「VRChatで素敵な写真を撮りたいけど、いつもフレンドと都合が合うわけじゃない……」
「自分のアバター同士を並べて、理想のシチュエーションを写真に収めたい!」
VRChatで写真撮影を楽しんでいると、そんな風に思うことはありませんか?
そんな願いを叶えてくれるのが、今回ご紹介する『AvatarPoseSystem:AlterBody』です。
これは、アバターギミック『AvatarPoseSystem』の拡張機能。 アバターのポーズを固定して自由に動かせる機能に加えて、分身したかのように2体目のアバターを出現させることができます。これにより、1人2役での写真撮影が可能になります。

この記事では、『AvatarPoseSystem:AlterBody』の仕様から導入方法、そして実際に使ってみて分かった注意点まで、解説していきます。
『AvatarPoseSystem:AlterBody』で何ができる?まず知っておきたい大前提
『AvatarPoseSystem:AlterBody』は便利なツールです。 ですが、導入前に知っておくべき重要な前提条件があります。
購入してから「思っていたのと違った……」とならないよう、まずは基本的な仕様をしっかり確認しておきましょう。
まず、このギミックは『AvatarPoseSystem』の拡張機能です。 そのため、単体では機能しません。ベースとなる『AvatarPoseSystem』と、拡張機能である『AvatarPoseSystem:AlterBody』の両方を購入・導入する必要があります。
そして重要なポイントは、「分身として出現させた2体目のアバターのポーズは固定できない」という点です。
ポーズを固定して自由に動かせるのは、操作している本体(1体目)のアバターのみです。 2体目のアバターは自分のトラッキングに合わせて動きます。
そのため、「1体目を好きなポーズで固定し、2体目は自分で動いてポーズを合わせる」という使い方が基本になります。
ただし、2体目のアバターからさらに分離し、自身は透明な状態で自由に動き回ってカメラ撮影、1体目のポーズ調整をすることは可能です。タイマーを使った固定も使用できます。
そのため、あくまで「2体目もAvatarPoseSystemでポーズ固定できる」というわけではない、という点を理解しておきましょう。
導入してみよう
ここからは、実際の導入手順を解説します。
まず事前準備です。 プロジェクトにSDKとAvatarPoseSystem、そしてAvatarPoseSystem_AlterBodyをインポートしておきましょう。AvatarPoseSystemを導入していれば、基本的には問題ありません。
併せて、本体として使うアバターと分身として使いたいアバターの2体をシーンに配置してください。
準備ができたら、AvatarPoseSystemのPrefabを本体アバターのルートオブジェクト直下に入れます。 続いてAvatarPoseSystem_AlterBodyのPrefabも同様に本体アバターに入れてください。

次にコンポーネントの設定です。 AvatarPoseSystem_AlterBodyのPrefabにあるコンポーネントを探してください。

「Alter Body Avatar」という項目に、分身にしたいアバターのルートオブジェクトをドラッグ&ドロップで設定します。
このとき、「Ignore Objects」の項目を使えば、分身側で無効にしたいオブジェクト(特定の衣装やギミックなど)を指定することも可能です。
上記の設定が完了したら、通常通りアバターをアップロードして完了です。
導入時に知っておきたい注意点
アバターを2体分表示させるという特性上、パフォーマンスやアバターの互換性について、いくつか注意すべき点があります。
アバターの軽量化は推奨
アバター2体分が計算されるため、パフォーマンスランクの制限を超えてしまう可能性があります。
制限を超えるとアップロードできないため、撮影用と割り切る場合でも、アバターの最適化は行っておくのがオススメです。 最適化ツール『AvatarOptimizer』などを活用し、「Trace And Optimize」のコンポーネントを追加するだけでも効果があります。
体型の異なるアバターで組み合わせた場合
商品ページでの説明では、本体と分身は近い体型のアバターが推奨されています。
実際に試したところ、性別や体格が大きく異なると、視点(ViewPosition)が大きくズレたり、身長差によって分身の足が地面に埋まる、または浮いてしまうといった問題が発生しやすくなりました。
もちろん、別のアバターでも機能しますが、高さ調整をはじめ手間が増えることは覚悟しておきましょう。 無難なのは、同一アバターのバリエーション違いを使用することです。
他のギミックとの検証
アバターに導入している他のギミックが分身時にどう動作するのか、筆者の環境で検証してみました。
まず『Avatar Pose Library』自体は、分身側でもポーズメニューからポーズを変更可能でした。 多少体格が違うアバターでもポーズでごまかしが効くかもしれません。ただし、移動解除をメニューから選ばないと動けないので注意。
次に『Light Limit Changer』ですが、こちらも本体と分身の両方で動作するものの、設定が同期してしまうため、光源が違う場所だと違和感が出る可能性があります。
一方で表情管理ツールの『FaceEmo』は、分身側は機能しませんでした。本体側は動作するので、本体は設定し分身側は自分の手で動かすといった形になります。
『AvatarPoseSystem』を気に入っている人ならばオススメの拡張
『AvatarPoseSystem:AlterBody』は、いくつかの前提条件や注意点はあるものの、それらを理解すれば1人での写真撮影の可能性を大きく広げてくれるギミックです。
アバターを複数出す手段は必ずしも『AvatarPoseSystem:AlterBody』でなければならないといったわけではないですが、すでに『AvatarPoseSystem』を気に入って使っている方にはオススメでしょう。
『AvatarPoseSystem』は直近では拡張機能のリリースが行われています。 執筆時点では調整できるボーンを増やす拡張機能が公開されているほか、小物類も調整の対象に入れる機能も予告しています。