GWは家にいた?今でも間に合う!地方がモチーフになったVRChatワールドで旅に出よう!

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?お家でゆっくり過ごしたり、実家へ帰省された方もいるのではないでしょうか。筆者は旅好きで、今度の連休もどこかへ行こうかと考えていましたが……

お財布の事情で遠出をすることは叶わずでした。しかし、ヘッドセットを持つ者なら誰しもが旅をすることができます。そう、バーチャルならね。

ソーシャルVRにはさまざまなワールドが存在していますが、オリジナルのものだけでなく、現実に近いワールドもあります。今回は現実に存在する地域・場所がモチーフとなったワールドに絞って、VRChatのワールドを4つ紹介

北陸のイイもの大集合『バーチャル北陸』

まずは北陸4県(新潟県、富山県、石川県、福井県)の名物が詰まったワールド『バーチャル北陸』。VRC北陸集会主催のあまぐりさんが制作され、イベントの会場として使われています。

このワールド、ただ名物を展示しているだけではなく、その配置センスが非常に素晴らしい。入ってすぐ目に入ってくるバーチャル北陸の看板、ワールドを彩るグルメや名産品、建造物、そして北陸新幹線といった北陸のスターたち。

ひとつひとつが大きなサイズで並べられていますが、それらがそのカオスなインパクトを食い合うことなく、良さを潰し合わないようになっています。

入口横の越前ガニ

ポスターが飾られた道を進んでいくと、このワールドのメインエリアへ到着。北陸4県の各紹介エリアの入口が作られており、その周りには地域の名物が並んでいます。

3Dスキャンで作られた3Dモデルが多く使用されているようで、現物の質感がわかりやすいです。

各県のエリアには、その土地のランドマークが並べられています。どのエリアも面白い展示が並んでいますが、特に目を引くのは、入口から何頭もお出迎えしてくる恐竜たち。

この恐竜は福井エリアの展示物で、福井県の勝山市には、世界三大恐竜博物館として数えられる「福井県立恐竜博物館」があり、実際に街には恐竜のモニュメントが並んでいるそうです。

そしてこのワールドで忘れてはいけないのが、入口から左手にある北陸新幹線「かがやき」! ここから生えているジップラインから、このワールドを上空から見て回ることができます。

新幹線に沿って進む途中には、新潟の天然記念物トキや富山のホタルイカ、そしてその奥には富山の黒部ダムがあります。

北陸4県の名物を余すことなく楽しめるワールドです。北陸にゆかりのある方は、ぜひ立ち寄ってみると良いでしょう。

際の国の古き良き江戸の街『Kawagoe KoEdo』

『Kawagoe KoEdo』は、埼玉県川越市の観光地「小江戸川越」エリアをデジタルアーカイブ化したワールドです。さまざまな角度から撮影した写真から3Dモデルを生成するフォトグラメトリという技術で作られています。

制作は、龍 lileaさんで、「銭洗弁財天VR」や「富士山VR」といった数多くのフォトグラメトリワールドを公開している人です。

ワールドには、観光スポットとして知られる蔵造りの街並みから「時の鐘」がある通りまでを再現。モデルの精度が高く、現地の雰囲気を感じることができます。

現地ではいつも観光客がひしめき合っていますが、このワールドでならこの大通りを独り占めして、ど真ん中を闊歩することができます。現地は人も車も多いエリアのため、これはバーチャルならではの強みです。

蔵造りの通り
時の鐘

川越グルメを楽しむこともできます。お団子にキュウリ、もなか等々。手に持てるようになっているので、記念写真も撮りやすいです。

龍 lileaさんのフォトグラメトリワールドは、3Dモデルと現地の説明書きや、それに合わせた演出をかけ合わせたものが多く、バーチャルを活かした魅せ方をしています。

