9月2日に初めてのVRChat配信を実施した、YouTubeチャンネル「兄者弟者」の弟者さん。
登録者数300万人を超えるビッグネームの突然のVRChat参入に、ユーザーのあいだでは驚きの声があがっていましたが、それだけでは終わりません。この夏、一足先にVRChatの世界を訪れ、全力で楽しんでいたストリーマーのスタンミさんが、配信を終えた弟者さんにリプライを送信。まもなくして、2人のコラボ配信が行われることがXで告知されました。
そして迎えた、9月7日夜。「VRChat初心者の弟者さんを、VRの世界にハマりまくっているスタンミさんが案内する」という構図で行われた配信は約3時間にも及び、双方の視聴者数を合わせると常時30,000人以上が見守るほどの盛り上がりとなりました。
今回取り上げるのは、その配信の中で2人が訪れた、6つのVRChatワールド。それぞれのワールドにアクセスできるリンクも掲載しているので、配信を見て気になった方はぜひ足を運んでみてください。
Just Roller Coasterǃǃǃ – a Tiny Adventure –
スタンミさんの先導によって始まった、弟者さんのためのVRChatワールドツアー。あえて「一発目から酔いやすいものを」と選んだのは、「Just Roller Coasterǃǃǃ – a Tiny Adventure –」。読んで字の如く、ジェットコースターを楽しめるワールドです。
約2分半の短い旅路ですが、大自然の中を上へ下へと疾走するコースターはスリル満点。後半には、巨大なクジラがジャンプする大迫力の体験も待ち受けています。
注意点としては、VRにおける「乗り物」の体験全般がそうであるように、酔いやすいこと。ただし、こちらのコースターに関しては、高速で走る区間と大自然を楽しめる区間とが明確に分かれており、空間的制約のないVRだからとあちらこちらに視点が動かされるようなこともないため、人によっては意外と平気かもしれません。とはいえ、それでも酔いやすい体験であることに変わりはありませんので、ご注意ください。
また、余談ですが、このワールドの制作者であるtiwaさんが公開している、ほかのワールドもおすすめです。「星降りの湖 – Lake of falling star –」「終末駅 – post apocalyptic station –」「追憶の庭園 – garden of nostalgia –」といった、VRChatユーザーのあいだでも人気の絶景ワールドを多数公開しているので、写真撮影が好きな方はぜひ訪れてみてください。
VR art ‘New place’
続いて2人が足を踏み入れたのは、静謐な美術館。VRならではの奥行きのあるアートを堪能できるワールド「VR art ‘New place’」です。
この美術館に展示されているのは、3Dお絵かきアプリ「Tilt Brush」を用いて描かれたVRアート。それもただ空間にポンと置かれているのではなく、「額縁の中に入って鑑賞する」という、鑑賞方法も仮想空間ならではの展示となっています。
今回のコラボ配信では、興奮気味にVRアートを鑑賞してまわる2人の様子を画面越しに眺めることができましたが、配信で登場した作品は一部分のみ。ほかにもさまざまなモチーフの全16作品が展示されているので、ぜひご自身の足で“来館”されることをおすすめします。
このワールドに展示されているクリエイターさんの作品をもっと観たい方は、「Pop & Con Tilt Brush Museum」もあわせてどうぞ!
ヴァリアライド-Varea’Ride-
ジェットコースターに美術館と来て、再びの乗り物系コンテンツ。しかしよくよく見ると、どうやらこちらの“乗り物”は、絶叫系とはまた別物らしい。──そう、それは、少年心を刺激され、テーマパークに来たような気持ちになれるライドアトラクション。その名も「ヴァリアライド-Varea’Ride-」だ!
ヴァリアライドは、VRChatを拠点として「悪役」をテーマに活動している悪のVR怪人組織「悪役結社ヴァリアール」の世界に没入できるワールド。普段はVRヴィランショーやRPイベントを不定期開催しているヴァリアールですが、こちらのワールドは常設型のライドアトラクションとなっています。
アトラクションの道中には個性豊かな“怪人”たちが登場しますが、事前予習は必須ではありません。ワールド内にはあらすじと背景がわかる音声案内がありますし、アトラクション自体も、何も知らない人でも楽しめる親切な内容となっています。
ちなみに、ヴァリアライドも先ほどのコースターと同じく、それなりに激しく動くタイプの乗り物系コンテンツ。ただ、その割には酔いにくい印象もあって不思議に感じていたのですが、ワールドのアニメーションを担当したつばリンさんによると、制作の段階で体験者が酔いにくいような調整をされているそう。この悪役結社……親切すぎる……!
無事に(?)最後まで体験したら、道中を自由に見てまわれる「観光モード」も楽しんでみてくださいね!
