えも研初の長身アバター『ラムネ』発売記念インタビュー!えも研チームにアバター制作のこだわりポイントや制作秘話を聞いてみた

えも研チームにアバター制作のこだわりポイントや制作秘話を聞いてみた

12月24日に「えも研」より発売予定の『ラムネ』ちゃんをご存知ですか??

えも研といえば、『クララ』『コロネ』『アズキ』などのかわいいデフォルメちびっ子の女の子アバターで人気ですが、今回の『ラムネ』ちゃんは初の長身アバターということで、一体どんな子なのか気になっている方も多いはず。

今回は、自称「メタカル編集部で一番のちびっ子アバター好き」を自負する筆者がえも研チームに色々お話を伺いました!(今回のインタビューは開発中の12月上旬に実施しています)

『ラムネ』レビュー記事は下記記事をご参照ください

えも研アバターの可愛さの秘密と食べ物へのこだわりを感じるお話。えっ??コロネちゃんって羊なの!?


そもそも創作チーム「えも研」とは?

 ―「えも研」は創作チームと伺っていますが、普段はどんな体制で制作を進めているんですか?

m4ta2bi(以下またたび)

まずメインのモデラーでfutaba(ふたば)ですね

futaba(以下ふたば)

はい。 私がモデリング担当をしてます!

またたび

次に2Dデザイナーアートディレクターですね。このm1nm1n(みんみん)がイラストとかデザイン全般を担当してます。 キャラデザも全部みんみんです。 で、Serre(セレ)さんがモデリングと、あとギミックを担当してます。私が残りギミックとその他の裏方といいますか、アカウントの運用だったり、マーケティングをやっています

m1nm1n(以下、みんみん)

よろしくお願いします~!

Serre(以下、セレ)

よろしくお願いします~!

―これまでのアバター(『コロネ』『アズキ』『クララ』など)は、可愛さの中に独特な要素が散りばめられている印象があります。ああいった“えも研らしさ”は、誰がどうやって決めているんでしょう?たとえば、おなじみの表情とか、コロネちゃんはパンが取れたりしますよね。

ふたば

実は私たちもこんなデザインが生まれるとは思わなかったんです(笑)

またたび

こんなデザインになるとかって全然思わない(笑)

みんみん

最初、コロネちゃんは普通の羊の子だったので……


―えええっ、コロネちゃん、羊だったんですか!?

みんみん

はい。これは羊の角なんですよ。角がパンになっているっていう感じのデザインです

またたび

まず最初にみんみんがデザインを作って上げてくれて、みんなで結局これ本当に楽しいキャラなのかっていうのを話し合ったあとに、またみんみんがデザイン上げてきて、またみんなであれこれ話し合うと。

またたび

基本的にはそのキャラ一つ作るのに、まずデザインがあって、アバターを作ろうというよりも、そのアバターを作るために、みんなで話し合いながらデザインとギミック、どういうものがいいかっていうのが、徐々に固まっていく感じなので分担が完全にわかれてるってわけではなくてみんなで話し合いながら決めています

ふたば

うん。 やっぱり面白いのが、こちら的には合ってるよね。 デザイン1個出来上がりました、そこからすぐ全部モデリング、最後まで作り切り回すじゃなくて、作ってる途中でVRで動かしてみようって動かしてみたらなんかちょっとここ良くないなと思ったら、もうまたデザインから戻って、見直して作り直して、またVRで見てみたいなことを結構繰り返したりしますね

―じゃあ最初のラフ絵の時点と、今じゃ全然違うってことも……?

