東雲りんのアバター入門③ どのようにしてアバターを選ぶのか

アバターとは、自分の分身となるキャラクターのことを指し、現在もSNSやゲームで多く使われています。ソーシャルVRでは、アバターの価値はより重要になっており、アイコンやキャラクターのみならず、もう1つの身体といっても過言ではありません。

東雲りんのアバター入門では、ソーシャルVRにあるアバターの背景・文化をなるべく分かりやすい形で噛み砕き、まだ触れていない人の手助けになるようにお届けします。

前回は、ソーシャルVRのヘビーユーザーにアバターとアイデンティティの関係性について聞いてきました。それぞれの考え方に沿ったアバターを使い方が分かったところで、今回はアバターをどのように選んでいくのか掘り下げていきます。

アバターといっても、姿はさまざまですし、どこでアバターの情報を探し出すのか、購入できるサイトはどこなのかとやっていない人からすると、分からないことが多いです。

今回の記事を読んで、ソーシャルVRのユーザーがどのようにしてアバターを選んでいるのか理解の手助けになれば幸いです。

アバターの種類

読んでいる人の中には「美少女のアバターが多いのでしょう」って考えた人もいると思います。実際、ソーシャルVRの調査を行った「ソーシャルVR国勢調査」では、日本のユーザーの78%近くが女性アバターを使っているというデータがあります。

女性アバターを使っている理由は明確ではありませんが、考えられるのは販売されている女性アバターの種類が多い、女性の方が服装の表現が幅広い、女性の姿だとスキンシップを取りやすいからだと考えられます。

ですがアバターは、普通の人間から獣人やロボット、非人型とさまざまな種類がいます。その中には、あなたがなりたいって思えるアバターも見つかるはずです。

VRoidとbooth販売アバター

ソーシャルVRで使われるアバターは、大きく分けると2種類あります。1から作ってみたい人に向いたVRoid、既にできたアバターからカスタマイズするbooth販売アバター

1つ目はVRoidというアバター。VRoid studioと呼ばれるソフトを使ってゲームのキャラクタークリエイトのようにで作ることができます。絵を描く要領で服や髪型を作り出すことができ、3Dモデリングの知識がなくても自分好みのアバターが作りやすいのが特徴です。

2つ目はbooth販売アバター。boothと呼ばれる販売サイトから購入して、アップロードをすることで、自分のアバターとして使うやり方です。VRoidと違い規格は統一されていませんが、造形やギミックにこだわりが詰まっている場合が多いです。

アバター選びは服選び! アバターを通じて楽しむ遊び

ソーシャルVRの中では、アバターを展示、試着できる場所があります。今回は、VRChatのアバターミュージアムを例に紹介します。

アバターミュージアムは、アバター製作者から募集したアバターを展示するワールドです。展示されているアバターを見て、VRで見た時にどのような印象なのか、自分の動きがアバターの動きと合うか確かめたりします。

アバターを選んでいるのは、いわば服屋に来て服を選んでいるようなものです。フレンドと一緒に行くと、どのアバターが似合っているのか話すだけで楽しく、ソーシャルVRで生活をする上では欠かせません

アバターを通じて誰かと繋がることは、まだまだあります。

筆者の使っているアバターは桔梗というアバターですが、会う人が同じ桔梗だったら親近感が湧きます。例えると、友達で同じブランドや商品をつかっている人がいれば親近感が湧くような感じです。

ところで、写真を見ていて、「同じアバターを使っているって言うけども、髪型や服装違くない?」と思いませんでしたか。

どちらの桔梗もアバター改変をして自分好みの桔梗にしているのです。

アバターを改変することでファッションできる

アバター改変をすると、アバターでファッションを楽しむことができ、自分だけの姿自己表現ができます。アバター改変できる部分はさまざまで、髪や服は変えられるのは当然として、肌の色を変えることや、メガネやヘッドホンのアクセサリーも自由に付けられます。

また、アバターでのファッションは、リアルのファッションとは少し変わってきます

例えば、着る服装はリアルの自分ではハードルが高いって思う服装でも、アバターならばハードルを取り払えます。他にも、アバターの切り替えが容易のため、場の雰囲気にあった服装に合わせやすいです。

アバターのファッションは奥深いです。boothでアバターの髪型や服を購入して改変する人もいれば、販売する個人クリエイターもいます。また、アバターのファッションに興味を持つ企業もあり、注目されています。

最終回の4回目では、アバターのファッションについて消費者、個人クリエイター、企業の観点からどのように見ているか鼎談形式でお届けします。

左から木下さん、JONERさん、アルティメットゆいさん