VRChat向けのアバターや衣装などを購入し、アップロードしようとしたとき、「あれ?何かやらかしたかも?」と思ったことはありませんか?
思った通りにセットアップできない。もう一回段取りをやり直してみても、上手くいかない……
そんなとき、購入したBOOTHショップへお問い合わせをすることで、問題が解決することがあります。制作者へ直接聞くことで、あなたは悩みを解決でき、制作者も問い合わせからユーザーが困っていることを知り、修正・改善を決めるきっかけになることも。
それによって、あなたが自力で解決したときよりも、多くの人の悩みを解決し、さらに今後商品を手に取る人の悩みを、事前になくすこともできるかもしれません。
とはいえ、基本的にBOOTHショップは個人で運営されています。そのうえ、趣味で運営している場合もありますし、本業として運営している人でも、お問い合わせ対応に時間を取られるのは悩みものです。その時間があれば、制作などに時間を割けるはず……
そこで、ユーザーとして気をつけたいのは、ショップへのお問い合わせの仕方。もしかすると、あなたの抱える悩みは自己解決できる場合かもしれません。また、お問い合わせに際してのメッセージを一歩間違えると、問題解決どころかトラブルに発展することもあります。
しかし、そうしたリスクは、事前確認や心がけで、未然に防ぐことができます。
本記事では、BOOTHショップへお問い合わせをする前に確認しておきたいことや、お問い合わせ時に気持ちよくやり取りができる方法をお伝えします。「お問い合わせは送らないほうがいい……?」と思う前に、ぜひご一読ください!
お問い合わせ前に確認しておきたいことのチェックリスト
制作者に聞かずとも解決できることを問い合わせされても、多くの制作者は困ってしまいます。ですが、購入者にとっては現に悩んでいるのは事実です。
そこで、以下に「お問い合わせ前に確認しておきたいこと」をチェックリストとしてまとめました。項目ごとに「なぜ確認する必要があるのか」も書いてあるので、合わせて確認してみてください。そもそも聞く前に解決できるのが、あなたにとってもハッピーです!
- 動作環境は、想定されている環境で正しいのか。バージョンが合っているのか確認しよう。
- 商品説明などで書かれている説明・注意事項はちゃんと確認しましたか?
- 利用規約・FAQは確認しましたか?
- ツールの操作は正しく行いましたか?
- アバター・衣装の導入は、シェーダー→マテリアル→3Dモデルの順になっていますか?
- 明言されているのに、”念の為”聞こうとしていませんか?
動作環境は、想定されている環境で正しいのか。バージョンが合っているのか確認しよう。
動作環境が制作側の想定されている環境であるか確かめましょう。たとえば、新機能を活用した要素が含まれている場合、バージョンが特定以上でないと動作しない可能性があります。
特にバージョンをチェックしておきたいのは、「Unity」「VRCSDK」「Modular Avatar」の3点です。
バージョンの確認は、VCCを導入していれば簡単に確認でき、バージョンアップも簡単です。基本的には最新環境を維持するようにしましょう。
なお、現在は衣装着せ替えは「Modular Avatar」を用いたセットアップが主流となりつつありますが、別の着せ替えツールを想定している場合もあり得るため、どのツールに対応しているかも確認しましょう。
商品説明などで書かれている説明・注意事項はちゃんと確認しましたか?
商品の仕様や注意事項、ユーザー側に設定してもらいたいことは、商品説明などに書かれている場合があります。書かれていることを読まずに購入し、問い合わせするのは、お互いにとって苦労にしかなりません。しっかりと読んでおきましょう。
たとえば、アバターの衣装を着せる場合に、シェイプキーの設定をしてもらいたい場合は、説明画像などが添付されている場合があります。また、胸のシェイプキーについても、どこまでのサイズに対応しているのか、PhysBoneの胸揺れに対応しているかも確認するといいでしょう。
衣装の仕様については、ショップによってどこまで書かれているかは変わってきます。商品説明などに記載されていないと分かったタイミングで、お問い合わせを検討しましょう。
利用規約・FAQは確認しましたか?
商品ページやショップページにある利用規約とFAQは確かめましたか?全てのショップにあるとは限りませんが、ユーザーに適切な対応をしてもらいたいと考えているショップならば、ほぼ確実に用意されています。お問い合わせをする際は、これらを事前に読んだ上で行いましょう。
ただし、利用規約などの記載が商品ページなどになく、商品に同梱されているため事前に確認できない場合もあります。その場合はお問い合わせするのがいいでしょう。
商品以外の操作についてお問い合わせをしていませんか?
アバターのアップロード方法やアバター改変のやり方についてお問い合わせしても、商品に関することではないお問い合わせなので、制作者も対応に困ることがあります。
一方でアバター改変に慣れていない人にとって、今あるトラブルが商品の不備なのかUnityなどの操作の問題なのかも分からないのも事実です。商品以外の操作についてのお悩みは、メタカル最前線の記事で解決できる場合があります。下記の記事を一通り確認して、悩みが解決できないか確かめてみましょう。
また、VRChatでやっている人に聞いてみるのもオススメ。その際は、後述するお問い合わせするときのメッセージの項目を踏まえたうえで、やり取りするとスムーズに進められると思います。
聞ける相手がいない場合は「アバター改変なんもわからん集会」のイベントやDiscordサーバーや、VRC-JPなどのコミュニティに入ることをオススメします。
アバター・衣装の導入は、シェーダー→マテリアル→3Dモデルの順になっていますか?
