現実の物理法則に縛られず縦横無尽に動き回れて、その場でプログラミングやモデリングを駆使し、無から有を生み出せる。「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。」そんなSF作家の言葉を文字通り実現するメタバース「NeosVR」をご存じでしょうか?
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そんな最も未来を感じられるソーシャルVRプラットフォーム「NeosVR」で、日本コミュニティによる未来のクリエイターフェスティバル「NeosFesta4」が7月29日から8月31日まで、約1ヵ月間に渡り開催しています。8月3日のYouTube番組「メタカル放送局」でも、ゲストにアンバサダーのorangeさんをお招きして、インタビューを実施しました。
今回は、そんな「NeosFesta4」を徹底レポート。他の展示会イベントとどこが違って、今回どのようなパワーアップをしたのか詳しく解説していきます。
そもそも「NeosFesta」とは?
「NeosFesta」は、最先端のメタバースとも言われているソーシャルVRプラットフォーム「NeosVR」を舞台に、2020年から開催されているクリエイターフェスティバルです。「NeosVR」で展示会をやったらどうなるのか、そんな動機から始まったこのイベントですが、回を重ねるごとにどんどんパワーアップ。昨年実施された第3回目からは、NeosVRの外にも視野を向け、大きく宣伝やイベントを行ったことから、ソーシャルVRコミュニティ全体で話題になりました。
とにかく近未来感満載で自由度の高い「NeosVR」の利点を最大限活用し、「未来のクリエイターフェスティバルを実験的に作ろう」という気概が見られるイベント。出展物の入稿、さらには制作までもをプラットフォーム内で完結させられる仕組みや、会場を自身の足で回るのではなく、ブースの方からやってくるVR展示会ならではの見せ方など、未来のVR展示会のヒントになり得るような工夫がたくさん施されている魅力的なイベントです。
そんな第3回目から1年を経て今年もやってきた「NeosFesta4」。今回は、イベントとしての完成度もさらにあがり、4社からの企業協賛・出展も見られました。一体、どんな展示会となっているのか、さっそく詳しく見ていきましょう。
ここがすごい!① VRならではの会場体験!「歩き回る」ではなく「ブースが来る」
みなさんは、これまでVR展示会に参加したことはあるでしょうか。
コロナ禍の影響や、ソーシャルVRの人気の高まり、メタバースブームなど、さまざまな理由で多く増えたVR展示会イベント。その多くは、リアルの展示会イベントを模倣したような体験設計となっています。
まずは、入り口があって、広々とした空間にブースが敷き詰められていて、それをユーザーが歩きながら見て回っていく。オーソドックスな体験設計ですが、これをVRで実装しようとした際には大きな難点があります。それは、疲れる、そして酔うことです。
VRの中で、歩いて止まってを繰り返すというのは、想像している以上に負担が高いものです。特に、進行方向とは異なる位置、例えば導線に沿う形で両脇にブースがあるような構図の場合は、さらにこまめな視点移動も加わるため、かなりVRゴーグルを使い慣れているというユーザーでも、VR展示会は疲れてしまう。そんな声を聞くこともあります。
しかし、この「NeosFesta4」。なんと、ブースの方からユーザーを迎えに来てくれるのです!
今回の会場テーマは、無限の大空。大空に浮かぶドラゴンの飛行船の乗組員となって、失われた世界を取り戻すべく、空中島を巡って独創的な島を創り上げたり、まだ見ぬ島を冒険したりします。
中央のパネルで行きたいブースを選択したら、中央の結晶が回転し、飛行船をブースが待ち構える空中島まで連れていきます。この、いわば「ブースの方からユーザーのもとに訪れる」設計は、現実ではできないメタバース・VRならではの体験設計です。
放送でアンバサダーのオレンジさんは、こうした設計になった理由について「開発陣が引きこもり気質だからかもしれませんが、展示会で歩くのがめんどいという意見が多かった」と語っていましたが、まさにメタバースネイティブ、VRネイティブが開発しているからこその着眼点だと感じました。
ここがすごい!② とにかく自由な出展形式!なかには「ワールド級」のブースもある!?
