Vket Cloudって一体何なんだ? HIKKYに聞いてみた!

バーチャルマーケットに行くたびに思うことはありませんか?

「Vket Cloudって一体なんなの?」

会場の1つとして用意されているのは分かるけども、その実態は分からないという人は多いのではないでしょうか。

分からないことをはっきりさせるべく、今回はHIKKYより広報の育良啓一郎さんを呼んで、Vket Cloudってなんなのか聞いてみることにしました。

Vket Cloudは開発エンジン

ーー最初になんですが、Vket Cloudがあると思うのですけども、どういったサービスなんでしょうか。最近ですと、MyVketも出てきて色々サービスがあるなぁって印象だと思っています。

分かりにくいですよね(笑)内部でも散々言っています。簡単に説明するとVket Cloudはブラウザメタバースの開発エンジンです。厳密には違うのですが、VRChatでいうUnityに相当します。SDKを開放していて、ユーザーや他社にもSDK(開発者ツール)を配布して、Vket Cloudの機能を使って開発できるようにしています。

そこから、Vket CloudでもQONOQのXR WorldやJR東日本の“Virtual AKIBA Worldにも生かされています。ユーザー用とは別のチューニングが行われていますが、ベースはほぼ同じです。チューニングというのは、外部APIをつなぎたいなどの要望に対してカスタムしているようなイメージです。

XRW = QONOQ XR World
VAW = JR東日本 Virtual AKIBA World

ーーユーザーから見て、Vket Cloudで作ることのメリットはなんでしょうか。

まずはブラウザメタバースであること。他には、アバターがVRM対応していることもありますね。細かい話になると、Vket Cloudは100万ポリゴンまでいけて、PBR対応、ライトマップもいけます。

実は最近、物理演算もできるようになりました。ボールの動きも再現できます。近々公開されるかなと……。

ーーさらっと初公開情報入れましたね……物理演算もできるのはすごいですね。

ブラウザメタバースでもスマホを前提にした作りにしています。他のサービスですとPCを前提にしていることもありますが、アクセシビリティも含めてスマホを想定にした作りにしているのが特徴です。

あとは、ギミック類の実装も日本の会社なのでカスタムしやすいのもありますね。

「会うこと」がメタバースの面白さ

ーー実際にやってみないと、どの機能が必要になるかは分かりませんからね。助かるポイントです。そうなると構想としては、ガンガンいろんなユーザーに使ってもらいたいと考えているのでしょうか?

プラットフォームで囲い込みをしようとするじゃないですか、ただHIKKYにいる多くの人は、プラットフォームではないので囲い込みはしなくてもいいかなって考えています。将来のことを考えて、みんながプラットフォームを持てるようにしたほうがいいんじゃないかなって思ってVket Cloudを作ることにしました。

ーー囲い込みを行わない思想を持っていると聞いたときに思ったのですが、MyVketで作れるアバターって商用利用とVRM書き出しができるんですよね。

みんな持っていってくれって感じですね。

ーーVRChatのユーザーがこのようにしてVket Cloudを活用するといいよって思うことはありますか?

僕個人の考えなのですが、Vket Cloudを使ってVRChatの自分のワールドを公開してみるのがいいのかなと思います。Vket Cloudのワールド制作でもUnity上で操作ができるので、コンポーネントなどを入れ替えれば、わりとアッサリVRChatで作ったワールドをVket Cloud用にできます。

内部的にはアップロード時、ブラウザメタバースのエンジンであるVket Cloud用にUnityのデータを変換しています。Unityのビルドがそのまま公開されるわけではない感じですね。

アップロードをしたあとは、URLだけでアカウントなしで入れるようになるので、お父さんやお母さんに渡せば遊んでもらえるんですよね。VRChatの外にも自分たちの活動の一端を知ってもらえる機会に使えるのかなって思います。メタバースの面白さって「会うこと」じゃないですか、まったくメタバースに触れていない人にも届けられるじゃないかなって思います

これからのVket Cloud

ーー最近TwitterでVket Cloudの実証実験を公開していますが、Vket Cloudは今後どのように運用していきたいか考えていることはありますか?

めちゃくちゃあるんですよね(笑)いま出ているのは、大人数が同時に入れるようになるルームや動的ローディングと呼ばれる裏で読み込みながらルームが移動できる機能があります。この2つを組み合わせると、同じルームに数百人が一斉に入れますよね。これができると可能性が広がるので、基盤の開発を進めています。

ーー大人数でのルームを求めている理由は何かあるのでしょうか?

やっぱりいろんな会社から要望として大人数での参加ってあるんですよ。100人で渋られるなら、できるようにしてしまえってのが取り組んでいることです。

ーーさすがですね。

あとは基盤的な機能もそうなのですが、UIもベースは同じですけども今年一回大幅な更新が入ります。

ーーVRChatユーザーに向けて例えるなら、VCCの1.0から2.0になったときみたいな感じですかね?

そうです。バーチャルマーケット前でやります。

ーーほかには新機能の実装はありますか?

Vket Spaceという法人向けのイベントパッケージというVket Cloudを使って、会場を用意するプランを用意します。3月22日のかなえる学園のイベントで、超大人数の会場で実証実験を実施しました。

ーーVket2023SummerのVket Cloud会場が発表されましたが、新規の会場で行われる理由は何かありますか。

そうですね……今後の展開に注目してもらえればいろいろ分かると思います。

ーーVket CloudやMyVketの情報を追うには、どこで手に入れればよろしいでしょうか。

Twitterアカウントが1番早いですね。他にもDiscordサーバーがあるのですが、Twitterでも言っていない情報を書かれることがあります。COOの黒銀がめっちゃ軽いノリでぽろり情報を出してきます(笑)

MyVketだと月2回に配信を行っていて、最新情報や発表もしています。

Vket CloudのSDKについても発表されていましたね。番組の出演者は、僕とさわえみかさんとVket CloudのSDK開発ディレクターとMyVketの広報のトップになります。

ーーコアメンバーがめっちゃ現場に出ていますね(笑)

不具合に関する問題が出ると謝りますね。へこみすぎない程度に不具合や要望を言ってもらえればと思います。

ーー最後に記事を読んでいる人に向けて話しておきたいことはありますか。

とにかくご意見ください。僕らもいろいろ考えて作るのですが、使ってくださる人の声が大事ですので。例えばポータルの機能が欲しいってユーザーの声が出たら、会議に僕が持ち込んで「ユーザーの声ですよ!」って言えます。Twitterでもいいですし、Discordの要望チャンネルでも大丈夫です。しょうがないから一緒にやってやるよって気分で付き合ってもらえればと思います。

ーーありがとうございました。