3月22日、あの宇宙人ニックから、彼が主催するあるイベントの情報がメタカル編集部に届きました。招待されたDiscordサーバーは「たまLab.」。どうやら、「2on2のダンスバトルイベント」らしい。優勝賞品は、BOOTHショップ「V WORLD」の全商品から1つを自由に選択できるとのこと。


ニックが主催のダンスバトルイベント?
というか、Discordのメッセージも全部絵文字なのか!
など、戸惑いを持ちつつ、当日のイベント会場へ向かうと……。そこでは、和気あいあいとしつつも、バチバチなバトルを繰り広げるインターナショナルなVRChatダンス勢たちが集まっていました!
「たまLab.」ってなに?
「たまLab.」は、「Danceをより深く、より楽しみたい人たちのたまり場」をコンセプトに、2024年1月より発足したVRChatを拠点とするダンスコミュニティ。
メタカル最前線でも、何度か取り上げているDancer VTuberの海夏青(わたつみ なつせ)さんが代表を務めています。毎週水曜日に開催しているダンスサイファーイベントを始め、オンライン/オフライン関係なくお互いのイベント告知や、ダンス練習の誘いなど、幅広く活動。さらには今回のようなお互いのダンススキルを披露しあうバトル、ショーケースイベントなどを開催しています。
ニックとの繋がりは?というと、もともと定期開催となるダンスサイファーイベントに参加してくれていたそう。今回、MCを任されたJackknifeS2さんによると、いつも通りダンスサイファーしていたらいきなりニックが「MC あなた!」と、ジェスチャーしてきてやることが決まったとのことです。

個性とスキルで殴り合う!迫力あるダンスバトル
さて、今回のダンスバトルは「2on2」。各チームが2人組のコンビを組み、1人40秒ずつ2ターン制でDJのサウンドに乗せてダンスを披露します。ダンスジャンルは「ALL STYLES」。ロッキンや、ブレイクダンス、ポッピングに、ハウスなどなど、なんでもあり。ニックが審査員を務め、2ターン終了後に、ジャッジをするシステムです。
ちなみに、今回DJを担当したのは、Wrexxさん。対戦カードごとのダンスジャンルにも合わせて、様々な曲をかけて、バトルを盛り上げていました。
さらに、エントリーは自由度が高く、複数チーム出場も可。給湯器ぽっとさん(計3チーム出場)、UbiFixYourGameさん(計3チーム出場)など、なんなら連続試合がある参加者もいて、コミュニティ内イベントならではの和気あいあいとした雰囲気が漂っていました。
しかし、それも試合が始まるまでの話。いざ、DJが曲を回し始めれば、個性とスキルがぶつかり合う迫力あるバトルが繰り広げられます。全20試合もあったため、ここからは写真を中心に、特に筆者の印象に残ったシーンをかいつまんでレポートしていきます。
1回戦:とーほくゆかりねっと VS ちょっと待って、かくでんさん

といいつつ、まずは1回戦第1試合から。対戦カードはこちら。
- とーほくゆかりねっと(しろりんごさん&給湯器ぽっとさん)
- ちょっと待って、かくでんさん(Wa1tingさん&Kakudenさん)
この2人。「東北ずん子」と「ゆかりねっと」とそれぞれ合成音声ソフトを使ってるんですね。2人とも、お揃いのアバター「もにもに・コニカ」を使っていて、息もピッタリ。可愛いだけじゃなく、シャープで映えるダンスが魅力的でした。



続いて、「ちょっと待って、かくでんさん」はWa1tingさんと、kakudenさんのコンビ。さきほどの2人がシャッフルっぽい足さばきを見せていたのに対し、こちらのkakudenさんはロッキンで対抗。ピタッと止まるポーズ。いいですよね〜。


また、シューズについてくるトレイルパーティクルが映える!

