”250万円のメタバース”続報 群馬県メタバースワールド事業の制作事業者が決定、展示アート作品を募集開始

群馬県は8月26日、同県による「VRChat」「cluster」など既存プラットフォームでの運用を想定した「メタバースワールド事業」に関して、公募審査の結果、制作事業者を株式会社スピードに決定したことを発表。また、同県に在住・在学の小中高校生を対象に、同ワールドへ展示するアート作品の募集を9月より順次開始します。

ワールドイメージ図の画像
ワールドイメージ図(完成12月予定)

”250万円のメタバース”として公募企画が話題に

同事業は、今年6月に「メタバースワールドの企画・作成・運営」業務を行う制作事業者の募集を始めました。予算は上限を250万円としており、法人・個人を問わず応募を受け付け。また、「VRChat」や「cluster」など複数既存プラットフォームでの運用を想定するなどといったことから、ソーシャルVRコミュニティの間でも大きな話題を呼びました。

民間審査員にバーチャル美少女ねむ氏・蕎麦屋タナベ氏ら

今回のワールド制作に係るプロポーザルでは県職員のほか、メタバースに精通する民間審査員を迎えていたことも発表。

民間審査員には、著書「メタバース進化論」などでも知られるVTuber・メタバース文化エヴァンジェリストのバーチャル美少女ねむ氏、VRChat内のイベント・ワールド制作などで知られるVR蕎麦屋タナベ氏、一般社団法人XRコンソーシアム若山理事ら3名が選出されました。民間審査員は今後も、制作にあたってのアドバイスなどにあたるとのことです。

ワールド制作事業者として選出されたのは株式会社スピード。「デジタル×エンタメ」「どんなことでもおもしろく」をテーマに3DCG、VFX、2Dなど幅広い技法を使い、 エンターテインメントコンテンツを作り出すクリエイティブカンパニーです。

以下に、民間審査員による本事業へのコメントを掲載します。

民間審査員3名による本事業へのコメント
  • VR蕎麦屋タナベ氏:
    子供たちがデジタルの世界で想像力を解放し創作できるよう機器や場所、そしてメタバースという世に発表する部隊まで提供する群馬県の取り組みは本当に素晴らしいと思います。微力ながら参加できたことを嬉しく思います。今回選ばれたワールドのデザインはワクワク感、今後の拡張性、ウェブサイトと連携など素晴らしいアイデアでした。
  • バーチャル美少女ねむ氏:
    メタバースの住人目線で、実際にワールドに行きたくなるか、ワクワクするか、という観点で審査に参加させて頂きました。現実と仮想世界を繋ぎ地域のクリエイティブの促進する今回の試み、とても楽しみにしています。
  • XRコンソーシアム 若山理事:
    群馬県の小中高校生が制作した作品がメタバース上のワールドに展示され、世界中の人々がそれらの作品に触れられる機会が作られるのは素晴らしいことだと思います。この機会が、小中高生の皆様がデジタル作品を楽しく制作するきっかけになることを期待しています。

群馬県在住・在学の小中高校生を対象 アート作品を募集!

同県では、デジタル技術を使って新たな価値を生み出すデジタルクリエイティブ人材の育成と創作活動がしやすい土壌作りを全県的に進め、「ぐんまのクリエイティブ拠点化」に向けて取り組んでいます。

そんな同県による小中高生を主な対象とした全国初のデジタルクリエイティブに特化した若者人材育成拠点が「tsukurun-GUNMA CREATIVE FACTORY-」です。アニメやゲーム(eスポーツ)を題材に、3DCG、ゲームプログラミング、VR等のデジタル技術を使った創作活動を通し、新たな価値を生み出す人材の育成を目的としています。

今回の「群馬県メタバースワールド事業」では、この「tsukurun」利用者による2DCG・3DCGなどを用いたアート作品を募集、これを展示するワールドを制作するとのことです。募集は9月から順次スタート。応募方法は、同施設スタッフに相談してください。

●参考リンク
プレスリリース

ABOUT US
アシュトン「メタカル最前線」初代編集長
2021年3月より「VRChat」はじめソーシャルVR/メタバースの魅力を発信するメタバースライターとして活動。週100時間以上仮想空間で生活する「メタバース住人」として、AbemaTV「ABEMA PRIME」、関西テレビ「報道ランナー」、TBS「サンデー・ジャポン」ほか多くのメディア取材を受ける。2022年4月に「メタカル最前線」を創刊。