またたび

はい、もう見たら驚くと思いますけど、毎回全然違いますよ。実はワールドに展示されてるので、よかったら見てみてください

えもラボ(仮)クララとコロネの試着室 ワールドに展示されているラフ絵の数々。かわいすぎません?
またたび

これはちょっと他の話になるかもしれないですけど、元々はまず、「えも研のご飯」っていう概念がうちらの中にありまして。何か食べ物を使いたいなっていうのがあったんですよ。 もぐもぐするギミックを相互でできるようにしたらかわいいっていう発想のもとで、食べ物を何か仕込みたいんですね

ふたば

最初の頃、何かモコモコした服の中からアメが出てくるとか、そういう話がありました。 そのときも結局VRの操作性の中でどういうふうに動かしてあげたらかわいいかっていうところを結構話してたよね。 だからスカートの中から出てくるとか、 スカートがひらひらしたタイミングで落ちてくるとか、 具体的にアバターの挙動を考えてどう動かしてあげたらいいのか、アメがどうやって出てきたらいいのかって毎回話してんだよね。 それでどういうのがいいかっていろいろ考えた結果、最終的にここ(頭)がパンになったと……

(一同頷く)

―今だいぶ飛躍しませんでした(笑)?

ふたば

だいぶはしょったけど(笑)。そうですね。 これが頭にあるっていうのは実はかなりポイントで、やっぱりちょっと自慢なんですよ!
とにかく3点トラッキングしやすいっていうところもあって、顔の周りにそういった特徴があるっていうのはすごくいいデザインとしてまとまったよね。

24日発売の新作「ラムネ」制作秘話。どうして長身アバターを出そうと思ったのか??必見です

―突然『お姉さん系』アバターが「えも研」から登場したのでかなり驚きました。何故、頭身の高いアバターを作ろうと思ったんですか?

またたび

ありがとうございます。これまでえも研として3つアバターをリリースして、えも研といえば「あの顔」だったり、パンが取れる子とか、一定数の認知度みたいなのは得られたと思うので、その上で他のラインも挑戦してみたかったっていうのがあります。 えも研としては、実は低頭身だけにこだわってるってわけでもないんですよね。今回はそういう頭身の高いアバターにチャレンジした。 というところです

―デフォルメ系アバターとは作り方が違う部分も多いと思うのですが、「お姉さんタイプ」を作るうえで苦労した点はありますか?

ふたば

やっぱり圧倒的に出てる情報量が違うので、それをVRで耐えうる密度感に仕上げていくっていうのはデフォルメアバターと大きな違いになったなっていうのは思いましたね。

ふたば

モデリングしてても、デフォルメアバターって丸いシルエットで仕上げたりできるので、そこまで情報量は必要ない っていうところがあるんです。でも、ラムネちゃんの頭身だと、単純に身長が高いとその分皆さんが見る視点でのディテールも求められてきますし、えも研のデフォルメアバター側の素材も手の形状とかすごいこだわったけど、頭身が高いと、思ってたよりもさらにこだわらないといけなくて、もっともっとやんなきゃなっていうのは実際感じました

またたび

ラムネちゃんはもう外観はほぼ出来上がってて、あと細かい詰めって感じですかね

ふたば

一応ベースのモチーフはね、実はミズクラゲっていうかクラゲ全般みたいなやつです

―表情が結構やっぱりえも研らしさがある気がします。

またたび

SNSでもそういっていただけて、正直そこは安心しましたね

―やっぱ自分のところの作風っていうのがちゃんと守れているのかなって、やっぱ自分だと判断しにくい部分があるじゃないですか。

ふたば

そうなんですよね。 ポジティブな意見を聞けてよかった。最初結構不安だったもんね

またたび

やっぱねちょっと、いきなり長身アバターの子を出すから「えも研そっちか!」みたいに思われたんじゃないかなーとか……

ラムネちゃんへのこだわりを感じられるイチオシポイント。キーワードはぴちプリ。

―ラムネちゃんの「ここはぜひ見てほしい!」というこだわりポイントがあれば教えてください。とても身体のラインが細すぎず、太すぎずとてもきれいだと思いました。

ふたば

これはもう、これもう私としては手ですかね……指の造形はかなりこだわってますね。それとおっしゃられてるとおり、やっぱりちょっとVRで見ると華奢になりすぎるとちょっとね大丈夫かなって。とくに関節とかがね、すごく細くなって見えちゃったりとかするので、 割とちょうどいい質量に仕上げようっていうのはいつも思ってることなんですよ。

