ショップ『てんぱすおおもり』オーナーてんぱすにインタビュー。こだわりのデザインについて掘り下げる【クリエイター最前線】

BOOTHでは日々VRChat向けのアバターや衣装などが商品として公開されユーザーが購入し続けています。「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書2025」によると、3Dモデルカテゴリの取扱高推移は58億円。前年比約187%を記録しています。

ユーザーの中には、BOOTHでショップを展開しているクリエイターが何を考えているのか、これからショップを作りたいと思っている人もいるはず。そこでメタカル最前線では、ショップを開設し商品を作り続けている最前線のクリエイターにインタビュー。

今回はてんぱすおおもりのオーナーであるてんぱすさんにインタビュー。カワイイが全開に詰まっている作品はいかにして作られているのか。作品を作っていく楽しみについて聞いてきました。

衣装を最大限活かせるようにアバターごとに適宜調整を入れる

──以前1周年のときにインタビューをしたことがあるのですが、あの頃から変わったことはありますか?

やっぱり、ユーザー間で使われているアバターが移り変わりましたね。

──ショップオーナーとしてアバターの移り変わりには他の人より敏感になると思うのですが、てんぱすさんの中で気に入っているアバターはなにかありますか?

『なるかでぃあ県』から出ている『あのめあ』が好きです。今日も使っているアバターがあのめあで、線の細い感じが気に入っています。商品の対応アバターにも好きで入れていることが多いです。

──白でまとまっていて、全体を見ていて満足感がありますね。アバターごとに身体のラインが異なると思いますが、何かこだわっている部分はありますか?

アバターごとにスタイルが異なるので、もっともアバターの魅力が輝けるように位置やスケールを調整しています。

──アイドルで同一の衣装を揃えるときにも、それぞれスタイルが違っても並んだら同じようなシルエットで美しいってなるような感覚ですね。アバターの衣装を作り出したきっかけはなんでしょうか?

趣味でやっています。もともと着せ替えさせる遊びが大好きだったので、今はVRChatのアバターに移ってきたようなものです。衣装を作るのも、今自分が作りたいものを優先して作っています。なので、季節感はあまりないですね。

──商品一覧を見ていても、振り袖は年末年始かなといった印象はありますが基本的には季節感をあまり意識させないコンセプトが多いですね。

さすがに冬場に水着、夏場にファーのようなミスマッチは避けますが、それ以外は好きなものを手掛け続ける感じです。なので、気が変わって作るものを変えたりしています。後は新作アバターの発売タイミングのお話をいただいたときも大きいですかね。

──新作アバターの中では、ショップに声を掛けて衣装の対応をしてもらうことがありますからね。

対応するのもいいのだけども、カワイイから似合う衣装を新しく着せたいと思って間に合わせるために必死になって作ることもあります。

自分の好きなことを楽しんでいく・こだわっていく

──てんぱすおおもりの素敵な部分として、商品画像のこだわりがあるのでこの部分について聞かせてください。外部のデザイナーのメメロランドさんに依頼しているのですが、こちらはどのように考えていますか?

基本的にいつもお願いしているメメロランドさんに素材だけお渡しして任せています。

──ショップによって異なりますが、商品画像は統一のフォーマットで出しているものと商品ごとにこだわりがあるパターンで分かれていますよね。その中でもてんぱすおおもりは、商品ごとにガラッと変わるうえでそのフォーマットで全ページこだわり抜いて作っているのが伝わってきていいですよね。

毎回完成品をもらうたびに嬉しくなっていますね。

実際の商品ページに使われている画像
検索などで表示される1枚目はもちろん、それ以外のページでもアイテムを見せつつもワクワクさせる作りに

──ここまで来ると商品画像を作ってもらうのも1つ衣装を作るうえでの楽しみになりますね。

そうですね。他にも衣装を着ている写真をハッシュタグ付きで投稿しているのもすごく嬉しいですね。ブックマークもしちゃってます。

──ブックマークに付いている1の数字は自分だぞってことですね(笑)

そうやって好きに作っていることで、色々言われることがあっても割り切ることができますから。

──自分のために作っているならわざわざ付き合う必要ないですからね。ショップ運営に関しては、デザイナー以外は1人でやっていますか?

モデリングやアバター対応などは一部外部に対応を依頼していますね。衣装デザインやテクスチャ周りに関しては、やっていて楽しい部分なので自分で取り掛かっています。

──好きでやっているのに、その作業を委託してしまったら元も子もないですからね。

外部に委託しているのも、自分の力が及ばない部分について力を借りるためですね。なので、ショップ運営をしていくうえで、一部の工程を外部に委託するのも任せるのも選択肢だと思います。

──費用とも相談になりますが、やはりある程度の規模になるとチームでの体制になるのは1人でできない規模を実現するためとも言えるわけですね。最後にですが、これからBOOTHショップをやる人に向けてインプットのアドバイスをお願いします。

とにかく見ることじゃないでしょうか。衣装を作るうえで分からないことがあれば、インターネットで調べるのもいいですが、作りたい服の系統がいる場所やお店に実際に行ってみるといいでしょう。着ない服でも実際に購入して実物を見ながら衣装の理解を深めることもしています。

──好きでやっていくというのは、少しずつ詰めていく過程が苦にならないものなのでしょうね。今回はありがとうございました。