もしも、現実世界に即した物理やシステムが盛り込まれたプラットフォームがあれば、きっとQvPenは筆ペンになっているでしょう。空中に書くことも、自由に消すこともできません。
11月1日、VRChat内で「チュートリアリティ」というワールドが公開されました。
「チュートリアリティ」はIVRC2024メタバース部門で優秀賞、0b4k3賞を受賞したワールドです。
IVRCとは、学生チームがVRやARなどのインタラクティブ技術を使って作品を制作・発表するコンテストです。メタバース部門は、メタバースに特化した作品の制作に挑戦する場として創設され、作品制作とその過程をサポートしているものになります。
10月26日、27日に行われていたIVRC2024の授賞式は、お台場にあるテレコムセンターでの実施に加え、clusterでも実施されていました。
目次
異なる3つのプラットフォームのチュートリアルを体験
「チュートリアリティ」は、VRChat上で3つの異なる設計思想を持つソーシャルVRのチュートリアルを体験するワールド。体験するのは、。実在する「VRChat」と、2つの架空のソーシャルVR「ツインバース」と「Idealter」です。
それぞれのチュートリアルでVRデバイスを身に着けて、ワールドの最後にある記念撮影をしてくるのが目的となります。
VRChatユーザーならば一番馴染みある「VRChat」
「VRChat」のチュートリアルはいわば、そのまま現在のVRChatのチュートリアルワールドを体験するといった形。
アバターやワールド、プレイスタイルなどをそのままなぞってワールドを巡ります。VRChatで遊んでいるプレイヤーとしては、まさにありのままといった感じであり、ワールドでガイドをしてくれるメッセージもどことなく、初心者案内の人のような温度感を感じます。
ワールドの最後では記念撮影をして、VRデバイスを外す動作をしてチュートリアルを終わらせます。この外してから、各チュートリアルの受付に戻る感覚は、VRChatにいるのにもかかわらず、実際にVRデバイスを外した感覚だと錯覚させられました。こういった、細かい動作が「チュートリアリティ」が体験する作品としての評価を高めたのではないかと思います。
もう1つの現実であり、行政が運営しているようなプラットフォーム「ツインバース」
続いて巡る「ツインバース」はもう1つの現実として、物理的な制約やシステム面を現実世界に寄せたコンセプトをしたプラットフォームです。被るVRデバイスもおそらく、多くの人がアクセスできるようにスマートフォンなどで動かせるようにしているようにしているのではないかと考えさせられます。
ワールドという言葉が「一般的」ではないのか「チュートリアル会場」となっています。
先程の「VRChat」と同様にアバターやワールド、ライフスタイルなどについて説明を受けていきます。実際には存在しないものの、たしかにプラットフォームのあり方としてはあり得るような実感を感じさせます。
脳波によってパーソナライズされたプラットフォーム「Idealter」
最後に巡るプラットフォームは、脳波によって操作や情報をパーソナライズされたプラットフォーム「Idealter」です。現在の技術ではまだ追いついていないものではありますが、未来のVRデバイスを被り、体験します。
脳波でコントロールするというコンセプトもあり、基本的な操作は実際に対象をみることで操作します。実際に体験してみると、何気ない操作1つで印象が様変わりしたように感じました。
3つのリアリティ、どれを選ぶ?
全部のプラットフォームを回ってきましたが、いずれのプラットフォームも優劣をつけるものではなく、あくまでもコンセプトが違うだけといった印象です。
ワールドの最後には、3つのプラットフォームの中からどのプラットフォームを選ぶのか聞かれます。この記事で全体の流れは触れましたが、このワールドは実際に体験して、感じて、選択するのが面白さの醍醐味です。
ぜひ、チュートリアリティで行ってみたいプラットフォームを見つけてみてください。