アバターや衣装でよくあるトラブルに、何回入れ直してもアバターや衣装がピンク色になってしまうことがあります。その場合は、シェーダー、マテリアル、衣装の3Dモデルの順番に入れているか確かめましょう。
以下では、知識として知っていても起こり得るミスを3つ紹介します。
1つ目は、新規プロジェクトにシェーダーを入れ忘れているケース。シェーダーはプロジェクト作成時、一番最初に設定しておくことを推奨します。VCCであれば、lilToonなどはプロジェクト作成時に導入設定をすることもできます。
2つ目は、指定されたシェーダーが入っていないケース。商品説明で使用シェーダーをよく確認し、入手・導入しましょう。商品によっては、アバターや衣装に同梱される形で入っていることもあります。
3つ目は、マテリアルと3Dモデルが別のデータとなっている商品で、かつマテリアルを先に入れていないケース。この場合は、先にマテリアルから入れるようにしましょう(マテリアルと3Dモデルが同じデータとしてまとまっている場合は、シェーダーの後の導入で問題ありません)。
マテリアルと3Dモデルが別々のデータとして配信されているのは、アップデート時の差し替え作業をしやすくするためなどを目的とした、ショップ側の工夫です。ショップごとにデータの扱い方は異なりますが、採用例の多い方式なので頭に入れておきましょう。
明言されているのに、”念の為”聞こうとしていませんか?
利用規約などにはっきりと文章で書かれているののにもかかわらず、不安なので”念の為”聞こうとしていませんか?
もちろん、利用規約などで言葉の定義が曖昧なときなど、トラブル防止のために聞くことは悪くない場合もあります。
しかし、はっきりと問題ないと明言しているのにもかかわらず、単に不安だからと問い合わせると、逆に相手の負担となる場合があります。問い合わせるかどうか、一度考えましょう。
お問い合わせするときのメッセージで押さえておくべきポイント
事前確認ポイントをチェックしても解決できない場合は、ショップへお問い合わせをしましょう。今回は、VRChatユーザーで、バーチャル読モとして活動中のにゃるきーちゃん!の投稿をベースに、お問い合わせ時の聞き方についてポイントをまとめていきます。
大前提として、言葉遣いは気をつけましょう。仮にデータ不備などの過失があるとしても、お問い合わせ相手に怒りをにじませるのは無用なトラブルを招く可能性があります。あくまでも、今抱えている問題の解決をするための手段としてお問い合わせをしているはず。お願いしたいアクションを気持ちよくやってもらったのがお互いのためです。怒っている場合でも、文面上では感情を抑えることをオススメします。
お問い合わせ内容によって、当然のことながら書く文面は異なります。今回はアバターや衣装、ギミックなどを購入した後に不具合が発生したケースを想定して進めます。
・購入番号
・Unity、VRCSDK(その他前提ツール類)のバージョン
・イメージしていた動作と実際に起きたトラブルの説明
まず、有料商品の場合は購入番号を記入することをオススメします。BOOTHのメッセージ機能を活用する場合は問題ありませんが、そもそも正規で購入もしくはギフトでもらっているか確認するためです。
次に、「Unity」、VRCSDK、「Modular Avatar」などのバージョンを共有しましょう。先述した通り、想定した制作環境のバージョンに合っているかを確認するための材料であると同時に、不具合の原因を特定するための手がかりになります。
最後に、「イメージしていた動作」と「実際に起きたトラブル」を説明しましょう。特に、「実際に起きたトラブル」については、行った操作の内容と、実際に起きた現象を、可能な限り詳細に伝えましょう。
お問い合わせに至るような不具合は、基本的に「イメージしていたものと実際に起きたもののズレ」だからです。そもそもあなたはどういった挙動をイメージしていたかを伝えることは、相手にとっても解決案を提示しやすくする判断材料となります。
メッセージでのやり取りを繰り返すのは負担になります。調べるうえで必要となる情報は、最初の段階で用意しておくとスムーズに進められます。
問い合わせの返信があったら
問い合わせの返信があり、それを試して自分の環境で問題が解決したからといって、そこで終わりではありません。
製作者側はあなたから質問を受けて回答をして、解決したかどうかわかりません。
他にも同様の問い合わせをしてくる方々がいる中で、時間をかけてあなたの問題の原因を考えて、返信したら音沙汰がなくなり、結局解決したのかしていないのかわからないという場合が意外にも多いと聞きます。
「〇〇の方法で解決しました、ありがとうございます。」と結局何が原因だったか伝え、解決してくれた製作者へ感謝を伝えましょう。
その他、何かトラブルが起きてお問い合わせをする際は、この記事に書かれている内容を参考にしてみてください。
・にゃるきーちゃん
・Cornetさん(ショップ)
・うぃずさん(ショップ)
・なとりさん(ショップ)