに活躍が映ることになるコマンドメンツとなります。『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』で彼のひととなりがより詳しく描写されるのが楽しみですね。
グレイのキャラクター設定は、演じているえるすさんが設定したオリジナルキャラクターに由来します。
改めて見るとポスターにも謎が……! 猛り鎮む双星……双星!?もう1人居るの!?
前述のサーヴもグレイ同様、えるすさんのオリジナルキャラクター時代には機動兵器に搭乗していたことがあるようなので、サーヴも機動兵器の操縦が出来ることを指しているのでしょうか。
さらに掘り下げると、この2人はゲーム『鋼鉄戦記C21』でえるすさんがロールプレイしていたキャラクターが元となっているようです。カデシュ主宰のだめがねさんとえるすさん、他のメンバーの中にも鋼鉄戦記C21や、同メーカーの別作品『コズミックブレイク』で出会った面々が居ることを考えると、鋼鉄戦記C21はカデシュの特異点ともいえるゲームかもしれませんね。
そしてグレイ最大の謎に「なぜかどの世界線でもグレイのままでいる」があります。
ヤスナカの時に少し触れましたがカデシュにはエイプリルフールイベントがあります。これまでには「1989年のホテル・カデシュ」や「全員が性転換し、ホテル・カデシュの権威がない」といったものがありました。
この他にも、バーチャルマーケット2022Summerでは、「水無月やカデシュが世界の覇権を握った」サイバーパンクな世界線、映像作品でも『アウトサイダーズ:ライズ・オブ・ヴァリアール』は悪役結社ヴァリアールに攻め込まれる世界線にあたります。
当然、世界線が異なればキャラクターの状況も異なります。
例えば、コマンドメンツ第十席、ノーチェ。通常のカデシュでは喋ることが出来ない普通の女の子、と見せかけて実はサイボーグという彼女ですが、エイプリルフールイベントでは良くしゃべる男の子に、バーチャルマーケット2022Summerでは水無月に改造された暗殺兵器として登場しています。
そんな中でグレイだけが唯一変化がありません。性転換もアメコミめいた特殊能力も得ず、タイムスリップした時でさえ彼だけが「グレイ・エルエス」のままです。
ここまで来るとグレイには「世界線移動の影響を受けない」「世界線を任意に移動できる」等の能力があることが推測されます。
さらにキャラクターの誕生日ごとに用意されるバースデーアートギャラリーでのイラストも意味深な要素があります。
地球が映るようなアングルで謎の衣装に身を包んだグレイ。なんなんだコレ。上位種族感はありますが……謎!!!
いずれにせよ、正しい答えが出る時を待ちたいと思います。
以上!ヤスナカとグレイについての紹介でした。
ヤスナカは今回の『ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行』で色々な情報が明かされそうですが、グレイはまだまだ未知数。こんな話があったな〜と思いつつカデシュを追いかけるとまた新たな発見があるかもしれませんね。
では、良い夜を!
(TEXT BY T00)