ぽこピーランドが公開されてからの1年を振り返る。「みんなの」ぽこピーランドについても考えてみた

2024年3月26日にVRChatのワールド『PokoPeaLand』(以下、ぽこピーランド)が公開してから1周年を迎えました。

ぽこピーランドは、『甲賀流忍者ぽんぽこ』(以下、ぽんぽこ)と『オシャレになりたい!ピーナッツくん』(ピーナッツくん)の2匹組『ぽこピー』による夢のテーマパーク。VRChatのワールドの中でも最大規模のボリュームを誇り、ピーナッツくんのミュージックビデオを再現した「ピーナッツくんのグミコースター」や本格的なホラーアトラクション「ピ虐研究所」などのアトラクションがあります。

そんなぽこピーランドが1年で何をしてきたのか。1人のライターであり、1人のぽこピーファンから見た「4つの接点」を通じて語っていきます。最後には今後のアップデートで発表されている「みんなの」ぽこピーランドとは一体何か、自分なりの考えをまとめていきます。

ぽこピーの歴史との接点

ぽこピーランドは、ぽこピーのこれまでが詰まっているワールドです。その詰め込み具合は、ぽこピーを知っているほど驚くほどです。ショートアニメからも、かなりの数が元ネタとして出されています。

ぽこピーランドを作っている人たちがめちゃくちゃこだわっているのが伝わるオブジェクト
エイプリルフールに突然耳垢の悪魔が出たときは、制作陣の熱量を感じました

では、ぽこピーを知らない人たちは楽しめない、内輪ネタを感じるかと言われると違うでしょう。元ネタを知らなくても楽しめるほど、アトラクションのクオリティが高いので気になりません。

またぽこピーを知らない人に知ってもらうための取り組みを行っており、ワールド内にはこれまでの活動がまとめられた場所や元ネタとなる動画を見られるようにタブレットが出せます。

ポップアップストアなどで活動の歴史が展示されているのは珍しいことではありませんが、常設できる形で展示されているのはそうないでしょう。ぽこピーランドは、「いつ」ぽこピーが好きになっても歴史を追える場所でもあるのです。

VTuberとVRChatの接点

ぽこピーランドの公開によって起きた出来事。VTuberがVRChatに来るきっかけを与えたことでしょう。ぽこピーランド開園時は、ぽこピーと縁のあるVTuberが来場する配信や動画がありました。また園内には、同じく縁のあるVTuberの立て看板が置かれています。

ですが、本領はワールド公開後です。ここからさまざまなVTuberがぽこピーランドを訪れ、中にはVRChatに来たばっかりの人もいました。個人的にはVRChatに来たことのない人が来てもらえるのは、最高に意義のあることだと思っています。

黎明期はともかく、VRChatとVTuberは接点があるようで意外とない組み合わせです。最近では、ぽんぽこ24などでVRChat発のクリエイターが多くの人の目に露出する機会もありますが、あると断言するには微妙でしょう。

普段のぽんぽこチャンネルの動画やぽんぽこ24では、VRChatについて知っても、行ったり動画を出したりアクションに移せるのかと言われると不明瞭なところがあります。ですが、ぽこピーランドは確実に行っている人や動画を出す人を出しました。

VTuberがVRChatで何か動画を出すときにネタとなる場所をぽこピーランドは確実に作ったのです。

ぽこピーファン同士の接点

VRChatのワールドが定期的にアップデートされることは、なかなかにレアです。どうしてもワールドの話題性は公開時に集中して、1週間でも経て忘れ去られてしまうのもおかしくありません。

その中でもぽこピーランドは、定期的にアップデートを繰り返してきました。アップデート内容は、ぽこピーのポップアップストアなどのリアルイベントに連動したものから、ぽんぽこ24などのイベントに合わせた特設の遊びまであります。

中でもファン同士の交流で面白かったのは、ゴールデンウィークで行われた「たこやKING」でしょう。期間限定で置かれたたこ焼きをワールド内にあるポイントを獲得することで大きくしていくイベント。

本来想定していた100万枚を超えて、1億枚を達成しました。筆者も1億枚を達成したインスタンスに行きました。VRChatのシステム上、インスタンス内に誰もいなくなったら消えてしまうため、イベント中はリレー形式で誰かが居続けるといった連帯感が生まれていたのを覚えています。

リアルイベントと連動した取り組みは、実店舗に行けないファンにとっても楽しめる機会を与えます。また、普段は会うことが難しいであろうファン同士の交流の機会にもなるでしょう。

サンリオVfesとの接点

2月から3月まで開催された『SANRIO Virtual Festival 2024 in Sanrio Puroland』(以下、サンリオVfes)において『ぽこピー × 狸豆建設』としてパフォーマンス出演しました。

パフォーマンスでは、サンリオVfesの舞台であるバーチャルピューロランドをぽこピーランドが乗っ取る形で披露。狸豆建設がクレジットされているのは、ぽこピーランドを作ってきた世界観を尊重しているからでしょう。

先程述べた通り、VRChatのワールドでアップデートを続けることは稀です。そして、制作チームを抱え続けていることも珍しいことです。

制作チームを維持し続けているから、サンリオVfesでぽこピーランドを持ってくることができたのでしょう。世界観を大事にし続けているぽこピーだからこそできたのが、サンリオVfesでのパフォーマンスでしょう。

「みんなの」ぽこピーランドとは一体何か

ぽこピーランド1周年のアップデート第3弾にて「ついに来た?!みんなのぽこピーランド!」と書かれています。

ここまで語ってきたことが、ある種「みんなの」ぽこピーランドである由縁を説明していると思いますが、どのようなアップデートか考えてみましょう。

といっても、シルエットで隠されているものにヘッドセットとスマートフォンのようなものが見られます。これはAndroid(Quest)対応したワールドが出るのかもしれません。

ぽこピーランドに来たいと思っても、パソコンを持っていないから来れない人がいてもおかしくありません。未だに来ていない人にぽこピーランドを来てもらうためには、ハードルを下げることは考えられるでしょう。

実は開園当初でもAndroid(Quest)対応したワールドは出すアナウンスをしていました。1年経って、ようやく実現したとも言えます。

とはいえ、大ボリュームのぽこピーランドをどうやってAndroid(Quest)対応したワールドにするのかは制作に関わっている狸豆建設の腕の見せ所です。既存のぽこピーランドをエリアごとの分割するのか、独自の新ワールドを作るのか。どのようにして「みんなの」ぽこピーランドをお届けするのか注目です。

また4月25日には、SHIBUYA TUTAYAでぽこピーの期間限定ショップ「POPIYA」がオープンします。これまでもリアルイベントとの連動してきたぽこピーランドは、今回も何かしらのタイアップを行うかもしれません。1周年のアップデートとともに注目です。

1年経っても勢いを落とすことなく展開し続けているぽこピーランド。これからもアクセル全開で「攻め続ける」のかもしれません。ぜひぽこピーランドの1周年アップデートを一緒に楽しみましょう。