【PR】多種多様のリアルとバーチャルの交差地点 X LIVE(クロスライブ)ライブレポート

12月16日、原宿にて開催された「X LIVE(クロスライブ)powered by BEAMS Virtual Shop and JVCKENWOOD at Vket Real 2023 Winter Shibuhara」。バーチャルマーケット 2023 リアル in シブハラ(以下、Vketリアル)と合わせて開催され、会場もビームス原宿の3階でした。

今回のライブはバーチャルマーケット(以下、Vket)にも出展しているJVCケンウッドとのタイアップ企画で、バーチャルにゆかりのある人たちが次々と歌やダンスを披露しました。

出演者には、沖縄ご当地VTuberの根間ういさん、アバター姿の広瀬香美さん、TikTokで活躍しているダンサーのタイガさん、VR漫画家のリーチャ隊長が参加。さらには一部の曲には生バンドによる演奏もあります。

リーチャ隊長が歌を披露するの!?と思うでしょう。実は夏に開催されたVketのBEAMSのイベントで歌を披露していました。リーチャ隊長はアーティストとしての一面を持っているのです。

会場には紗幕のスクリーンが用意され、アバターが映し出されます。このスクリーンは、リアルとバーチャルの垣根を超えたライブには欠かせないものですね。

リーチャ隊長も、もちろんスクリーンに映されて……

えっ!?リアルの姿でライブするのですか!?

沖縄アレンジで会場を早速温めた 根間うい

トップバッターに登場したのは根間ういさん。今回のX LIVEで初の関東リアルイベントになります。

披露した楽曲は「キミノヨゾラ哨戒班 沖縄アレンジバージョン」。

披露した楽曲は「キミノヨゾラ哨戒班 沖縄アレンジバージョン」。
元の曲に沖縄アレンジを加えた1曲です。沖縄アレンジらしく「イイヤーサーサー」の祭囃子が掛かり、場を盛り上げていきます。観客の気持ちをガッツリ掴む楽曲で、寒さを吹き飛ばす勢いです。
曲の最中には、琉球舞踊を思わせる踊りを見せる場面も。動と静が、動きから伝わり緩急が1曲の中に詰まっているパフォーマンスでした。

リアルとバーチャルの交差地点 バーチャル広瀬香美withタイガ

次に登場したのは、広瀬香美アバターwithタイガ。

VRChatと広瀬香美さんというと、キノピオProさんのフェイスダンスで「ロマンスの神様」が使われ、以降VketのJVCケンウッドブースでさまざまなパフォーマンスを披露してきました。

今回は新しくなったアバター姿で参加。さらにタイガさんもダンサーとして登場しました。

タイガさんは、TikTokでロマンスの神様の振り付けをした動画を公開したところ、TikTok2022上半期トレンド大賞を受賞した経歴を持っています。今回のライブでは、リアルのみならずアバターとしてバーチャルでもダンスを披露しました。

歌う楽曲は、もちろん「ロマンスの神様」。「冬の女王」は伊達じゃないのが伝わってくるライブパフォーマンスの数々。アバターの姿でも広瀬香美さんの持つ明るさや動きが、冬の寒さに負けないほどの熱量で届きました。

そしてここからは生バンドによる演奏も追加。ギター・ベース・キーボードから流れる音が直に聞こえるのと、目の前で繰り広げられるタイガさんのダンスによって、リアルでのライブ感が増していきます。

VRバンド「PHANTOM」のカバーを披露! リーチャ隊長

冒頭に書いた通り、リーチャ隊長は顔にマスクをしたリアルの姿で登場。登場時のMCでは緊張を隠しきれない場面もありましたが、観客との掛け合いでいつものキレを取り戻します。

今回リーチャ隊長が歌う楽曲はVRバンド「PHANTOM」の「ブラックヘアー」。

VRバンドの楽曲ということもあり、生バンドでの演奏がとにかく映えます。リーチャ隊長の緊張も完全に吹っ切れたのが伝わってきます。

原曲は透き通るような爽やかさがありましたが、リーチャ隊長が歌うと青春の痛さや泥臭さといった別の側面が引き出されていました。リーチャ隊長の臆病なところも含めすべてをさらけ出すスタイルが歌声でも表現されているようです。

タイガさんによるダンスレッスン&リーチャ隊長のロマンスの神様

タイガさんが再び登場し、TikTokで流行った「ロマンスの神様」の振り付けをレッスンし始めました。

振り付けの中にある足踏みをする場面では、会場全体が揺れます。振動が直に伝わってくるのは、リアル会場ならではの良さと言えるでしょう。

次はリーチャ隊長が「ロマンスの神様」を歌いますが、その前に練習してきたときのエピソードトークを挟みます。

なにやらYouTubeで広瀬香美さん自身が「ロマンスの神様」の歌い方の解説動画を出しているので見たとのこと。

動画の中では3つのポイントについて話していたが、ポイントの1つである「大サビを息継ぎなしで歌いきれ」は広瀬香美さん自身も今はできないという。

そんな「ロマンスの神様」を歌うことの難しさを、いつもの漫画のようなノリで話していきます。リーチャ隊長の漫画でのリアクションがトークからにじみ出てきて、本当にリーチャ隊長の感性が漫画に詰まっていると感じさせられる場面でした。

その後の「ロマンスの神様」では、リーチャ隊長の歌声をバックにタイガさんと観客が一緒にダンス。スクリーンにも雪が降り、会場も完全に「ロマンスの神様」一色。

観客も学んだばかりの振り付けを踊って、会場の一体感が最高潮に。前半ではバンドメンバーを紹介しつつ、レッスンした踊りをこなしていきます。後半ではタイガさんの本気とも言えるダンスも披露して盛り上げます。

リーチャ隊長が歌う「ロマンスの神様」は歌の難しさをものともせず、高音の箇所も歌い上げていきます。先に歌った広瀬香美ご本人の歌唱に負けないパワーを見せつけます。

会場が盛り上がりきったところで、ライブは終わりを迎えました。

バーチャルの世界を冒険し漫画にし続けたリーチャ隊長は、漫画家とバーチャルの境界を超えた夜になりました。

原宿のあのライブにいた人たちは、リーチャ隊長の新たなる最初の一歩を見届けたと言えるでしょう。

初のリアルライブを終えたリーチャ隊長のコメント

初のリアルライブを終えたリーチャ隊長にコメントをいただきました。

リーチャ隊長コメント

もうBEAMSとJVCケンウッドはやり過ぎ(笑)僕は最初ここまでのライブになると思わなかった。今日のリハーサルから絶望的な顔面蒼白っぷりでやってきましたが、なんとかやりきれてよかったです。

2024年もVRとリアルでどうのこうのするイベントが出ると思いますが、もしかしたらまた僕が呼ばれるかもしれない。そうなったときは今日の原宿のことを思い出して、糧にしていこうと思います。

リアルとバーチャルの境界がごちゃまぜになるVketリアルのイベントで行われたX LIVE。

VTuber、アーティストのアバター姿、VRChat出身の漫画家。それぞれ異なる成り立ちをしていますが、リアルとバーチャルの境界を超える人たちです。一見、同じような成り立ちに見えても、このライブに至るまでの経緯は驚くほど違います。昨今では2つの境界が曖昧になることが多いですが、同じライブでここまで幅広いリアルとバーチャルの交差が見られるでしょうか。

そんな人達が集まったX LIVEは、リアルとバーチャルの交差地点であり多様性にあふれたライブでした。