「この衣装すごくデザインいいけども、VRoid衣装か」と思ったことはありませんか。
アバターの服には、VRoid衣装、3D衣装と種類があり、自分の使っている対応している種類は簡単に着せ替えできます。一方で、対応していない衣装には、調整するのが必要なこともあり、買うのを控える場合もあります。
ショッピングモールのワールドで服の買い物を楽しむイベント「Carat」では、VRoid衣装と3D衣装の両方を取り扱う垣根を越えたものです。
Carat特集の後半では、運営のenuさんとVorufuさんにインタビュー。企画の生まれたきっかけからアバターのファッション、VRoid衣装と3D衣装の垣根を超えた理由を聞いてきました。
前半では、Caratの参加レポートと出展しているオーナーのアンケートをしてきましたので、Caratってなに?って人は前半から読んでみてください。
目次
バーチャルでリアルなファッションをテーマにしたイベントCarat
ーー自己紹介をおねがいします。
Carat代表のenuです。普段はVRChat向けのアクセサリーやお洋服を作っています。ワールド作成や運営もしているのですけども、店舗の店員として接客をしています。
ーーcaratについて軽く紹介をおねがいします。
Vorufu 「バーチャルでリアルなファッション」をテーマに運営しているショッピングモール型のイベントです。特に大事にしているのが、来ていただいたお客様とオーナーのコミュニケーション。
単純に制作物を展示するだけのイベントと違って、作った人と直接会っておしゃべりができます。お話をしていく中で、「どういうコーデがいいのかな」とか「何が自分に合っているのかな」と自分のファッションをさらに向上させるためにオーナーに質問ができるのがいいかなと思っています。
また、オーナーに興味があれば、「どうしてこの衣装ができたのですか」などと裏話を聞けるようになっています。
バーチャルで接客するコミュニティがあってもいい
ーー企画が生まれたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
Vorufu きっかけは、僕が別の企業様の方でバーチャル接客店員をやらせていただいたことがありました。
接客を通じて「接客ってすごく楽しいな」とバーチャルと接客ってすごく相性がいいなと実感しまして、商業的なものでなくてもコミュニティとしてユーザーだけで遊んでも楽しいじゃないかと考えていました。
ーー接客が楽しかったとありますが、具体的にはどの辺りが楽しいと感じましたか?
Vorufu まずは、お客様とコミュニケーションを取るのが楽しいという点が楽しいのがあります。そこから、バーチャルの接客だったので、どちらもキャラクターの格好をして趣味や嗜好が近く話が合ったのが大きかったです。
ファッションも僕が興味がある事の1つで、VRChatの中にもファッションに興味がある人が多くいることもあり、企画を立ち上げてやってみようとしたのです。
企画を立ち上げて考えているところに、enuさんが「自分の店舗を作って、ショッピングモール型のワールドに置きたい」と話していて、一緒に接客をしながら店舗を持ったら面白いじゃないかと提案しました。他の人も集めてやっていけばいままでにないイベントになるのではないかとCaratを作りました。
ーーenuさんが服や店舗を作ってみたいと思った理由はなんでしょうか。
enu 現実でファッションをするのが好きで、昔から現実で着るような服を改変に取り入れていたので、アクセサリーも現実に近いものを作っていました。
いつもnullの足音で販売しているのですが、別レーベルのenu by nullの足音を立ち上げてたので、商品を見せるワールドを作ろうとしていました。過去にも、nullの足音でワールドを作ったことがあったのですが、別のやり方で商品を見せる場所が欲しいなと思っていました。
enu by nullの足音の商品は、現実にあるものに近いものが多かったので、ショッピングモールにしようとアセットを置きました。最初は接客をしようと考えてはいなかったのですが、ワールドを作っていったので接客もしようかなと思いました。
VRoid衣装と3D衣装関係なく着てほしい
ーー企画はどのように進めていったのでしょうか。
Vorufu 主に進めたのがenuさんになります。まずはenuさんが店舗を作っていって、他の人も店舗を持ちたいというのもチラホラ聞いていました。バーチャルマーケットなどのイベントはありますが、やっぱり自分の店舗を持ちたいという気持ちがある人はいたので、提案していきました。
僕がVRoidを作っている人に面識があったのでVroidのオーナーを集めた感じです。自分がオーナーらのファンで、この人の店舗を見てみたいという思いもあり声を掛けました。
enuさんは、3D衣装のオーナーに声掛けて集めてもらいました。
ーー色々ファッションのイベントはありますが、VRoid衣装と3D衣装をなぜ混ぜたのかこだわりはありますか?
