「お宝の山分けだ~!!」
どこかで盗んできた絵画に書物に金銀財宝。まばゆいお宝の数々。盗賊たちは今宵の戦果の取り分を分け合います。
盗賊団のお宝は山分けと相場は決まっています。でもそんな盗賊団の心の中では・・・
「ちょっとくらい、得しても良いよね・・・」
自分だけ”ちょっと得”したい心が見え隠れ。盗賊団のメンバーたちは、略奪してきたお宝でお金持ちになる夢を見ます。
そんなズルくもかわいらしい一面を持つ彼ら盗賊団になって勝負するゲームが、オタカラ山分けゲーム『ギブトレ』!自分が得できるようにお宝を山分けして、心理戦を仕掛けるアナログカードゲームがVRChatにも登場です!
アナログゲーム「ギブトレ」を制作した「SUSABI GAMES」協力の元、VRボードゲームの制作・販売を手がける「株式会社バーチャルパーティー」が、VRChatにそのプレイワールドを開発・公開しました。
プレイ人数は、2名〜4名。金額は2,000円です。購入はバーチャルパーティーが運営するバーチャルホビーストア「VazaR」にて入手できます。
今回、筆者はVR版ギブトレの体験会に参加。VR版ギブトレの魅力についてお届けします!

ゲームルール
ゲームの準備として、幹部タイルを1枚、助っ人カードを最大2枚選びます。選ぶ枚数は、ゲームの参加人数によって変わります。

ゲームでは35枚のオタカラカードを使います。オタカラカードは、1〜7までの数字が振られたカードがあり、それぞれ赤青緑黄の4色のスートがあります。その他に、どんな数字や色にもなれるワイルドカードのように使う「すごいオタカラカード」、山札からカードを1枚引ける「おしごとカード」、手札を圧迫させる「呪いの絵画カード」があります。
先攻後攻を決めたらゲームの準備は完了です。

先攻は、山札から5枚のオタカラカードを引き、2つに分けて相手に選んでもらいます。選んだ方が自分の取り分になります。ギブトレは、これを繰り返していくことで進行していきます。とてもシンプルなゲームですね!

山分けする際は、分ける場所に木の棒を置きます。5枚が並んでいるので、3:2のように分けるか、それとも強気に4:1で分けるか。相手が欲しそうなカードは呪いの絵画と抱き合わせたり、自分が欲しい物は相手が欲しいものと一緒にしないなど、配置に工夫が必要です。さらに、5枚のうち1枚を相手にわからないように裏返しにして出すことができ、戦略の幅はとても広いです。
手に入れたオタカラはその場で換金することができ、換金すると”オカネ”が手に入ります。役によって”オカネ”の額が変わり、トータルで30オカネを集めると勝利になります。役は、同じ数字を揃える”同数”、連続した数字を揃える”連番”、連続した数字でかつ同じ色のカードを揃える”連番×同色”の3種類。ポーカーのような役で覚えやすいですね。
手に入れたカードや相手に渡ったカードを比べて、集めていくカードを考えながら進めましょう。2回、3回と山分けを行っていくと、徐々に自分が集めたいカードが見えてきます。

ここが面白いよ、ギブトレ!
簡単なルールから深みのある心理戦
ここまで説明したようにゲームの進行はいたってシンプル!でも簡単に勝負が決まらないのはそれぞれ”欲”があるから。相手よりも多くの”オカネ”を手に入れたいから。
そうです、もちろんこのゲームにも心理戦が存在します!
棒で並べたカードを2つに分けるならあなたはどうしますか?
ポイントにならない邪魔なカードを相手に押し付ける?得をさせないように相手の利になるカードは手元に置いておく?悪だくみは捗りますねえ!
すでに手元にあるカードからどんな役ができるかを練って考えて山分けしていきましょう!

逆転の一手「助っ人カード」
プレイヤーは最大2枚の助っ人カードを持つことができます。助っ人カードには、それぞれ異なった効果があり、特定の役を揃えた時より多くの”オカネ”を手に入れるものや、不要なカードを処分できるものなど様々。中には相手の助っ人カードの効果をコピーできるものも。
ここぞというときに助けてくれるかもしれないのが助っ人カードです。戦況が分かれるポイントになるでしょう。筆者も一発逆転の効果を持つカードによって初戦で金星を納めることができました。

かわいいイラストと世界観が反映されたワールド
ギブトレ公式サイトを見た方は、すでに感じているのではないでしょうか。
そう、このゲーム・・・
イラストがとってもかわいい!
ギブトレのイラストを担当したのは、イラストレーターのOBOttoさん。
ボードゲーム業界で栄誉ある功績を称えるための賞「ゴールデンボックスアワード」では、2023年にこのギブトレでアート賞を受賞するに至りました。
略奪したお宝を山分けする盗賊のゲーム、と聞くと怖いイメージがありますが、そのアングラな雰囲気をかわいらしいデフォルメな動物たちの世界に落とし込んでいます。イラストには、絵本チックな温かみもあり、シンプルなルールであることからも、小さな子供にもオススメできそうです。

ワールドにも、そのイラストが創り出す世界観が再現されています。
ワールドの入口は、目立ったものなどないような質素な部屋ですが、本棚から隙間風を感じます。そっと本棚に近づくと……


隠し通路があらわに!

中に入ると薄暗いアジトに辿り着きます。パッケージイラストからイメージを膨らませて作られた場所で、いかにも盗賊たちの裏取引の現場のような”悪いことをするための部屋”という雰囲気に満ちています。天窓から差し込む月の光が、取引台を怪しく包み込み、ゲームの世界への没入感をさらに深めていきます。

さらに、この部屋の奥には地下水道へ続く道があります。
この場所もOBOttoさんの描いたイラストが元になっており、盗賊たちが一仕事終えてアジトに帰ってくる情景が浮かんでくるようです。
また、この場所はゲームをする場所から離れていて声が届かないため、談笑をしたい際はこちらに移動するのも良いでしょう。

VR版ギブトレで遊ぶには?
VR版ギブトレは、VazaRで遊ぶ権利を購入することができます。金額は、2,000円です。
VR版を購入した人がインスタンスに1人でもいれば、その場にいる全員がゲームをプレイすることができるため、全員が購入する必要はありません。
また、5月25日までは無料でプレイ可能です。この期間の間に色んな方を誘って、購入を検討するのもよいでしょう。
VR版を購入すると、限定特典としてゲームでも登場する「ラウンド棒」と「すごいオタカラ」の3Dモデルがもらえます。「ラウンド棒」は、Modular Avatarに対応しているため自身のアバターに簡単に持たせることができます。ゲームでおいたをする人を懲らしめてやりましょう!

参考リンク
・ギブトレ(SUSABI GAMES)
・SUSABI GAMES公式X
・VazaR公式サイト
・VazaR公式X