絶賛開催中のVRイベント「Sanrio Virtual Festival 2025」と、サンリオ×ClaN発のVTuberプロジェクト「にゃんたじあ!」。この2つのリアルイベントが、まさかの同時開催となりました!
「Sanrio Virtual Festival 2025 :Real」および「にゃんたじあ!〜マホウのステージにゃまステ〜」は、2月22日に開催されたリアルイベント。「にゃんたじあ!」のメンバー6名に加え、キヌさん、猫元パトさん、「Sanrio Virtual Festival」のエグゼクティブプロデューサー・町田雄史さんをゲストに迎え、「Sanrio Virtual Festival」のトークステージや、「にゃんたじあ!」のメンバーが活躍するにぎやかな企画が実施されました。
今回、メタカル最前線は本イベントの午前の部を取材。初出しの「Nakayoku Connect」の裏話や、エモさ満点な「にゃんたじあ!」初のオリ曲公開など、特盛な内容だった現場の様子をお伝えします!
キヌ&町田Pが語る、「Nakayoku Connect」裏話

まずは「Sanrio Virtual Festival 2025 :Real」パートとして、「Nakayoku Connect」の裏話を聞く会からスタート。「にゃんたじあ!」の若魔麦たるとさんを聞き手に、町田雄史さんと「Nakayoku Connect」監督を務めたキヌさんが、当時のエピソードを振り返りました。
「Nakayoku Connect」は、2022年7月〜2023年8月にかけて、サンリオピューロランドおよびVRChat内で実施された体験型ショー。ピューロランド側の上演では目に入っても安全なファイバービームが新規採用されたほか、ピューロランドとVRChat上で同時上演される初の試みが盛り込まれました。
上演がスタートした2022年は、まだ「Sanrio Virtual Festival」も一度しか開催されていなかったころ。まだバーチャルピューロランドもエリアがいまほど多くなく、「Musical Treasure Hunt」も世に出ていなかった時期に、VRChat上演ではこれから新たなエリアが生まれる場所「ピューロフロンティア」にて、「はびだんぶい」とこぎみゅんが来場者をお出迎えしてくれました。

ステージが変形するダイナミックな演出はもちろんですが、なによりこのショーでプッシュされたのは「つながる」というメッセージ。コロナ禍もやっと落ち着き始めたなか、多くの人がその重要性を痛感した他者とのつながりを打ち出すべく、キヌさんがハート型に空間を”割る”演出を採用したとのこと。
「つながっているんだよ、と突きつける強いメッセージを届けたかったので、空間を叩き割りました。サンリオキャラクターズなら、キティちゃんならそれができるはずだったので」とは、キヌさんの談。

また、ステージ中央にある巨大なポットの中には、ショーのクライマックスでコンペイトウのような”かけら”が収まる演出が盛り込まれましたが、実はこのポッド、初演からちょっとずつ蓄積されており、千秋楽には満杯になっていました。この”かけら”は、来場者の「この先が見たい」想いを表しているらしく、第2回目以降の「Sanrio Virtual Festival」への期待を静かに示していたとのこと。そして、このポッドを起点に「知恵の樹」が生え、現在の「VIRTUAL PURO VILLAGE」へとつながっているのだとか。
こうしたキヌさんの演出面の話を受けて、町田さんは、初回の「Sanrio Virtual Festival」は試験的なイベントであり、次回開催の見通しは考えていなかったと、当時を振り返りました。しかし、出演者からの「次回はいつですか!」と熱烈な声を受けて、2023年から「Sanrio Virtual Festival」は毎年開催に至っています。VRChatの人々の熱意がサンリオさんを動かしたのだと思うと、なかなか感慨深い話です。