バトルが終われば、仲良く握手。「アバターで踊る」というVRChatならではの魅力を引き出すバトルだったと思います。

2回戦:BlackBee VS Starting
続いて、2回戦。徐々に、ギアが上がってきますね。
- BlackBee(Neldyさん、SandFlowerさん)
まず、先陣を切ったのはシードカードの1つ。「BlackBee」。今回の「2on2」におけるコンビは、イベント用にスポットで組まれた一夜限りのものもあれば、普段からクルーとして活動しているものもあります。BlackBeeは後者。オリジナルのダンスバトルらしい服装で、腕には出身国である韓国旗がプリントされています。

さて、この2人組のすごいこと。「息ピッタリ」どころか「実際に同じ部屋で踊ってないと説明がつかないんじゃないか……!?」というような動きが繰り出されます。

「どこにいるんだ?」とジェスチャーするNeldyさん

そこにまさかのスライディング!?!? この人たち、VR機材身体に付けてるんですよね!?!?
審査員のニックも驚いて指差しちゃってます。私も驚きました。
3回戦(BEST4):Oichii Calvi VS バケハ部隊

3回戦(BEST4)の1試合。ここまでくると、どのチームもかなり甲乙つけがたいバトルとなってきて、審査員のニックも度々頭を抱え始めます。
さて、衣装からして今日のためにバッチリ決めに来ているGrusコンビの二人。「Oichii Calvi」の見どころは、何個仕込んできたんだと驚くルーティンの豊富さです。



めちゃくちゃ息ピッタリ……。そして、Chiisamaの咥えたばこがエロい。

3回戦(BEST4):スターライト学園アイドル学部アイドル研究科 VS (S)Crew UNit :UnitGun:
続いて、またもやBEST4の対戦カードを紹介していきます。
- (S)Crew UNit :UnitGun: :FatalZodiacさん、NinjaNexさん
この対戦カード、身長差がすごい……。絵面がホラー映画みたいになってる……。

さて、こちらも「2on2」の見どころとなるルーティーン対決です。「(S)Crew UNit」は、身長を活かした大振りのブレイキンで魅せていく。



対して、「スターライト学園アイドル学部アイドル研究科」はフェミニンな曲線美を活かして、繊細なムーブで魅せていく。それぞれの個性がぶつかったバトルだったと思います。




Final:BlackBee VS Oichii Calvi

そして、いよいよ決勝戦。ここまで勝ち残ったのは、「Oichii Calvi」と「BlackBee」。お互い、ジャンルは違えど息ピッタリのルーティンと個々人のスキルの高さで、勝ち上がってきたことがわかります。
- Oichii Calvi(美味しいカルビさん、Chiisamaさん)
- BlackBee(Neldyさん、SandFlowerさん)
最終試合となる本試合は、60秒制。さて、まず先陣を切ったのは「Oichii Calvi」より美味しいカルビさん。


一気に真ん中に乗り出します。
これに対抗したのは、「BlackBee」のNeldyさん。


相手のスタイルを一度模倣してから、自分のスタイルに切り替える一幕があり、これがダンスバトルのコミュニケーションなのか、と感心しました。
そして、60秒の後半ではルーティンを披露し、ラウンドを終えます。


続く、2ターン目。「Oichii Calvi」は、また新たなルーティンからスタート。


最終試合まで来ても、まだ尽きない、そして毎回「すごい」と「面白い」が同時に押し寄せるルーティンを披露して来る。すごい。

2ラウンド目の「BlackBee」はフルスロットル。リアルで見たとしても「どうなってるの……!?」と驚くようなブレイキンのパワームーブを連続で繰り出します。

え???VRゴーグル被ってヘッドスピンしてるの???


現実側は目隠し状態とそう変わりないのに、アバターでこの勢いのあるパワームーブができるって、ほんとどうなっちゃってるんでしょうか……。

これにはニックも悩みに悩んでしまい、なかなか審査が決まらない。長考の末に出した答えは……
「Oichii Calvi」の優勝!!!


ニックによる審査コメントはこちら!(※またもや、絵文字です!)

◾🐝▶️🎶🏃♀️➡️🤸👈🔥🔥🔥👍😆👍💯 💯💯
😋🍖▶️🎵 🕺💃👂🎧👈😲‼️💕💕 💕 ⬅️🏆✨👍
また、今回の決勝試合について、司会のJackknifeS2さんにも、見どころをコメントいただきました!