例えば、このワールドでは、入口の真っ白な空間に風鈴が一つ浮かんでいて、それをインタラクトすることで川越の風景が広がっていく演出が盛り込まれています。

同じエリアで冬バージョンになったワールドも作成されているので、雪が積もる冬の川越を見たい方はこちらからどうぞ。

日本が誇る世界遺産をバーチャルに、『Virtual Miyajima in VRC広島集会』

『Virtual Miyajima in VRC広島集会』は、その名の通り「VRC広島集会」の会場として作られたワールド。広島県廿日市市にある「宮島」がモデルとなっています。制作者は、coukyこうきぃさんです。

ワールドに入ると目の前には、フェリー乗り場があり、ここから宮島へ向かいます。実際に宮島へ向かう際にも同じようにフェリーを使って行きます。

宮島へ、レッツゴー!!

宮島に着くとさっそく宮島名物の鹿がお出迎え。紅葉も映えていて宮島の雰囲気が出ています。

奥に進んでいくと世界遺産「厳島神社」があります。厳島神社といえば、海上にある大鳥居と回廊を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。どちらもとても大きく立派で、大鳥居は近くのボートを操縦してくぐることも可能です。

そしてもう1つの名物「大杓子」。伝統工芸である宮島細工のシンボルとして展示されています。実際の宮島にも大きなサイズで置かれており、その大きさは全長7.7mです。

現地に置いてあるものは触ることができませんが、バーチャルでは掴んで触ることができます。島内の中でも面白い撮影スポットです。

一通り島を観光し終えたらごはんタイム。いただくのは広島名物の牡蠣です。海の上にある浜焼きスペースで、牡蠣を焼くギミックで遊べます。

バーチャルで感じる沖縄の歴史『CAVE OKINAWA』

最後は沖縄県うるま市にある鍾乳洞のワールド『CAVE OKINAWA』です。先述した「Kawagoe KoEdo」と同じく、このワールドもフォトグラメトリで生成された3Dモデルを使用したもの。制作者は、VRChatに「リトルワールド」や「友ヶ島第3砲台跡」といった数々のフォトグラメトリワールドを公開しているとこよしさんです。

驚くことなかれ、この写真は現地で撮ってきたものではありません。なんとVRChatのワールドで撮影したものです。とこよしさんが作るワールドは、フォトグラメトリの精度がとても高く、本当に現地に来たかのように感じられます。

もちろんただリアルなワールドではありません。ワールドの入口にある説明書きやMAPから、この「ぬちしぬじガマ」の歴史や見どころについて学べます。

戦時中、このガマに非難した300人の命を守ったことから、沖縄の方言で「命をしのぐ」という意味の「ぬちしぬじ」と呼ばれるようになったことが書かれています。現地の空気を強く感じることができるフォトグラメトリだからこそ、このような歴史も合わせて知っていくことが大事なのではないでしょうか。

さらに、とこよしさんのワールドでは、フォトグラメトリを行った際の機材や制作過程の情報を知ることもでき、フォトグラメトリ愛好家には非常に嬉しいワールドとなっています。フォトグラメトリに興味がある方は、ぜひ「CAVE OKINAWA」を初めとしたとこよしさんのワールドを周ってみると良いでしょう。

地方がモチーフとなった4つのVRChatワールドを紹介させていただきました。遠出ができなかった方は、気晴らしになったでしょうか。VRも良いですが、ぜひ現地にも足を運んでみてください。きっと両方を体験することで見えてくる世界もあるかと思います。

また、最近では地方自体が、観光地の魅力を伝える手段や、地域の方向けに行政の手続きや街コン等の場として、ソーシャルVRを活用した事例も増えており、今後も注目です。

メタカル最前線では、過去にも国内ワールドを取り上げたことがあります。

記事公開以降も、定期的に非公式・公式問わずにワールドを使って、多くの人に接点を持たせる機会を作っています。VRChatで魅力を知り、現実で堪能してはいかがでしょうか。

●参考リンク
あまぐり(X)
とこよし(X)
coukyこうきぃ(X)
龍 lilea(X)