このほかにも、VR側の演出に感化されてピューロランドにファイバービームが新設された話や、「Sanrio Virtual Festival」でのキヌさんのパフォーマンスの制作チームとして携わるtanittaさんとの出会いが「Nakayoku Connect」だった話など、この記事には書ききれないほど山盛りな裏話が繰り広げられました。初出しの設定画も登場し、当時VR現地で心を震わされた身にはもう大満足です。

なお、聞き手となった若魔麦たるとさんは、「Nakayoku Connect」の大ファン。デビュー直後からこのショーが大好きだと語り、2025年の3Dモデルお披露目配信では、「Nakayoku Connect」の全パートを”ワンオペ”で披露するほど、筋金入りのファンです。今回は、いつもの自由奔放ぶりは鳴りを潜め、噛みしめるように二人の話に聞き入る姿が印象的でした。
「にゃんたじあ!」全員集合!ゲームや企画プレゼンで対決!

ボリューミーな「Sanrio Virtual Festival 2025 :Real」を経て、イベントは「にゃんたじあ!〜マホウのステージにゃまステ〜」へ。ここからは、「にゃんたじあ!」のメンバー全員が参加するバラエティ企画が2つ実施されました。
ひとつめの企画は「にゃんたじあ!最強ゴルファー決定戦!」。カジュアルなマルチプレイ対応ゴルフゲーム『Golf it!』の腕を競うゲーム企画です。ルックスはキュートな方が多い「にゃんたじあ!」ですが、ゆかいなパーティーゲームでもある『Golf it!』を前にメンバーは和気あいあい。叫び声やじゃれ合いも飛び交い、6人の人となりがいい感じに現れる企画になりました。

ふたつめの企画は「町田エグゼクティブプロデューサーを唸らせよう!企画王は誰!?プレゼン対決!」。再び町田さんが登場したこの企画では、「リアルピューロランドににゃんたじあ!エリアができたらどんな内容にする?」というお題のもと、3チームに分かれてプレゼンを行う企画です。ジャッジの決め手は採算性などのビジネス的視点……ではなく、熱量・パッションです。

この企画では、スペシャルゲストとして個人勢VTuber・猫元パトさんも登場!実は「にゃんたじあ!」との交流もあるVTuberとして、若魔藤あんずさんとAチームを組んで参戦しました。

Aチームのプレゼン企画は「にゃんたじあ!ミュージアム」。「にゃんたじあ!」のことがよくわかるミュージアム以外にも、大ボリュームのコンテンツが詰め込まれたエリアをアピールしました。なぜか猫元パトさん要素も多数。
そして昨年の「Sanrio Virtual Festival 2024」のアーティストライブCMで脳に焼き付いたテーマソングを「洗脳ソング」と言い切る胆力……見習いたいですね。町田さんは「思ったより本気ですね!?」と驚きつつ、大ボリュームに舌を巻いている様子でした。

若魔麦たるとさんと若魔陽エルさんのBチームが発表したのは「ずっともだち☆まじっくぱーく」。味のあるイラストとともに打ち出されたのは、「6匹の相棒から1匹を選び、王国を救おう!」という体験型アトラクションです。
コンセプトはもちろん、「入場時に2000円でデータ引き継ぎができるアイテムを購入」「何度も通わないと攻略できないので年間パスポート購入動機を創出」など、ビジネス的な目線まで盛り込む本気ぶり。町田さんからも「ワクワクしました。自分もやってみたいです!」と好評価!

