【設定編】スペースドラッグ機能を使うためのボタン割り当て
次に、この記事のメインである「スペースドラッグ機能(空間をつかんで移動する機能)」を使えるように、コントローラーのボタンを設定していきます。
OVR ASの基本設定を開く
SteamVRを起動します。

「ライブラリ」から「ADV」のアイコンが目印のOVR ASを選択し、起動してください。

起動すると、SteamVRのメニュー下部に「ADV」のアイコンが増えるので、それを選択します。

スペースドラッグ機能を有効にする
設定画面の左側にある「Motion」を選択します。

「Space Drag」の項目にある「Left Hand」と「Right Hand」にチェックを入れてください。 これは、左右どちらの手でもスペースドラッグ機能を使えるようにするための設定です。今回は、両方の手にチェックを入れた前提で進めます。

各コントローラーに機能を割り当てる
左上の「←」マークから前の画面に戻り、「Bindings」を選択してください。

左側の「Joystick」の「+」を選択。

表示されたメニューから「ジョイスティック」を選びます。

「クリック」の項目にある「なし」という部分を選択してください。

機能の一覧から「lefthandspacedrag」を選択します。 これで「左手ジョイスティックの押し込み」で「スペースドラッグ」が発動するようになります。

続いて、移動した位置を一瞬で元に戻す「リセット機能」を割り当てます。
左側の「X Button」の「+」を選択。

「ボタン」を選択します。

「詳細オプション」を開き、「長押し」の項目にある「なし」を選択します。


機能の一覧から「resetoffsets」を選択してください。 これで、「Xボタン長押し」で「位置をリセット」できるようになります。

これで左コントローラーは設定完了です。
右コントローラーの方も同様に設定していきましょう。
右側の「Joystick」の「+」から同様に「ジョイスティック」を選びます。

「クリック」の項目から「righthandspacedrag」を選択してください。

これで右手でも左手と同じようにスペースドラッグができます。続いて、リセットボタンも設定しましょう。
右側の「A Button」の「+」から「ボタン」を選びます。

「詳細オプション」から「長押し なし」の「なし」を選択します。

「resetoffsets」を選択します。
これで右コントローラーも設定完了です。
「resetoffsets」を設定しておかないとOVR ASを使った後に元の位置に戻れず困ってしまいます、必ず割り当てておきましょう。
最後にJoystick、X Button、A Buttonのチェックマークを押して設定の保存を確定させます。

設定の完成形の写真は以下の2枚になります。


これでOVR ASのセットアップは完了しました。
OVR ASで何ができる?便利な「スペースドラッグ」機能と活用シーン
今回の設定で、ジョイスティックを押し込むと高さ調整、XボタンまたはAボタンを長押しすると位置リセットができるようになりました。
スペースドラッグ機能
ジョイスティックを押し込みながら腕を動かすと、その方向にすーっとアバターを移動させることができます。 例えば、腕を上から下に動かすと、アバターが浮き上がります。

今回の設定ではジョイスティックを押し込むと高さ調整、XボタンもしくはAボタンを長押しすると位置リセットになるように割り当てました。
両手で使う想定でセットアップしたので、仮に片方のコントローラーが故障しても使えるようになっています。
このスペースドラッグを使用するタイミングとして以下のタイミングが考えられます。
- VR睡眠で、ベッドや布団に対して寝る位置を微調整したい時
- 身長差のあるアバターと、目線の高さを自然に合わせたい時
- リアルで座ったり寝そべったりしたまま、アバターは立ち姿を維持したい時
- 集合写真などで、空中やローアングルから撮影したい時
VRChatの機能でもアバターの身長は変更できますが、OVR ASには「とっさの対応が可能」「床や壁を貫通して位置調整できる」といった多くのメリットがあります。
ただし、イベントやワールドによっては、制作者が意図しない場所に入れてしまう可能性もあります。マナーを守って使用しましょう。
使い始めは操作感に慣れないかもしれません、今回のセットアップの内容が使いづらいなと感じた人はボタン設定をカスタマイズしてみてください。
OVR ASはSteamにて920円で販売中です。
Githubからダウンロード出来るOVR ASは無料で使えますが、アップデートの度にインストールを行う必要があります。
元々はSteamでも無料で提供されていましたが、2023年4月15日以降はソフトウェアの開発環境を持続的に行えるようにし、機能改善に取り掛かるようにするため有料となりました。
アップデートの管理しやすさや開発者の支援のためSteamから購入するといいでしょう。
この記事では、OVR ASの「スペースドラッグ」機能でアバターの高さを自由に調整し、どんな身長のアバターとも目線を合わせられるようになる方法を紹介しました。
この機能はVRChatだけでなく、SteamVRで動作する他のVRゲームでも利用できます。 最初は操作に慣れが必要かもしれませんが、使いこなせばVRライフが格段に快適になるはずです。ぜひ試してみてください。