Vorufu おっしゃる通り、VRoid衣装と3D衣装は別のジャンルという風にみなしている方が多い印象を僕らはもっていました。2つに分けて考えているのは、やっぱりもったいないなって思っていて。VRoid衣装って実は他の3Dのアバターでもプラグインを使えば着せるのも簡単なんです。
実際にオーナーさんと接してみて、「ああ、やっぱり着てみたいな」って思っていただけたら着てもらえるかなと考えて、VRoid衣装と3D衣装を大体同じだけ店舗に入れました。
逆にVRoid勢の人は、UnityやBlenderが難しいからVRoid衣装だけを着るだけという人もいます。でもいざやってみると、実は簡単だったり、他の人に教えてもらったらできたという声もありました。VRoid衣装はテクスチャのみで表現するためのっぺりしますが、3D衣装だとまた別の表現ができることも提案したいと思っています。
ーーお互いの良いところ取り合っていきたいって風に考えたのですね。
バーチャルの中でアバターだったらできるファッションがある
ーーバーチャルの中でリアルファッションをやりたい理由はありますか。
enu 現実では勇気がなくて挑戦できないファッションでも、バーチャルの中だったら挑戦してみようってなると考えています。自分自身がリアルファッションに近い服装をしていたり、商品を作っていたりしていることもあり、Caratはリアルファッションの方向性でやっていこうってなりました。
ーー自分のアバターもデニムオンデニムコーデで現実では勇気が出ないですけども、アバターだったらスタイルも良いしいいかなって挑戦していますね。
enu そういう感じです。すごくおしゃれじゃないと無理ってのもバーチャルだったら、顔もかわいいし挑戦できると思います。
ーーCaratはどのような方に来ていただきたいですか。
Vorufu ターゲットとして考えているのは、ファッションに興味がある人や、ファッションに興味がなくても自分のアバターに合う服を探している人、店舗のオーナーのファンである人があります。
ただ、ウィンドウショッピングを楽しむというよりは、コミュニケーションを取ってもらいたいと思っています。ワールドに来て写真を撮るだけではなく、オーナーとの会話を通じてファッションを楽しいなって感じてほしいです。
ーーなかなかファッションに興味があるコミュニティにいないと話題に出ないなって思うことがあるので、ファッションについて話したいなって思う人はここに来てという感じですね。
Vorufu 後は、現実だと接客が苦手な人がいっぱいいると思うのですが、バーチャルだと心の障壁が取り払えるのではないかと考えています。
アバター同士のコミュニケーションだから敷居が低いのと、お客さんもイベントとして来ているから良いものにしたいと思って能動的に動けるかなと思っていますね。だから、現実だと接客が苦手だって思っても、1回Caratに行ってみたら案外行けるなって思うんじゃないかと思います。
オーナーも楽しめるイベントにしていきたい
ーー今後やっていきたいことがあれば教えてください。
Vorufu 今後は、企画をやっていきたいと考えています。今は、ショッピングモールを自由に回ってもらう形にしていますが、別にオーナーが先導する形でツアー形式をやってみようかなって考えています。もう1つは、オーナーの人柄をより掘り下げる配信を考えています。
ーーオーナーを掘り下げることで話しやすくしたり、固定客を作る試みはすごくいいと思います。現状だとファンや固定客というのはいたりしますか?
Vorufu 今もいらっしゃってすごく嬉しいですが、ぜひたくさんの店舗があるので他の店舗にも行ってほしいと思っています。最初にお声掛けしていますが、最大でも1店舗20分まで滞在してほしいのとなるべく全部の店舗に行ってほしいと考えていますね。
やっぱり、Caratのイベントは、オーナーの協力あって成り立っているのでオーナーも楽しめるイベントにするためにお願いします。
enu VRoid衣装・3D衣装・アバター専用衣装じゃないから着せられないって諦めてた人に自由なファッションができるように環境を作っていきたいなって思います。
ーー最後に記事を読んでいる人に向けてひとことあればお願いします。
Vorufu 7月にちょっと雰囲気が違うなって思うぐらいに改装予定なので楽しみにしていただければと思います。ぜひ、来たことのない人は来てください。
enu 何回来ても楽しめるように、毎月ごとに季節にちなんだものを取り入れていまして、6月にはあじさいを置いたりしています。ファッションに興味がある人は、自撮りも積極的にすると思うので満足できるようなフォトスポットを置けたらと思っています。
ーー今回はありがとうございました。
enu Vorufu ありがとうございました。
今回の特集を通じて、Caratに携わるスタッフやオーナーは、アバターのファッションに愛情があり、ファッションに対して意欲が掻き立てられました。もしもアバターに着せる服に悩んだら、Caratに行ってみるのはいかがでしょうか。
●参考リンク
・Carat(Twitter)
・Carat公式サイト
Vorufuといいます。イベントの運営はCaratが初めてになります。VRChat自体は、3年ぐらいやってます。