若魔白ソーダさん、若魔影ネオンさん、若魔雲ふわりさんのCチームは、シューティングゲーム「上手にできるかな?みんなで仲良くお料理大作戦!」をプレゼン。3人1組のライドアトラクションで、調理器具を手に野菜に魔法を放って調理をし、おいしい料理を作るのが目的なのだそう。
3人で手分けして作ったイラストスライドが可愛らしく、共同作業のワクワク感があふれるプレゼンとなり、町田さんも「調理器具を3人で分担するとコミュニケーションが生まれて、なかよくなるきっかけになりますよね!」とコンセプトを評価していました。
それぞれカラーの異なる企画が集まりましたが、見事制したのはAチーム。決め手となったのは「パッション」。町田さんはBチームと迷ったものの、多数の企画を猛プッシュするプレゼンに熱量を感じ、今回の勝者にふさわしいと判断したとのことです。Aチームのみなさん、おめでとうございます!
CMでも聴いたあの曲が完成。初のオリ曲『にゃんた the Earth!』MVお披露目!
そして、イベントの最後では「にゃんたじあ!」初のオリジナル曲『にゃんた the Earth!』のフルバージョンがMVとともにお披露目されました。
この曲、実は先程「洗脳ソング」とも紹介された、「Sanrio Virtual Festival 2024 Summer Edition」のCMにて流れていたあの曲です。「にゃんたじあ!」が一周年を迎え、初のリアルイベントを開催する記念すべきタイミングで、満を持して完成版として世に送り出されたのです!

気になるフルバージョンの全容ですが、一言でまとめちゃうと「めっちゃエモい」。これまでの「にゃんたじあ!」の歩みがMVの中でとても丁寧に紹介されており、かつファンから募集したファンアートまで登場する、一周年にふさわしい楽曲・MVに仕上がっています。そのうえで、多くの人の脳裏に焼き付くあのフレーズも健在。楽曲の決め手として聴いてみると、これまでとは違った印象を受けるかもしれません。
筆者はこれまで多くのVTuberグループ楽曲を聴いてきたのですが、MVの作り込みも含めて、正直トップクラスに感じ入る楽曲でした。まだ「にゃんたじあ!」を知らない人にもぜひ見てほしいMVです!そして、視聴後はぜひ、バーチャルピューロランドのエントランスにある「にゃんたじあ!」ブースに立ち寄ってみましょう……!
総括一周年を迎え、さらなる飛躍へ

前半は濃密な「Nakayoku Connect」の振り返り、後半は和気あいあいとした「にゃんたじあ!」のイベントと、ボリューム満点なリアルイベントでした。
実は筆者は「にゃんたじあ!」についてはそこまで詳しくはなかったのですが、このイベントを通してたっぷりとその魅力に触れることができました。最強ゴルファー決定戦やプレゼン対決で人となりを、『にゃんた the Earth!』MVでその歩みを知り、サンリオ×ClaN発VTuberとしてたしかな足跡を刻んできたことを実感する、よい機会でした。
もちろん、「Nakayoku Connect」の裏話は、当時から観覧していた身としてはただただ嬉しいコンテンツでした。「ここまで話すのか!?」と思ってしまうほどマニアックな話題の数々は、ファンほど満足度の高いものです。リアルイベントでキヌさんのお姿を見るのも、なかなかに新鮮な体験でした。
そして、これをしっかり聞き入る若魔麦たるとさんからは、かなり”ガチ”なファンの空気が漂っていました。後に3Dお披露目配信を拝見したのですが、「Nakayoku Connect」を本当に一人で披露しており、「こりゃすげえや……!」と率直に感心させられましたね。
「にゃんたじあ!」は一周年の節目を迎え、現メンバーの3Dモデル化が発表。先駆けて若魔麦たるとさんと若魔陽エルさんが3D化しています。この3D化には、『ソラハ』などでおなじみのこここやさん、『墨惺』などでおなじみのrokotaさんと、VRChatになじみ深い3Dクリエイターが携わっており、VRChatとの距離の近さを感じる展開が見られます。
さらに、「にゃんたじあ!」はモチポリの姿で「Sanrio Virtual Festival」の会場へ訪れた経験があり、若魔麦たるとさんは先日、できたての3Dモデルで「Sanrio Virtual Festival 2025」の会場をめぐる配信を行っています。そして、この2名によるキャラクターグリーティングも実施されました。サンリオ発VTuberとVRChatが、どこかでガッツリと交わっていく日も、意外と近いのかもしれませんね!