clusterをはじめ、さまざまなプラットフォームで使用されているVRM形式アバター。8月20日のcluster公式番組「Hello Cluster」にて、VRM1.0の対応が発表されました。
アバター販売機能に先駆けて、9月5日のアップデートでVRM1.0アバターのアップロードが可能になりました。なお、アップロード済みの0.x系アバターに関しては引き続き利用できるとのこと。
また、将来的にはすべてのカスタムアバターのVRM1.0統合が予定されていますが、cluster内部で自動変換する機能が用意されるため、ユーザー自身での変換作業は不要とされています。
ただ、現時点ではVRM1.0アバターの制限が設けられています。アップロードする際は公式の発表情報をご確認ください。
clusterでは2023年12月にもVRM1.0の事前案内がされており、アバターの描画方法に不具合が発生したため翌年1月に移行中止となっていました。
以前はアップロード済みのアバターも描画方法が変わってしまったため、一部ユーザーから不具合の報告が上がっていましたが、今回は既存アバターに変更はないため安心して使用できるでしょう。
VRM1.0の新機能・変更点まとめ
clusterユーザーにはアバター制作者も多いため、気になるのが従来の0.x系からの変更内容。今回は、使用頻度が高そうな変更点をいくつかまとめてみました。
〇待望のコンストレイント!
VRM1.0では、ロールコンストレイント・エイムコンストレイント・回転コンストレイントが実装されますが、もっとも待ち望んでいた方が多い機能ではないでしょうか? コンストレイントの機能によってアバターにサブアームを取り付けたり、四足歩行が可能になったり、従来ではなかなか困難だった人型以外のアバターが実現できるようになります。補助ボーンを使って手足の回転や、衣装の制御がしやすくなっているのも嬉しいポイントです。
〇BlendShape からExpressionへ名称変更!
0.x系では差別化が曖昧だったjoy/funが、それぞれhappy/relaxedに変更されるなど、全体的な名称の見直しがおこなわれています。新規項目としてsurprisedが追加されたため、cluster用に手動で追加していた作業が不要になりました。
また、リップシンク・まばたきにオーバーライドの設定が新設され、これまで不可能だった表情変更中のリップシンクができるようになっているのも大きな変更点です。
〇コライダーにカプセル型追加!
0.x系のSpringBoneで使用できるのは球コライダーのみでしたが、VRM1.0からはカプセルコライダーが追加されました。
これによって腕や足、胴体に設置するコライダーの総数が減り、設置や設定の手間が省けるのが利点でしょう。
詳しい変更内容や設定方法は、VRMコンソーシアムが公開している情報をご確認ください。
VRM1.0によってアバターの可能性が広がることに期待
VRM1.0によってアバターの可能性が広がることは間違いありませんが、まだまだ実装を期待したい機能もあります。
例えば、2024年2月に発表されたVRMAというアニメーションファイルフォーマットでは、VRMアバターに読み込ませるとアニメーションを再生できます。VroidHubの撮影機能で使用した経験がある方もいらっしゃるでしょう。このVRMAを使って、clusterのオリジナルエモートを作成したい!という声もユーザーからあがっています。
また、先日おこなわれたCluster Conferenceではcluster内でのアバター販売機能が発表されました。9月中に実装予定とのことで詳細はまだ発表されていませんが、新しいイベントやワールドのジャンルになることは間違いないでしょう。
ユーザーの声を拾い、しっかりと反映してくれる点が魅力のひとつであるcluster。ユーザー待望のVRM1.0対応の発表から、どんな世界に変わっていくのか目が離せません!