GWはメタバースで観光!VRChatにある海外旅行スポット5つをご紹介

世間はすっかりゴールデンウィーク真っ盛り。今年は、約3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークになりますが、約7割の人が自宅で過ごすと回答するアンケートが発表されるなど、依然として旅行などの遠出はしにくいご時世が続いています。

家の外には出なくても外出気分が味わえる。そんなところも、メタバースやソーシャルVRの魅力の一つ。メタバースなら、移動時間もかからずに様々な場所を楽しめますし、住んでる地域に関係なく友人と一緒に観光スポットを巡ることもできちゃいます!

前回の記事では、国内スポットに限って紹介しましたが、今回は海外の観光スポットを中心に紹介していきます!現実で旅行好きの方も楽しめるはず!ぜひこの機会にメタバースでの観光スポット巡りに足を運んでみてはいかがでしょうか。

【超入門】ソーシャルVRの代表格「VRChat」の始め方を徹底解説

観光の定番!「Venice Basilica Salute」by nobelchoco

まず紹介するのは、nobelchocoさんが制作したイタリア・水の都ヴェネツィアを再現したワールド「Venice Basilica Salute」です。このワールドは、現実の写真をベースに3Dモデルを生成するフォトグラメトリーと呼ばれる技術を用いて制作されており、本当に現実世界に遊びに来たような感覚が味わえる点が特徴です。イメージとしては、Google Mapのストリートビューに入り込めると考えると分かりやすいでしょう。

ワールドで訪れられるエリア付近のGoogle Map

サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂を中心に、周辺を観光できるほか、現実では「フェリーターミナル」となっている位置にはゴンドラが周期的に遊覧しており、これに乗って周りの海を一周することもできます。

右に映っているのがサルーテ大聖堂
水面に映るフォトリアルな街並み。美少女アバターとのミスマッチ感が面白い
実際にゴンドラで敢行する様子 フレンドと観光地を訪れる体験は現実の旅行に勝るとも劣らない

現実でも一度は訪れたいヴェネツィアですが、イタリアにあることもあり実際に訪れるにはなかなかハードルが高い旅行先です。また、ヴェネツィアは度々観光客が集中しすぎて住民生活や自然環境、景観に悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」の問題も取りざたされていました。

メタバース上での観光なら、人気の観光スポットもひとり占めすることができます。住民生活に迷惑をかけることもなく、景観を楽しめ、かつ友人などと一緒に訪れることもできることがメタバース旅行の利点です。人生で一度は行きたい水の都・ヴェネツィアに遊びにって見てはいかがでしょうか。

Venice Basilica Salute — by nobelchoco

聖地巡礼もVRで 「Colmar Town」by nobelchoco

続いて紹介するワールドもnobelchocoさん制作のフォトグラメトリ―ワールド。「Colmar Town」です。ドイツ国境に近いフランス北東部のグランテスト地域圏にあるこの町、まんがタイムきららMAX作品「ご注文はうさぎですか?」(通称:ごちうさ)の舞台「木組みの街」のモデルとしても知られているんです。

アニメ2期エンディング「ときめきポポロン」に登場する通称チマメ橋
同じく「ときめきポポロン」最後のカットで使用されている場面

アニメファンの間ではよく行われている「聖地巡礼」がメタバース上でもできてしまいます。旅費も0円、移動時間も0、さらに自分自身も可愛いアバターで記念撮影もできる。実際に訪れたときの感動に比べると少し劣るかもしれませんが、「本当にこの場所があったんだ」という感動と、その場に来たような没入感に加え、アバターの魅力が加わると、これも新たな楽しみ方として広がっていきそうです。

Colmar Town — by nobelchoco

現実ではいけない場所へ「Moscow Trip 1952-River Tram (v 5․1)」by DrMorro

せっかくのメタバース旅行。現実ではもう行けない場所へ行ってみるのも一興でしょう。そんなあなたにおすすめなのがDrMorroさんが制作したこのワールド「Moscow Trip 1952-River Tram (v 5․1)」です。

ここはタイトルにもある通り、1952年冷戦期のモスクワの雰囲気が味わえるワールドです。モデルは、これまでのフォトグラメトリ―とは異なりフルスクラッチで、全4エリアにいけるかなり広大なマップとなっています。

共産圏の独特の雰囲気を感じられる住宅街 当時の雰囲気がそのまま再現されているようだ
スポーン地点には歴代指導者の肖像画が飾られるなどかなりソ連色の強い入口だ
街中のポスターなど細かい部分にも当時の雰囲気を感じられ本当にタイムスリップした感覚になる

