VRChatの中で就活がスタートするかも!? GMOペパボの「NAGiSAスーパーカジュアル面談」の様子をのぞいてみた

オリジナルグッズ作成・販売ECサイト「SUZURI」などを展開するほか、専門部署を立ち上げるなど、バーチャル空間上でのクリエイターのアウトプットの活動支援にも取り組むGMOペパボ株式会社は、1月29日にVRChatにて就職活動者向けイベント「NAGiSAスーパーカジュアル面談」を実施しました。

VRChatの人気ワールド「NAGiSA」を用いて、採用担当者が10分間、アバターかつハンドルネームの参加者と交流する、カジュアル面談の発展イベントに、初回にも関わらず70名もの参加申し込みがありました。期待の高さがうかがえる本イベントの様子を、GMOペパボオフィスの現地取材と合わせてお伝えします。

特別仕様の「NAGiSA」がカジュアル面談の会場に

「NAGiSAスーパーカジュアル面談」は、株式会社V協力のもと、GMOペパボが企画したイベント。VRChatの日本人向け1対1交流ワールド「NAGiSA」にて、同社の採用担当者と、同社に興味のある人が、VRChat上でカジュアル面談を行うイベントです。

昨年6月に公開後、日本ユーザーの定番交流ワールドとして定着した「NAGiSA」ですが、まさか就活イベントに使われると予想できた人はそう多くないハズ。その物珍しさもあってか、告知投稿はGMOペパボのX採用アカウントでの投稿には多くのいいね・RP数がつき、担当者の想像を超える好反応を記録し、応募総数は70名にものぼったそう。今回は初回ということもあり、参加者は抽選で10名に絞っての開催となりました。

会場となる「NAGiSA」は、見た目こそ普段行くことができるものとほぼ同じですが、本イベントに合わせた特別な調整が施されていました。具体的な調整は以下の通り。

  • マッチング時間は10分。
  • 「参加者」と「採用担当者」でロールを分けて入室できる。
  • 「採用担当者」は時間がきても部屋のシャッフルが発生せず、その場に留まる。

これによって、「イベント参加者や採用担当者同士がマッチングする」といったことが回避され、採用担当者に対し、会社に興味のある人が次々にやってきて、フランクに面談することができるようになっていました。もちろん、参加者側のアバターは自由。普段VRChatで過ごしている姿のまま、会社の採用担当者とお話しができる、なかなかにレアな機会なのは言うまでもありません。

率直な質問も遠慮なく。なごやかに進行したカジュアル面談

今回、メタカル最前線はGMOペパボを取材。オフィスでVRヘッドセットをかぶり、スーパーカジュアル面談に臨む採用担当者のSUZURI事業部長・杉山寛さんこと、ロベさんの姿とともに、イベントの様子を見させてもらいました。

「ロベさん?」と首を傾げる方もいるかと思いますが、これはあだ名。GMOペパボでは「あだ名文化」が浸透しており、会社にいる人の多くにあだ名がつけられ、普段からそちらで呼び合っているのだそう。なんと名札にもあだ名が記載されている方も!VR向け名義で活動するVRChatユーザーにとって、親しみやすさを感じる社風かもしれませんね。

そんな社風がVR空間にも伝わったのか、面談の様子は終始なごやか。もともと、カジュアル面談とは採用過程の前に実施される、企業と求職者のフランクな情報交換の場ですが、やはりアバターとハンドルネームであるためか、フランクさが一段階引き上がっていた印象です。GMOペパボやSUZURIについての率直な質問もありつつ、VRChatでの活動や、地元トークに花が咲くこともありました。

ロベさんからも、「GMOペパボやSUZURIのことってどう見ていますか?」「SUZURIにしてほしいことってありますか?」といった率直な質問をしたり、参加者の経歴などを聞いて「ぜひ一緒になにかしたいですね!」と持ちかけるなど、カジュアル面談にとどまらない対応が印象的でした。

ロベさん自身、VRChatで人と会話したのは今日が初めてだと前置きしつつも、「思ったよりフランクに話せると感じました」「立った方がジェスチャーしやすくて話しやすいですね。その分ちょっと疲れるけど、楽しいです」と、初めての体験に対しとてもポジティブな感想を話していました。

19時からスタートしたイベントは21時まで続く長丁場に。しかし、ロベさんも「あっという間ですね!」と疲れ知らずな様子。記念撮影もなごやかな空気で実施され、大きなトラブルもないまま、無事に完走しました。

就活の糸口をVRChatでつかめる日も近いかも

数あるVRChatイベントの中でも異例づくしなイベントではありましたが、フタを開けてみると、驚くほど自然に進行したイベントでした。参加者にとっては「自宅にいながらVRで企業の採用担当者と話ができる」なんともVRChatフレンドリーなイベントでありつつ、GMOペパボにとっても同様にマッチしそうな人材を探しつつ、普段なかなか聞けない「外部からの自社イメージ」を聞き出す、貴重な機会となった印象です。

VRChatには、意外と近くにその道のエキスパートや、ある場所の要職に就く人がいます。そうした人と出会い、大きな知見を得られることはVRChatの醍醐味のひとつですが、その機会に恵まれることはなかなか巡り会えないものです。「NAGiSAスーパーカジュアル面談」は、一企業の事業部長と出会い、ざっくばらんに話す機会を(10分でも)確実に得られるイベントと思えば、その貴重さが伝わるでしょうか。

GMOペパボ側も、今回のイベントは応募時点で相当な手応えを感じていた様子で、2回目以降の開催にもかなり前向きな空気が感じられました。実際、このイベント開催に際して、本選考の申し込みをした方もいたらしく、効果はしっかりあったと言えるでしょう。就職活動の糸口をVRChatで得ることが日常になる日も、意外と近いのかもしれませんね。