みなさんは美術館巡りは好きですか? もしお好きなら、美術館の立て看板に書かれているルールとして「作品にはお手を触れないようにお願いします」と書かれているのをよく見かけるのではないでしょうか。
では、もし「展示品にはお手を触れるようお願いいたします」と書かれていたら?少し驚いてしまいますよね、今回はそんなルールが書かれたsuzuki_iさん作成のワールド「Gallery 2718702a」をご紹介します。
額縁を飛び越えて、芸術を手で感じよう
ワールドに入ってみると、近代美術館のような外観の建物が現れます。
壁に貼られたポスターには写真展「額縁の庇護を逃れて」と書かれており、その横にある立て看板には、普通の美術館では見ないような一風変わったお願いが書かれています。
まず、最初に飾られているのは「色」という写真。「どちらから見た色が好きですか?」と書かれたメッセージの通り、左右から眺めてみると光の反射がまるで本物のモルフォ蝶のように変化します。
そう、この美術館はさまざまなギミックなどが仕込まれた少し特殊な美術館になっています。
例えば、背中に温かさを感じますか?と書かれた「影」という写真。
前に立ってもらうと……なんと、写真の中にアバターの影が! まるで自分が写真の中に入ってしまったような感覚になる、そんな不思議な作品があったり……
この「風景」という写真も画像で一見すると、ただの額縁に入った海が描かれた写真に見えるかもしれません。 ですが実際にワールドに行ってみると、見え方が変わってくる、そんな「画角で切り取られた」作品になっています。
そして、筆者がお気に入りなのがこの写真。まるで他のワールドで撮ったような写真ですが、実はこれもこのワールドで撮った写真です。
タイトルは「反射」、説明には「向こう側には入れません」と書かれています。 VR世界で交流している我々が、絵画一枚に隔てられて、一時閉鎖の扉で立ち止まる、眺めていると不思議な感覚になってくる、そんな作品になっています。
他には「かざした手を光が照らす」と書かれた写真、「直射日光」。
手で触ると穴が空いてしまう写真「アスファルト」。
などなど、さまざまなVRだからこそ出来る表現が詰め込まれた美術館になっています。
そして、周りきって満足したら、ちゃんと出口から出ることができますよ。
これがVRChat!? 2階でフォトグラメトリの世界を楽しもう
1階を回った後は、2階の企画展も見てみましょう。
2階の企画展では、写真展が開かれています。内容はフォトグラメトリ(※物体などを様々なアングルから撮影し、それらを合成することで立体的な3Dモデルにする手法)で作られたワールドを、suzuki_iさん作成のカメラギミック「Integral」で撮影した写真の展示になっています。
まるで、現実で撮ったかと疑ってしまうような写真の数々。「本当にVRChatかな……?」と思ってしまうのですが、なんと実際に存在するVRChatのワールドなんです。 写真の隣の説明には、どのワールドで撮ったか書かれているため、見終わった後は、書かれているワールドに行ってみたい!ときっと思うはずです。
そんな不思議な美術館、「Gallery 2718702a」 。VRChatに慣れていなくても、慣れていても新しい発見や、学びを得られるワールドになっています。 実際にメタカル最前線メンバーで行った際も非常に盛り上がったため、複数人でたまには美術館巡りをしてみるのも、一興です。
制作者・suzuki_iさんの作成ワールドについて少しご紹介!
「Gallery 2718702a」のほかにも、suzuki_iさんはユーモアあるワールドを作成しています。
代表的なものとして、監視カメラ越しで自分を操作しながら謎解きを行うワールド「Hedonism」や、ランダムに選ばれた本物と偽装者の会話(チャットでしか返せない)を見て、本物を当てるゲームワールド「Disguiser」などをワールドを制作しています。
ギミックや、システムなど独自のコンテンツが非常に多いため、「Gallery 2718702a」を回り終わったら、遊びに行っても楽しいと思います!