映画の世界に入れるってどういうこと? 「ホテル・カデシュ」について語らせてください

みなさんは、「ホテル・カデシュ」をご存知ですか? 

「映画を作っているところでしょ」と思う人もいるかもしれません。実際、私自身も最初は映像を作る団体だと思っていました。筆者も「プロジェクト:エメス」で、VRChatでこんなにもすごい映像が撮れるんだと感動したものです。 

ですが、「ホテル・カデシュ」の魅力は映画だけではありません! 

ホテル・カデシュは洋画系ロールプレイ団体です。映画以外にもロールプレイイベントやゲームワールドと幅広い展開をしており、それがホテル・カデシュの魅力と言えます。 

今回は「ホテル・カデシュ」のコンテンツを紹介しつつ、その魅力を紹介していきます。

とりあえず分からなかったら公式サイトを見よう!

「ホテル・カデシュ」は、ファンにフレンドリーな団体です。それは普段の作品からも分かりますが、1番分かりやすいのは公式サイトの作りです。

三面図が付いてくる公式サイトってまず見たことないですよ!

この公式サイトには、「困ったら公式サイトを読め」って言っても過言ではないほどに、「ホテル・カデシュ」の情報が充実しています。キャラクターのページには、キャラクターのプロフィールはもちろん、これまでの来歴といったものが書かれています。ちなみにファンでも「知らない……」となるほどに情報も大放出。

ここで気になるキャラクターを見つけたら登場作品の欄を見て、その作品を見るのも一つの手です。基本的に「ホテル・カデシュ」の作品は、ある程度独立した作りになるため、気になるキャラクターから作品を選ぶのもいいでしょう。

ちなみに筆者のお気に入りは、二階堂ダニエルです。彼の出演する「プロジェクト:エメス」やロールプレイイベントのときの立ち振る舞いがお気に入りのキャラクターです。喧嘩っ早い性格ではありますが、ここぞというときのカッコよさがたまらないです。

ほかにも各作品へのあらすじやリンクも付いているので、気になる作品があればホームページからアクセスが可能です。

なので、困ったらホームページを見れば「ホテル・カデシュ」について大抵のことは分かります。ちなみに、サイトはスマホ対応をしているので、知らない人へ紹介するときにも気軽に勧められると思います。

これは本当にVRChatで撮影したのですか? 映像作品の数々

冒頭に伝えた書いた通り、「ホテル・カデシュ」と聞くと映画を思い浮かべる人もいるのはいるでしょう。この記事では作品を2つ紹介。

まずは紹介するのは、「プロジェクト:エメス」。「ホテル・カデシュ」初の長編作品であり、ジャンルはサイバーパンクとなります。海上都市エメスを舞台に、人造人間である錫噛奈々代の秘密、その裏に潜む野望に迫るストーリーです。サイバーパンクらしいアンドロイドを軸とした作品に仕上がっています。

「プロジェクト:エメス」の衝撃は、何よりも冒頭のアクションシーン。主人公の奈々代が繰り広げる取っ組み合いのアクションは、本当にこれをVRChatで撮影したのかという迫力があります。取っ組み合いをするだけでしょう?って思うかもしれませんが、同期の問題でここまで自然に見せられるのはすごいことなのです。

舞台となる海上都市エメスも非常に魅力的。そして、なによりも嬉しいのは海上都市エメスに実際にVRChatで聖地巡礼できるということ!作品を見終えたあとは思いを馳せて回ってみるのもいいでしょう。作品を知っていると思わずにやりとしたくなるものもあるかもしれません。

「プロジェクト:エメス」には他にも外伝作品の「NINE」もあります。「プロジェクト:エメス」のストーリーをより奥深くさせる仕上がりになっているので、ぜひとも「プロジェクト:エメス」の後に見てください。主演のDJ⑨さんがとにかくカッコいい作品ですし、見終えたあとはきっと「プロジェクト:エメス」がもう1回見たくなるはずです。

もう1つ紹介するのは「掌」。こちらのジャンルは邦画となります。洋画系ロールプレイ団体なのに、邦画を撮るってどういうことだよって思うかもしれませんが、実際に見てみると本当に「邦画」を見たんだって気持ちになります。

「邦画」を見た気持ちになるってどういうことだよって思うかもしれませんが、日本の季節感はもちろん、撮影に使用されているワールドは完全に日本の建物を再現しているのですよ。これらすべて美術が全部作っている事を考えると狂気すら覚えます。登場するシーンが僅かなものまで妥協なく作り込んでいます。撮影用のワールドとはいえ、一般に向けて公開されていないのが信じられないほどです。

そんな「掌」のあらすじは、主人公の司一の半生を追うといった内容。この司一の半生はとにかく悲惨とも言えるもので、映画冒頭から両親を亡くすところから始まります。ヤクザを嫌う司一がなぜヤクザになっているのか、その理由が垣間見える作品となっています。

ちなみにですが、「掌」を見終えた人がこの記事を読んでいたら見てもらいたいツイートがあります。

こちらは、「ホテル・カデシュ」2周年を記念して公開されたアニバーサリービジュアルです。コンセプトは「WHAT IF」、もしもの姿を描いたビジュアルとなります。ぜひ、「掌」を見て、このビジュアルに込められた「物語」を感じ取ってもらいたいと感じています。

ゲームワールド紹介

ホテル・カデシュは、ゲームワールドも展開しています。現在公開されているのは2つ。「シャークポカリプス 絶滅鮫地獄」と「ヴードゥー・キングダム 眠れる王母」があります。