ブレイク、ヒップホップ VS POPPIN のバトル!
どちらのレベルも高いことを知っていたのでとても楽しみでした!
息の合ったルーティンに個々のダンスも磨きがかかってきていると感じました。
おいちいカルビのほうが音楽のとらえ方の点で一枚上にいっていたのではと思います!
※JUDGEではないので個人の感想


ニックから、トロフィーの贈呈です。さらに、これまで告知のなかった「個人賞」の存在も明らかに。なんと、試合の審査と並行して、実は項目別の個人賞の審査もしていたようで、次々とトロフィーの贈呈が行われて行きます。



ところが、ここで事件が発生。
なんと、これまで「優勝賞品」として伝えられていた「『V WORLD』のBOOTH商品」が、「1名限定」であることが判明……!(なんで「2on2」にしたんだ!?という疑問はご法度ですw)

急遽、優勝チームの「Oichii Calvi」の2人が、「真の優勝者」をかけて、「1on1」バトルをすることが決定してしまいました。さきほどまで、一緒に試合に勝ちあがってきた2人が、最後の最後で敵同士になる……!ニックはデスゲームの主催者か何かですか?!
おまけ:ニックスペシャルショーケース
と、衝撃の事実が明かされたところですが、ここまで優勝をかけて出ずっぱりだった出場者たち。真の最終試合の前には、息抜きが必要でしょう。ニックから、なにやら催し物があるそう。そそくさとアバターを着替えたと思いきや……。
突然、さきほどまでダンスバトルをしていた打ちっぱなしのスタジオの中に、ライブステージが出現。

あの、フリーBGMとしてYouTuberの動画終わりなどに使われている「シャイニングスター」(魔王魂)に合わせて、ニックのアイドルステージが始まりました。

ニックが増えた!?

と思ったら、4人も出てきた!?!?

みんなそれぞれ振付が違う。というか、結構激しい踊りもあります。事前のモーション収録としても、このクオリティ。さすが、ニックです。



まさかの「2on2」なのに優勝賞品が「1つ」!? 真の優勝者は誰だ?

さて、そんな閑話休題を挟んだのちに、いよいよ……というか、まさかのマッチメイク。
「美味しいカルビ VS Chiisama」がスタートします。しかも、今回は悔いが残らないようにと、「時間無制限の2ラウンド制」。思う存分、戦います。
まず、先行を切り出したのはChiisama。

どんなバトルを見せるのかと思いきや、ここで……

タバコを口から離した……!

これまでずっと、咥えタバコを貫いていたのに、ここでタバコをしまう。この瞬間は、さすがに痺れましたね。そして、負けじとダンススキルを見せていく美味しいカルビさん。



2ターン目に入ると、さらにバチバチにヒートアップ。



お互いに、長丁場の疲れを一切感じさせない「本気」のバトルで、会場は大興奮に包まれて終了しました。
そして……。最終ジャッジ。ニックの判断はいかに……!
ニックのアバターから、ジョジョの「To Be Continued…..」ミームが流れ、手が上がったのは
Chiisama!!

優勝者決定後は、すぐさま美味しいカルビさんが、ニックのポーズを真似て、Chiisamaも乗っかり、どちらが勝ったのか分からない場面も(笑)

最後は、みんなで集合写真を撮って、全20試合、2時間30分超に及ぶイベントは終了しました。


さて、会場の熱気、VRChatダンスシーンの熱量が少しでも伝わったでしょうか?かなり長い記事になってしまいましたが、最後まで読んでいただいた方はありがとうございます。ちなみに、「たまLab.」では、このようなバトルイベントを始め、”ダンスをより深く、より楽しむ”をモットーにイベントやレッスンを企画しています。毎週水曜日に必ずダンスサイファーを主催しているとのことですので、気になる方はぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか。
「ダンスバトル、サイファー、レッスン、何かやりたいことがあれば一声かけてみてください!」とのことです。気になる方はぜひ、以下のリンクからDiscordサーバーを覗いてみてはいかがでしょうか?
●参考リンク
・「たまLab.」VRChatグループ
・「たまLab.」Xアカウント
・ニック(X)