みなさん、VTuberの「エンジンかずみ」さんをご存じでしょうか?
もしかすると、名前は知っていなくても、「VRChatで皆のやばいエピソード聞いてたらとんでもない奴いた…」のような動画を見ると、ピンとくる方も多いかもしれません。
「VRChatで100人に街頭インタビューをする」。そんな今まであったようでなかった新しいスタイルが、にわかに注目を集めつつあるエンジンかずみさんですが、実はYouTubeへの動画投稿を始めたのは、5年も前になる2018年からなんです。
もともとは、物理エンジン系VTuberとして様々な検証動画を投稿していた彼が、どうして「VRChatで街頭インタビュー」動画に方針を転換したのか、『VRChat』にはいつごろから関心を持っていたのか、そもそも活動を始めた理由は?などなど。今回は、最近注目のエンジンかずみさんの来歴に迫っていきます。
思い悩んでいたところにインタビューをやることにした
――本日はよろしくお願いします。さっそくですが、もともとは物理エンジン系の動画をあげてきていたそうですね。最近になって、『VRChat』関連の動画が増えていますが、この方針転換には何かきっかけがあったのでしょうか?
YouTubeを始めたのは2018年頃だったんです。その頃は、アニメやマンガなどに出てくる設定を、実際にUnityなどの物理エンジンで再現してみたらどうなるんだろうという検証動画がメインでした。最近だと、2023年4月に投稿した『ブルーロック』というマンガをネタにした動画が、『TikTok』ですごくバズったんです。
ただバズったはいいものの、あまりチャンネル登録者数に繋がらなかったり、他の動画が伸びなかったりという悩みがありました。「ブルーロックの検証」は見てくれても、「エンジンかずみ」自体や「自分の物理エンジン動画」にはファンが付いてこなかったんですよね。そこで自分のやり方をこのまま続けることに、ちょっと自信が無くなったって感じですね。
『VRChat』自体は昔からやっていて、動画や生放送などでもたまに扱ったりしていました。そんな悩んでる時、生放送でなんとなく『Japan Shrine』に行ったんですよね。それで、たまたま中国人のユーザーさんから、「中国人コミュニティにもお砂糖がある」と聞いて「こういうVRChatの文化に焦点を当てるのも面白いかもしれない」って思い立ったのがインタビュー動画を撮ることにしたきっかけですね。
物理エンジン系の動画も両立したいなとは思っているのですが、今のところは時間が足りなくて、インタビューが中心になっていますね。
ーー最初はどのようなことを聞こうとしたのですか?
インタビュー動画をやろうと思い立ってから、最初に100人に「VRChatプレイヤー100人のお砂糖経験率調査してみた」という企画をやってみました。
「お砂糖」とは、主に「VRChat」の日本コミュニティ圏で使われている俗語。パートナーや恋人、さらにはそうした関係などを指す言葉です。
ーーエンジンかずみさんと聞くと、「VRChatにいるヤバい人」シリーズを思い浮かべる人は多いと思います。これは、どのような経緯で制作したのでしょうか。
実はお砂糖調査の企画の時に、他にも色々質問をしていて、「ヤバい人のエピソード」はその中の一つに過ぎなかったんです。ですが、他の質問の100人分のデータをまとめる動画は結構大変で、比較的編集や構成を練るのが簡単な「ヤバい人のエピソード」を最初は多く出してた…という訳です。
自分の中では「100人インタビューの人だ!!」って言われるつもりだったのに「ヤバい人エピソードの人だ!」って言われるようになってしまって…そこは正直最初思っていた方向と違いました。
ーーインタビューって毎回聞いているわけではなく、1度にいくつか質問しているのを分割しているんですね。
そうですね。なので、VRChatにいるヤバい人のエピソードを100人分持っていることになります(笑)
VRChatを知ったきっかけはミライアカリ
ーーそもそもVRChatを知ったきっかけはなんでしょうか。
もともと、VTuberやVR自体が、みゅみゅさんやねこますさんの影響で知ったんです。それで、面白そうだなと思って、2018年に私も活動を始めました。
ーーすごい、2018年というとVTuberの中でもかなり初期だ
活動停止していた期間もあって、また今年から活動を再開したんですけどね。『VRChat』はその流れで、ミライアカリさんの動画で知って、初めて見たんです。
――エンジンかずみさんにとってVRChatの面白いところはどこでしょうか
さまざまなバックボーンを持った人と話すのが楽しいですね。いろんな人と話すのが好きだからこそ、インタビューをしているところはあります。
ーーたしかにいろんな人と話していて苦にならないからこそ100人にインタビューできるわけですもんね。動画の題材はどのようにして選んでいるのでしょうか。
自分が気になったことを中心に選んでいます。たとえば、「なぜVRChatには美少女アバターが多いのか」とかですかね。最近は生放送だと自分もナユちゃんというアバターになっていますけど(笑)
あとは、初心者からヘヴィーユーザーまで幅広く見てもらえるような内容にするように心がけています。
ーー実際のところ、動画を見ている人はVRChatをやっている人が多いのでしょうか。
正確なデータはないのですが、動画のコメントや配信をみるとVRChatをやっている人が多い印象です。あと結構「VRChat内でフレンドさんと一緒に見てる」という声も多く頂きますね。
ファンは着実に増えてきている
ーーVRChatの動画投稿半年を続けて、知名度が上がってきたと思いますがいかがでしょうか
以前、ブルーロックの動画やTikTokでバズったときに『VRChat』で知名度調査をしたことがあるんです。その時は、ほとんど知られてなかったですね……(笑)
ですが最近同じように知名度調査を行ったところ、知ってくれてる人がかなり増えてて、凄い嬉しかったです。再生数で言えばまだまだなのでそんなに実感ないですが、色んな人に見てもらえてるのかなとは思います。「動画にフレンドさんが出てるから見ました!」という方も結構多かったです。
ーー自分のフレンドが出ていると聞いたら気になって動画を見たくなりますよね。最後に今後の展開についてお聞かせください
有名なクリエイターさんやワールドを取り上げるのもいいのですが、まだスポットが当たっていない凄いクリエイターさんやワールドなんかも紹介出来たらと思います。あとは、できるのか分からないですが、物理演算を活用したワールドを作りたい気持ちがありますね。
ーーありがとうございます。インタビューは以上です。
VRChatをやっている人もやっていない人も楽しめるコンテンツを作っていくので、今後もよろしくお願いします。
エンジンかずみ(VRChat系Vtuber)
2018年3月にYouTube初投稿。「Unity」「Blender」「Kinect」などを用いた物理演算系検証動画を得意としており、アニメやマンガを題材とした必殺技などの再現検証動画を投稿していた。一度は活動を休止するも、2023年より再開。同年6月頃より、「VRChat」関連の動画を多数投稿する。YouTubeのチャンネル登録者数は9000人超え。HTC VIVE JAPAN公式「第6期VIVEアンバサダー」。
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