「シャークポカリプス 絶滅鮫地獄」は、サメ映画をテーマにしたゲームワールド。海洋研究所を舞台にサメと対峙することに。研究所では一体何をしていたのか、探索するとともにサメの脅威から逃げることになります。

「ヴードゥー・キングダム 眠れる王母」は、ゾンビ映画をテーマにしています。新作ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行」」の前日譚にあたります。香港郊外の「紅龍医薬研究所」を舞台に、ゾンビがいる中探索することになります。研究所の中では暗い場所もあり、本格的に怖いので挑戦する人は気合い入れて挑みましょう。ゾンビも走って襲ってきます。

思っていたよりも敷居が低いぞ! ロールプレイイベント

やはり「ホテル・カデシュ」といえば洋画系ロールプレイということもあり、ロールプレイイベントが目玉と言えるでしょう。「ホテル・カデシュ」のロールプレイイベントは、隔週土曜日に開かれておりTwitterにてスケジュールが公開されています。

イベント会場ごとにアバターのドレスコートが決められています。例えば、ホテル・カデシュニューヨークであれば、マフィア・殺し屋風。この場合、アバターの改変をスーツなどといったフォーマルな姿にして、参加することになります。

「自分は映像作品だけでいいかな……」って思う人こそ、ロールプレイイベントに参加してもらいたいです。なぜなら、映像に出ていたキャラクターが真正面で、自分を認識して話しかけてもらえるからですよね。

先ほど紹介した筆者のお気に入りキャラクターである二階堂ダニエルも、「プロジェクト:エメス」でカッコいいぞって思っていて気に入っていました。ですが、実際にロールプレイイベントに参加してみると、めちゃくちゃ目の前で映画同様の語り口で話してくれます。そこで、グッと来てしまったのが好きになったきっかけです。

好きなキャラクターが、自分に向けて話してくれることを想像してみてください。本当にたまらないですよね。ロールプレイイベントでは実際にできてしまうですよ。

何よりも嬉しいのは、映画だけでは得られない「ここだけの話」も拾えるかもしれないということ。さらっと知らないキャラクターの一側面を知ることができます。

ぜひとも、映像作品を見た人こそ、ロールプレイイベントに参加してみてください。ハードルに見合っただけの満足感と、キャラクターや世界観により浸れるようになると思います。

イベントの様子については、下記の記事をご参照ください。

とはいえ、ロールプレイイベントというと、どことなくハードルが高いと感じる人は多いはず。

そんなあなたにレンタルアバター「ジョン・スミス」とロールプレイバーイベント「REBELLION」の2つを紹介。

レンタルアバター「ジョン・スミス」は、「ホテル・カデシュ」のイベント会場にて貸出がされるアバター。会場ごとにドレスコードが異なりますが、こちらのジョン・スミスはすべてに対応しています。

そして、「ジョン・スミス」は、年齢、国籍、性別すべてが不明の、素性が分からないアバターとなります。なので、レンタルアバターといっても自由にロールプレイしても問題ない設定です。

まずは、設定がゆるい「ジョン・スミス」を使ってロールプレイをしてみて、イベントの温度感を掴んでみましょう。実際に参加してみると、こういうキャラクターを作ってみるのもありなんだという、意外と設定の懐が深いことに気づきます。その後、自分のキャラクターを作ってみてはいかがでしょうか。

もう1つ紹介したいのは、ロールプレイバーイベント「REBELLION」。こちらは「ホテル・カデシュ」非公式のイベントですが、ドレスコードや世界観が共通しています。

ハードルが高いと思っている人にとってなによりも嬉しいのは、「REBELLION」の場合、見学ができることです。そのため、どのような雰囲気でロールプレイを行っているのか、実際に演じなくても見られます。

先程のレンタルアバターによる参加がハードルが高いと思っても、見学ならば参加しやすいと思える人もいるのではないでしょうか。

イベントの雰囲気などについては、こちらの記事をご参照ください。記事の中では、ロールプレイ初心者の筆者がどのように立ち回ったのかも載せているので、参考になるかもしれません。

もっと「ホテル・カデシュ」を楽しみたい人へ

メタカル最前線では、「ホテル・カデシュ」の制作に関わっている人たちやブースに関する記事も充実しています。

たとえば、過去に2回行われたバーチャルマーケットとのコラボイベントも会場の様子を記録してあります。会場内には、フロップが展示されており、ここでしか見られない情報もあるので要チェックです。

主要制作陣に対するインタビューを行っています。「ホテル・カデシュ」がいかにして始まったのかが語られている内容となりますので、知らない人は必見ですよ。

「掌」や「NINE」の裏話を収録したインタビューもあります。作品視聴後に読むと、より作品への理解度が高まること間違いなしです。「掌」の構成がキレイである話や「NINE」がなぜサイバーパンク足り得るのかなどの話をしています。

さらに2024年に公開される「アウトサイダーズ:ライズ・オブ・ヴァリアール」の監督陣が揃う豪華座談会も実施しています。ファンはもちろん、映画制作している人にとっては必見の内容です。

ホテル・カデシュの作品は、VRChatでの撮影だと思えないほどの幅広さを毎回打ち出してくれます。新作である「ヴードゥー・キングダム 香港ゾンビ紀行」でも銃と体術を組み合わせたガン=カタにチャレンジするなど、さらなるアクションへの期待を感じさせます。

ぜひこの記事で紹介されたコンテンツに触れて、「ホテル・カデシュ」の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。映画の世界に飛び込むのは本当にいいもんですね。