Amebient
美術館ワールドで「雨が好き」と話していた弟者さんの声に答えるように、続いて訪れたのは「Amebient」。雨が降るワールドはほかにもたくさんありますが、その中でも特に、雨の「音」を味わい、楽しみ、奏でることができる、唯一無二のワールドです。
コップにフライパン、鍋に鍋蓋、ドラム缶にトタン板など、水滴が当たる物を変えれば、音も変わる。バルブを捻って漏れる水の量を調節すれば、テンポも変わる。
そうやって音で遊び続けているうちに、ある条件を満たすと──何かが起こる。純粋に雨音で遊ぶだけでも良いし、ほかに何かできることがないか探してみても良い。訪れた人の数だけ楽しみ方がある、そんなワールドだと言えるのではないでしょうか。
実際、弟者さんはこのワールドがいたく気に入ったのか、スタンミさんと別れた後にも移動して30分ほど雑談をしていたほか、翌日の「ダイノダイナー」体験の後にも再訪されていた様子。このように、人それぞれに刺さるワールドが、VRChatにはきっとあるはず。この世界に来て間もない人は、弟者さんのように自分のお気に入りの場所を探してみてもいいかもしれませんね。
SlashCo VR
種々様々なVR体験ができたワールドツアーも、いよいよ終盤。2人が向かったのは、配信者としてはやはり外せない、そしてVRChatにおいても人気の、ホラージャンルのワールドです。どうやらいくつかの選択肢があったそうですが、スタンミさんがこの日選んだのは「SlashCo VR」でした。
一口に「ホラーワールド」と言っても、その内容はさまざま。海外のクリエイターが制作した洋ゲーチックなホラーアクションをはじめ、都市伝説や怪談をモチーフにしたワールドや、パズルをクリアすることで物語が進行する謎解きゲーム、深夜の学校やトンネルを進むだけのシンプルな空間まで、VRChatの世界は多彩な「ホラー」を内包しています。
そんななか、この「SlashCo VR」は、複数人で楽しめるサバイバルゲームとして人気のワールドです。ゲーム性としては、「追いかけてくる敵から逃げながら、燃料を集めて、時間内に脱出を目指す」というシンプルな内容。ですが、能力の異なる敵の存在や、マップやアイテムにも種類があり、やりごたえのあるワールドとなっています。
何度でも楽しめるゲーム性の高いワールドですが、VRホラーとしての臨場感もなかなか。今回、この記事の写真を撮るためにVRでこのワールドに入ったのですが、懐中電灯の明かりだけを頼りに、1人で暗闇の中を歩き回るのは……ホラー耐性の低い筆者には、ちょっと無理でした(※結局、デスクトップモードで撮影)。もちろん、フレンドで集まって複数人でプレイするぶんには楽しいので、みなさんも人数を集めて挑戦してみてください。
Beyond a bit – 想像のちょっと先へ
3時間近くにも及んだワールドツアーの終着点は、ほかの人のおすすめではなく、スタンミさん自身が選んだ、VRChat初心者を連れて行きたい場所。NAGiSAで教えてもらい、歓声をあげながら鑑賞していた(動画)「Beyond a bit – 想像のちょっと先へ」です。
スタンミさんも「このワールドでVRにハマったと言っても過言ではない」と話していましたが、このワールドでの体験を「衝撃的だった」と話す人は少なくありません。弟者さんも「視聴体験としてすごいよね。こっちが何をするでもなく、200%楽しめるようになってるから」と鑑賞後に話していたとおり、極上のVR体験を、誰もが等しく得られる空間だと言えるでしょう。
VRChat初心者にまずおすすめされる定番ワールドの1つですので、まだ行ったことがない方は、ぜひご自身の足で訪れてみてください。すでに動画や配信で知っていたとしても、あなた自身の目と耳で味わったときに浮かぶ感情は、映像で見たときのそれとは、きっと別物のはずだから。
次回のコラボ配信は……ぽこピーランド!?
本記事のワールド紹介は、以上となります。
一方で、コラボ配信の中では、スタンミさんから「ラスト、もう1つだけ行ってみてもいいですか?」との提案がありました。促されるままについていった弟者さんと、2人の配信を見守っていたリスナーたちは、そこで思いも寄らないものを目にすることになります。
そのワールドで語られたスタンミさんの取り組みと素敵な提案は、実際にお二人の動画でご覧ください。「次回はぽこピーランド編」との予告もあった、スタンミさんと弟者さんの第2回コラボも楽しみです。
●参考リンク
・【まさかのコラボ!!】弟者,スタンミの「VRChat」【2BRO.】 – YouTube
・VRC初心者の弟者を連れて、最高のワールドを巡るスタンミじゃぱん【VRChat】 – YouTube
・危険すぎるホラーワールドに挑戦した結果、本気でビビり散らかすスタンミ&弟者【VRChat】 – YouTube