ふたば

自分の視点で見るのはやっぱり自分の手だけなのでなおかつどうしてもかなりアップになるっていうところもあって、やっぱり手にしっかりこだわるっていうのはすごい大事なポイントだなって思いますね

ふたば

あとは“ぴちプリ”ですね。 今回大事なキーワードとして言っていて、腰から太ももにかけてのラインとか、何でしょう。 ぽってりしすぎず、結構女性らしい味のあるシルエットみたいな感じで。私これすごい大事にしてるんです

またたび

あと膝ですよ。 膝ねめちゃくちゃいいんだよな~俺本当にすごい膝にこだわりがある

セレ

そうですね私がちょこちょこフルトラで入って動作チェックなどはよくしている感じになりますね。 なので、この膝の部分といいますか、リアルの膝の位置と、アバターの膝の位置が同じくらいの位置に来るよう意識しています

ふたば

実際、実はみんな人間じゃないんですよね。設定上の共通点を完全に一致させてるんですよ。 またたびが言ったように人間じゃなくて亜人でデザインしていって。  この後まだこれから開発していくところですけど、えも研のご飯がね、やっぱりあるので(笑)。それをちゃんとVR上でも、相互にご飯の食べさせ合いができるように組んだりする共通点がありますね

またたび

またこれもえも研らしさなのかもしれないんですけど、例えばコロネって、コロネっていう名前ですけど、コロネが出てこないですし、クララのタコとタコスって何も関係なかったりとか。地味に何か関係あるようで関係ないというか、今回のラムネもラムネは出てこないって感じです」

ふたば

実はこんぺいとうもモチーフになってまして、ここのブローチの中にも入ってます。今回はこういった砂糖を使った食べ物にまとめようと思っています

―「えも研といえば変顔」というイメージを持っているユーザーも多いですが、ラムネちゃんにも何か仕込んでいたりしますか?

またたび

またこれもえも研らしさなのかもしれないんですけど、例えばコロネって、コロネのあの顔……あの顔ですね。楽しみにしていただけると(笑)

ふたば

開発中でございます(笑)

―『ラムネ』でこだわった部分を、担当ごとにできる範囲で教えてもらえますでしょうか?

セレ

ギミックの方からいきますか。今はちょっとまだ開発中なので物自体が綺麗にできてるわけではないんですよね。眼鏡をかけられるようになっていて、こういうのは確か、ちょっとフレンドの言葉を借りると、イマーシブって言うんですが、イマーシブ……没入感のある操作で納得のある操作ができるように今ギミックを組んでおります

またたび

メガネをケースから取り出せるようにしたい。結構メガネ自体のモデルもこだわっています

―あみあみみたいな場所はすごくこだわられてるなと。

みんみん

一応ラムネちゃんはクラゲモチーフなので、衣装全体にクラゲっぽいチーフ入れ込んでるんです。だから眼鏡もどうモチーフ入れようかなって思い、クラゲっぽい螺旋っぽいイメージを入れてみました

「えも研」のこれからの展望について。

 ―今後作ってみたいアバターや、考えている企画があれば、公開できる範囲で聞いてみたいです。

またたび

まだ開発中ですけどやっぱり新しいこの素体が出来たんでもっとこの二つの素体のラインにもっと展開していきたいなっていうのはあるのと、あとはフィギュアとかぬいぐるみとか作りたいですよね

 ―最後に、このインタビュー記事を読むユーザーや、えも研ファンのみなさんへ一言お願いします!

またたび

普通な感じですけども、やっぱり皆さんが使っていただいてる姿とか、すごい励みになっているので、これからもよろしくお願いします

ふたば

やっぱりVRChatならではですよね。改変して、何か着替えた写真をSNSに上げてくれたりとか。作り手側としても、なかなかユーザーさんに直に遊んでもらう体験って、VRChatとかこのアバターの文化でしか味わえない楽しみだったりするので、やっぱりモチベーションになりますね

―ありがとうございました!