名作TRPG「ダブルクロス」をVRChatで体験してみた!VRでTRPGはもっとおもしろくなる!

みなさんは、TRPGをご存知でしょうか。TRPGとは、「テーブルトークロールプレイングゲーム」の略。 サイコロとメモ帳、そしてルールブックで遊ぶ、テーブルゲーム版RPGです。

そして、TRPGはプレイヤー同士で顔を合わせるオフラインプレイに加え、オンラインでプレイするスタイルも存在します。当然、オンラインでのプレイはサイト上で簡易的にやるのが基本です。

もしそれを、VRで「実際に居るかのようにプレイできる」と言われたら……?

本記事では、株式会社バーチャルパーティーより発売された、VR対応TRPG「ダブルクロス The 3rd Edition SSS Vol.5『ミッシングリンク』」(以下、「ミッシングリンク」)の試遊を通して、VRで遊ぶTRPGの世界をご紹介します。

VRでTRPGってどうやるの?そして「ダブルクロス」ってどんなTRPG?

さて、VRでTRPGをプレイ……といったって、どうやって?と思う方もいるかもしれません。

そこで登場するのが、VRChat用に開発された汎用アナログゲーム支援ツール「CatsUdon」。ダイスを振る、ステータス管理のメモを取る、頭上に名前を表示するなど、TRPGに必要なことが全部できるツールです。

わかる人向けにお話しすると、オフセ特有の人に直接名札をつける作業もありませんし、もちろんキャラシが水浸しになるなんて心配もなく、オフセみたいなオンセが出来る!というイメージです。

そして、今回プレイする「ミッシングリンク」は、TRPGシリーズ「ダブルクロス」のシナリオ。恐らく「あ~、ダブルクロスね!」ってなった方と、「ダブルクロスって何……?」となった方、両方がいるかと思います。

「ダブルクロス」とは、日本製の現代アクションTRPGです。2001年に出版された歴史あるシリーズで、世界観を説明すると……

「レネゲイドウイルス」という未知の因子の影響で、異能力に目覚めたキャラクター達が、自分達の日常を守ったり、願いを叶えるために戦う。

といった感じ。 これ、好きな人は間違いなく好きな設定じゃないですか?

「ダブルクロス」では、通常のサイコロではなく、1~10の10面ダイスを用いるのが特徴的です。そして、技能……例えば「相手を物理的に攻撃するなら白兵」「精神攻撃に対抗するなら精神」等、その状況に応じた物の判定をする際には自分の能力に応じてダイス量が変化します。

例えば実際に相手を直接攻撃する場合を考えてみましょう。 この場合使用するのは「白兵」になります。

もし、キャラクターの「白兵」が7なら、基本ダイス量は7個、つまり10面ダイスを7個振り(TRPGプレイヤーは「7D10」と言ったりもします)、投げたダイスの中で最高の目を判定値として参照します。

さらに特殊なのが、スペシャル値(基本は10)以上の出目のサイコロがあった場合、そのサイコロの数だけ振り直しが可能なこと。その作業をスペシャル値がなくなるまで行い、最終的にこれまでの最高値を合算して判定します。

「ダブルクロス」ダイス判定一例

①最初のダイスが10/5/3→10のダイスを1個振り直し。
②振り直したダイスが8→ダイスロールをストップ。判定値は10+8=18
③判定値が目標値以上なら成功

難しく聞こえるかもしれませんが、「ダイスをいっぱい振って、強いほうが勝ち」と考えるとわかりやすいかもしれません!

ちなみに「ダブルクロス」の意味は「裏切り」。公式トレーラーの末尾に「ダブルクロス、それは、裏切りを意味する言葉――。」という一文が、よくTRPGプレイヤーのネタとして使われていたりもします。

初心者でもOK!TRPGの世界へ飛び込んでセッション開始

今回は、開発元・バーチャルパーティーによる先行体験会として、VR版「ミッシングリンク」をプレイしました。筆者以外にも3名のプレイヤーが参加しました。

プレイするのは「イマーシブモード」と呼ばれる、VR向けのモード。いくつかの判定が簡易化され、初心者でも直感的に参加することができるのが特徴です。

前説を終えたあとは、「CatsUdon」の基本操作を学びつつ、TRPGの要であるプレイヤーキャラクター(PC)準備へ。今回は、あらかじめ用意されたキャラクターテンプレートから選択します。

筆者が選択したのは「紅玉の瞳」。3つの特殊能力を所持した器用なPCです。プレイ中のアバターは「あのめあ」を用いました。そして設定は以下のような感じに。

名前:雨森 れあ(あめもり れあ)
“プランナー”都築京香が率いる組織「ゼノス」所属のオーヴァード。天然で陽気。たまに何も考えてないことも。
甘いものが好き。誰とでも仲良くなりたいし、なれると思っている。

PCの準備が整ったところで、いざ「ミッシングリンク」のセッションスタート。まず最初は導入パートとして、各PCの登場シーンがゲームマスターによって伝えられます。

このとき、プレイヤーとゲームマスターは、各シーンの3D空間を実際に行ったり来たりすることができます。ただシナリオを聞くのではなく、「TRPGの世界に飛び込む」のが、VRTRPG最大の特徴なのです。

アバターとジェスチャーが切り拓く、TRPGの面白さ

さて、実際に体験した感想としては……めちゃくちゃ楽しいです。

大きなポイントは、VRChatで使うアバターをPCに当てはめられること。なんとなく使っていたはずのアバターに言動が引っ張られ、場面に応じてコミカルに表情を変えることができる、オンラインでは意外とできない体験が味わえます。

また、どうしてもTRPGは「ロールプレイ(役になりきってコミュニケーションを取ること)」が中心なため、「上手く話さないと……」「これどうやって伝えよう……!?」なんて悩むこともしばしばあります。特に、初心者といっしょに遊んでいると、間違いなく起きるはずです。

ですが、VRChatでなら、身振り手振りを交えた表現ができるため、うまく言葉にできなくとも、問題なく円滑なコミュニケーションができます。

更に、ダイスをたくさん触れる快感や、緻密に戦略をみんなで集まって考える等、TRPG自体の「楽しみ」のようなものも損なわれない……どころか、もっと楽しいような気がします。

あとはやはり、「眼の前にプレイヤーがいる」のは大きなポイントかもしれません。オンラインとオフラインの良いとこ取りが、VRTRPGの一番の面白さかもしれません。

5月6日までセール中!VR対応版「ミッシングリンク」絶賛発売中

今回プレイしたVR対応版「ミッシングリンク」は、「VazaR」および「BOOTH」にて好評発売中です。定価は7800円。5月6日までは、販売記念セールとして30%オフの5460円で販売されています。

製品には、シナリオ本文PDFに加え、「CatsUdon」対応ワールド「CatsUdon TRPG Home」にて用いるためのワールドデータ、作中キャラクター「アナイアレイター」と「都築京香」のVRChat向けアバターデータ、NPCアバター用のURLが同梱されています。購入すれば、プレイヤーとしてはもちろん、説明書さえ読めばゲームマスターとして遊ぶことができます。

ちなみに、毎週木曜日には「CatsUdon」を用いたVRTRPG体験イベント「CatsUdonの日」が開催されており、初心者でも気軽にVRTRPGの体験ができます。みなさまも楽しいTRPGライフを、VRChatで味わってみませんか?