川辺の「RiverTram」には実際に乗船することができ、モスクワ川を遊覧できます。

エリアを移動した先にあるRiverTram 矢印の案内に従い乗船する
操縦桿をインタラクトすることで実際にRiverTramが動き始める

また、注目の点がこの異様な存在感を放つソビエト宮殿。1930年代にモスクワ最大の教会であった救世主ハリストス大聖堂を解体し、同敷地に建設を進めていたこの宮殿ですが、実は1940年代には第二次世界大戦のあおりを受け建設が中止に。以降、建設計画は白紙となり幻の建物と化した現実には存在しない建物なのです。

RiverTramの終着点ともなっているソビエト宮殿 巨大建築の頂上にレーニン像が堂々とそびえたつ

時代をさかのぼり、今はない風景を楽しめる。それどころか、ifの歴史を歩んだ幻の景観が拝める。これぞメタバース旅行の醍醐味といえる旅行先になるでしょう。

Moscow Trip 1952-River Tram (v 5․1) — by DrMorro

韓国勢の集会場にも 「Hwabon Night(화본역)」by Bepsi Train

海外旅行の醍醐味のひとつに現地の人たちとの異文化交流があると考える人も多いでしょう。観光マップには乗っていないような地元の人しかいないスポットに遊びに行って、ディープな旅行体験をする。私もそんな楽しみ方をしたくなります。

そこで紹介したいのがこの「Hwabon Night(화본역)」です。韓国の慶尚北道軍威(グニ)郡に位置する実在の駅をモデルにしており、韓国ユーザーのBepsi Trainさんが制作しています。鉄道ファンや写真愛好家の間では知名度のある駅のようで、過去いくつかの番組でロケ地に使われたこともあるそうです。

駅の表札。どこか日本の地方の駅表札に近いものを感じる

VRChat上では、韓国ユーザーの集会ワールドとしての側面もあり、夜頃にPublicインスタンスに訪れると多くの韓国語圏ユーザーを見かけることができます。

駅の方へ向かうと、定期的に列車が運行してくるギミックも。韓国語と英語でアナウンスが流れた後に「Galaxy Train 2022」というワールドへ続くポータルを出現させる列車が到着しました。

実際に列車が到着した
ドアの位置にポータルが出現するギミックは本当に列車で移動するような演出で面白い

ワールドの雰囲気もいいので、異文化情緒に触れながらゆっくりしたいときなどにも使えそうです。韓国語圏に興味のある方はぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

Hwabon Night(화본역) — by Bepsi Train

巨大なタワーをよじ登れ!「Just Under Tower」by JITOME

最後に紹介するのはこのエッフェル塔風の巨大な塔があるワールド「Just Under Tower」です。ワールド名通り、巨大なタワーがあるだけのワールドで、今回紹介するものの中で唯一現実の特定の場所を再現していないマップになります。

一見した見た目はかなりエッフェル塔に近いですし、写真映えするスポットも多いので、観光スポットとしても適しているため今回のラインアップに含めました。このワールドの魅力はなんといってもこの巨大な塔。おそらく、現実のエッフェル塔とも比にならないほどのサイズ感です。

なんと、塔の真下には線路や建物などが収まっており、その広さがうかがい知れます。

塔の真下だけでもかなり広い!

そして、このタワー。最大の見どころは、よじ登ることができることです!
単純にタワーが大きすぎるため、ひと1人分程度は柱に十分乗れてしまい、登れてしまうというだけのはずですが、現実では絶対にできないバーチャルならではの楽しみ方で個人的には非常に気に入っている部分です。

ちょっと操作ミスをすると奈落へ落下してしまうためかなり緊張感がある
足元を見ると本当にすくんでしまうほどの高さだ

このスケール感でタワーを不安定な柱伝いに登っていくのはかなり恐ろしく、バーチャルであるはずなのに肝が冷えます。文字通り手に汗握る体験ですが、高い塔を見たときに誰しもが一度は思ったことがあるであろう「これ、頑張れば登れるのかな」という疑問を実際に試せるのはかなり心躍る体験だと感じます。

この圧倒的なスケール感

単純に写真撮影スポットとしても、画になるスポットがいくつもあるワールドなので、おすすめです。ぜひ綺麗な景観を楽しみに、もしくは塔の「攻略」をしに遊びに来てみてはいかがでしょうか。

ABOUT US
アシュトン「メタカル最前線」初代編集長
2021年3月より「VRChat」はじめソーシャルVR/メタバースの魅力を発信するメタバースライターとして活動。週100時間以上仮想空間で生活する「メタバース住人」として、AbemaTV「ABEMA PRIME」、関西テレビ「報道ランナー」、TBS「サンデー・ジャポン」ほか多くのメディア取材を受ける。2022年4月に「メタカル最前線」を創刊。