VRMコンソーシアム主催「アバターアワード2022」開催 特別功労賞にバーチャル美少女ねむ選出

一般社団法人VRMコンソーシアムは12月22日、メタバース上での自己の分身「アバター」を審査・表彰する「アバターアワード2022」の授賞式をニコニコ生放送にて開催。各賞の受賞者を発表しました。

今年は、200点を超える作品が応募され、その中の11作品が最終ノミネート。バーチャルランウェイでパフォーマンスを披露したほか、昨年は受賞者のいなかった特別功労賞が選出。初代受賞の「キズナアイ」に続き、今回は「バーチャル美少女ねむ」を選出しました。

「アバターアワード2022」とは?

「アバターアワード」は、3Dモデルの共通規格「VRM」を策定および推進する一般社団法人VRMコンソーシアムが主催するアバターコンテストです。独創的なアバター文化の振興とクリエイターの社会的認知の向上を目的として、一昨年2020年よりスタートしました。一般応募の中から審査員が選考を行い、優秀作品は生放送のバーチャルランウェイにて紹介、表彰されました。

今回は、「キャラクター性・ファッション性・先進性」を評価基準に、アニメ監督の橋本裕之、漫画家・イラストレーターの吉崎観音氏、ファッション・クリエイティブ・ディレクターの軍地彩弓氏、ラノベ編集者の三木一馬氏、4名が審査員を務め、番組MCは吉田尚記氏が担当しました。

審査結果のご紹介

「アバター部門」

■最優秀賞「amele」(投稿者:大幸太一氏)

【審査員コメント】
・ポップさとキュートさ、東京KAWAIIを体現している。後ろのリュックのネコなど、ウィットに富んでいるところも素晴らしいです。(軍地)
・動き出すとすぐに、見どころと楽しさが溢れるキャラクターであることが伝わってきました。(吉崎)
・動きのない画像のみでの書類審査では、あまり評価していなかったのですが、ランウェイでの動きによって血が通ったような生き生きとした印象になりました。服装の揺れ動く流れもゴージャスで良かったです。(三木)

■優秀賞「REIRO12th 魔態遍照」(投稿者:REIRO_MCno151 VBC CLI氏)

【審査員コメント】
・物理的なデザインではあり得ない空中に浮かぶようなデザインはアバターのファッションならではだと思いました。髪型、ブーツに至るまで描き込まれた不思議な個性を感じます。(軍地)

「Lilith」(投稿者:Yencho氏)

【審査員コメント】
・各所抑えた表現が、2D・3Dの境界を感じさせない効果を作り出していて目を奪われてしまいます。一歩進んだ表現を感じました。(吉崎)
・服の柄が本当に綺麗。色んな物がミックスされていてキャラクターのミステリアスさとマッチしてる気がします。(橋本)

「音無むおん Cyber Punkモード」(投稿者:バーチャルしろくま氏)

【審査員コメント】
・色使いがかっこいい!帽子まで動いているのが細かい。よく見ると靴底にまでラインが入っている!(橋本)
・まさに近未来なテクノロジーを彷彿とさせるコンセプチュアルなかっこいいアバターで、動きもまさにそのかっこよさが体現されていて良かったです。帽子の猫耳や、尻尾のアクセントも特徴的でいいと思いました。(三木)

■最終ノミネート作品一覧

「栗絵マナ」(投稿者:佐久間蒼乃氏) / 「グラキエース」(投稿者:thyme氏)/ 「UAJ-06」(投稿者:モォズ店長氏)/ 「VKILL 姫君の装い」(投稿者: HINAMIE氏) / 「とうろう蘭子」(投稿者:フィヤン子氏) / 「猫森ハクア」(投稿者:伽羅メルク氏)  / 「甘野氷」(投稿者:甘野氷氏、制作協力:Luy氏)

※アバターアワード全応募作品については、Twitterのハッシュタグ検索「#AvatarAward2022」からご覧いただけます。

「アバターライフ部門」受賞結果

アバター同士の交流やアバターならではの活動が伝わる最高のショットを評価する新設の「アバターライフ部門」。応募作品40点の中から選ばれた栄えある初代受賞は『焚火を囲んでみんな野生に返るひと時』(投稿者:damakoko氏)です。

『焚火を囲んでみんな野生に返るひと時』 (投稿者:damakoko氏)

【審査員コメント:アバターアワード実行委員長 大前広樹氏】
沢山の人が集まって、たき火の前で踊ったり音楽を奏でたりする様に「あ、この日はきっととても楽しくて、特別な時間だったんだろうな」という、幸せいっぱいの瞬間が伝わってきました。

※アバターライフ部門の応募作品については、Twitterのハッシュタグ検索「#AvatarAward2022」「#AvatarLife」からご覧いただけます。

特別功労賞」にバーチャル美少女ねむ選出

また、アバター文化の一般への認知度向上や文化推進に最も貢献した人に贈られる賞である「アバターアワード2022特別功労賞」には、今年3月に発売され話題を呼んだ「メタバース進化論」の著者でもあるVTuber・メタバース文化エヴァンジェリストのバーチャル美少女ねむ氏が選出されました。同賞の受賞は2020年のVTuber・キズナアイ氏の受賞に続く、2人目の選出となります。

表彰式では、全世界のメタバースユーザー1200名を分析したアンケート調査「ソーシャルVR国勢調査」や、仮想世界のルポルタージュ「メタバース進化論」(技術評論社)の執筆など、様々な活動によるアバター文化への貢献が審査員により語られました。

バーチャル美少女ねむ

このたびはアバターアワード特別功労賞を頂き、とても嬉しいです! 本当にありがとうございます!

私は「バーチャルでなりたい自分になる」というビジョンを実現するため、ブームになる前から個人でVTuber活動をしてきました。メタバースで生きる住人の文化を現地調査して本を出版したり、様々なメディアでアバターがもたらす人類の新たな進化の可能性を発信してきました。

今はまだ私達一部のアーリーアダプターが生活している状況に過ぎないですが、いずれメタバースが一般化すると「誰もが自由に簡単に、アバターの姿を纏って、なりたい自分として生きていく」ために、VRMは最も重要な技術になると考えています。

これからもバーチャル文化の最先端に挑戦して、たくさんの可能性を届けていきたいと思います。このたびは本当にありがとうございました!

●参考リンク
プレスリリース
「アバターアワード2022」公式サイト
一般社団法人VRMコンソーシアム公式サイト

ABOUT US
アシュトン「メタカル最前線」初代編集長
2021年3月より「VRChat」はじめソーシャルVR/メタバースの魅力を発信するメタバースライターとして活動。週100時間以上仮想空間で生活する「メタバース住人」として、AbemaTV「ABEMA PRIME」、関西テレビ「報道ランナー」、TBS「サンデー・ジャポン」ほか多くのメディア取材を受ける。2022年4月に「メタカル最前線」を創刊。