また、こうして「ブースの方から来る」という体験設計にしたおかげで、「ブースのサイズ」という制約からも解放されている点もVRならでは。通常のVR展示会イベントでは、ブース出展時に会場の広さの都合から、「Nm×Nm×Nmの範囲内で」などサイズの制限があります。しかし、エリアごと移動する「NeosFesta4」では、中には扉だけが置いてあって、そこを通るとワールドごと展示されているなんていうブースもあります!
ブースの出展形式は「ブース」「ユニバース」「アイテム」の3種類。ここからは、ブースの出展形式に沿って、実際に会場にどんなブースがあったのか紹介していこうと思います。
出展形式①ブース 「Nekonikoban Neos出張所」
まず、「ブース」形式。これは、従来の展示会同様に縦4×横4×高さ5の小さなエリアで出店できるブースとなっています。ブースには、テンプレートも存在していて、NeosVRに慣れていないユーザーでも比較的簡単に作成ができます。
今回、回ったのはこちらの「Nekonikoban Neos出張所」。アバタークリエイターのZipyさんによるブースで、過去に別の展示会へ出展した際に作成したブースをそのまま転用したとのことです。
NeosVRでは、ハイパーリンク機能がデフォルトで実装されているため、このように直接出展者のツイッターやBOOTHページに飛んだり、感想をツイートしたりもワンクリックでできちゃいます。
出展形式②ユニバース 「Neos廃病棟」
次の出展形式「ユニバース」は、ブースの大きさや容量は無限大。ワールドごと出展できてしまうNeosFestaならではの形式です。選択した先にある空中島では、扉が出現し、これをくぐることでワールド型のブースに遷移します。
今回、訪れたのはNeosモデリングクラブが制作した「Neos廃病棟」。すべてNeosVRのなかで共同制作されたホラーワールドです。
実際に入ってみると、かなり広く感じます。ルートに沿って、みんなでワールドを進んでいくと不敵に笑う日本人形や、ガラス窓一面に血の手あと……すっかり没入して楽しんでしまい、自分がNeosFestaにいたことを忘れてしまうほど。まさに宇宙が広がっているメタバースならではの出展方式でした。
出展形式③アイテム ポスターからギミックまで盛りだくさん
また、NeosFesta4では、アイテムのみでの出展も受け付けています。アイテム方式の入稿であれば、画像1枚でも大丈夫。会場から入って、右側のパネルでアイテム出展を探すことができます。
NeosVRには、インベントリ機能があるため、公開されたアイテムはその場で自分のインベントリに保存していつでも取り出すことができちゃいます。
ちなみに、NeosFesta4への出展申し込み・入稿は8月24日まで受け付けています。会期中も毎週水曜日締め切りで、二次入稿・三次入稿と期間を区切って入稿ができ、毎週金曜日にはその週に入稿されたブースが追加されていきます。現時点で出展数は300を超えているとのことです。詳しい出展方法は、公式ページを確認してください。
ここがすごい!③ 気合の入った企業ブースに、イベントも盛だくさん!
また、今回はNeosFesta初の企業によるスポンサーブースがある点も注目です。今回、協賛した企業はキーボードブランド「HHKB」と、VRゴーグルメーカーの「HTC VIVE」、スマホ向けの雑貨などを主に取り扱う「Cheero」、主にVRChat向けのアバター販売事業を展開する「U-Stella」の4社です。
どのブースも本当に気合が入っていて、特にHHKBのブースではその場で実際に使えるオリジナルバーチャルキーボードまで作成できるようになっていました。企業ブースはどれも空中島全体を彩った華やかなブースが多いので、ぜひ実際に自身の目で訪れてみてください。
そのほか、NeosFesta4では、会期中に様々なイベントやキャンペーンも開催しています。まず、会期中の5の倍数(5日、10日、15日、20日、25日、30日)には、MIYA38さん主催による「NeosFesta4ツアー」を開催。NeosVRが初めてという人も、まずはスタッフと一緒に回って楽しめます。
ほかにもフォトコンテストや、公式配信などなど、何度訪れても楽しめる仕掛けがたくさん。最新情報は、NeosFesta公式ツイッターから確認しましょう。
最先端のメタバース「NeosVR」を最大限活用したメタバースネイティブのメタバースネイティブによるメタバースネイティブのためのVR展示会「NeosFesta4」。少し早めの未来を体験したい方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
●参考リンク
・NeosFesta4公式サイト
・NeosFestaツイッター