話題のShiftall防音マイク「mutalk」は実際使える? 検証してみた【音声付き映像あり】

株式会社Shiftallは9月2日、防音Bluetoothマイク「mutalk」(読み:ミュートーク)の予約販売を公式サイトにて開始。また同製品のメディア向け発表体験会を実施しました。「mutalk」は、自分の声を周りに聞こえにくくし、同時に周囲の騒音が入りにくくする防音性の高いBluetoohマイクです。販売価格は1万9900円(税込)。第1弾の発送は11~12月頃を予定しています。

製品概要
  • 品名:mutalk
  • 品番:SVP-OD1W
  • メーカー希望小売価格(税込):1万9900円
  • 動作時間:8時間連続利用可能
  • 本体サイズ:W123mm×H107.5mm×D67mm
  • 重量:183g(本体のみ)
  • 予約受付開始日:2022年9月2日
  • 発送開始予定日:2022年11~12月頃

Shiftallといえば、これまでもSteamVR向け全身トラッキングデバイス「HaritoraX」の開発販売など、VRユーザー、メタバースユーザーに向けた製品の発売を意欲的に行ってきていることで知られています。今回の「mutalk」も、オンライン会議などのビジネスユースのほかに、オンラインゲームのボイスチャットや、VTuberなどの配信者、さらには「VRChat」などソーシャルVR・メタバースのユーザーも意識をして開発がされているとのこと。

今年1月には、米ラスベガスの電子機器見本市「CES2022」にて、メタバース向け製品と題して、この「mutalk」とVRヘッドセット「MeganeX」、ウェアラブル冷温デバイス「Pebble Feel」の3製品の開発を発表し、話題を呼んでいました(参考リンク)。

この「mutalk」は性能としては平均-20dB、叫び声などの高音域は-30dBほどの消音効果があるとのことです。

会見発表時の資料。高音域の場合はより消音性が上がります

しかし、音質を含めた音声コミュニケーションへの影響など、実際に使っているユーザーの声を聞いてみないとなかなか購入に勇気のいる商品でもあります。筆者自身も気になっていたその実際の使用感を、さっそく体験会にて検証してきました!

装着感はかなり良い。 適度なフィット感と圧倒的な軽さ

「mutalk」概観

まず、気になる見た目ですが、試作品の発表を行った「CES2022」のデモ機からは、ひとまわりサイズが小さく、重量は軽くなったとのこと。重さは本体のみで183gとなっていますが、実際に手に持ってみるとサイズの割にはかなり軽く感じました。

横のiPhoneと比較しても小型なことが分かります

簡単なオンライン通話などの場合には、コップのように机の上に置いておいて、話すときだけ口元にあてることもできます。ソーシャルVRやオンラインゲームなど両手がふさがってしまうユースケースでは、専用のバンドでハンズフリー固定をすることも可能です。

このようにコップのように立てておくと、自動でミュートにもなるとのこと

ちなみに、この専用バンドは、Meta Quest2をはじめ、VRゴーグルとの併用も考慮されています。実際に持参のQuest2と併用して装着してみましたが、少しバンドが多くなるため髪が長い場合などは調整が必要なものの、大きな不快感はなく長時間の利用もできるように感じました。

持参のMeta Quest2とセットで装着をしてみる筆者

VRゴーグルに加え、口にも装着となると、重心が前にいってしまい首が痛くなるのではないかという懸念もありましたが、普段使いの分には大きな問題はならなそうです。しかし、飛び跳ねたり踊ったりと大きな動きをすると、特に上下の動きは唇などが痛くなってしまいます。取り外しも簡単なため、使用シーンに合わせて一時的に装着するという利用が良いでしょう。

会見場で持参のPCVR環境を構築し、VRChatでの体験デモを行いました

衛生面もしっかり配慮 洗える接顔部とスポンジ

分解するとこのような3つのパーツに。消音自体は、電気は一切用いず構造のみで実現しているとのことです

実際に口に当てて装着するデバイスのため、衛生面も気になる点です。mutalkは、大きく分けて本体と接顔部のマウスパッド、唾液の飛沫を受ける吸湿クッションの3パーツに分けられます。マウスパッドと吸湿クッションは簡単に取り外しが可能で、水洗いが可能です。

10分以上動きながら話すようなソーシャルVRユーザーの利用シーンでは、汗や蒸れも気になるところです。鼻は覆わないものの、どうしても通常時に比べて息苦しさはぬぐえないため、こまめに一度外して呼吸を整えたり、水分補給をしたりしながら利用するといいでしょう。実際に日常的に使用する際には、アルコールシートなどを常備することをおすすめします。

一番気になるマイク性能はいかに?【映像付き】

そして、何よりも気になる点が実際の「マイク性能」でしょう。これまで類似の製品が発売された際も、遮音性は確保できていてもマイクを口に近づけて話した時のようにノイズが入ってしまったり、こもったような音声になってしまい、コミュニケーションが難しく実用に耐えないというようなケースも散見されました。まずは、実際にこちらの映像をご覧ください。

筆者による体験映像。記者会見会場ですが、周りの話声も一切聞こえないことが分かります

いかがでしょうか。確かに、少し鼻声のように聞こえてしまいますが、音質に関してはここまでクリアに聞こえるものなのかと驚きます。ちなみに、鼻声のように聞こえてしまうのは、呼吸を確保するために鼻を覆っていないことが原因。鼻腔の反響が反映されないため、鼻をつまんだ時のような声になってしまいます。特に「ま行」など鼻腔を使う発音は少し聞きにくいです。

会見中のShiftall代表・岩佐氏による消音デモ

あと、気を付けないといけないのが呼吸音。どうしても密閉性が高いため、口呼吸で大きく吸って吐くとまるでガスマスクを付けたときのような「シュコー」という呼吸音を拾ってしまいます。鼻呼吸を意識するといいでしょう。

まとめ:実家暮らしなど周りの音が特に気になるケースでは「買い」

防音Bluetoothマイク「mutalk」。実際に体験してみると、特段周りの音を強く気にしなければいけない状況でなければ、どうしても音のクオリティは下がらざるを得ないため、通常のマイクを使用したほうがいい。しかし、例えば実家暮らしや近隣トラブルなどで「喋りたいのに喋れない」と感じているようなケースにおいては、かなり有用性の高い製品だと感じました。

ソーシャルVRユーザーのユースケースに限るのであれば、例えば本当は話したいのに声が出せないから仕方なく無言勢をしているユーザーや、普段は大声で話せるのに帰省してしまうから声が出せなくて困ってしまうユーザーなどにとっては、「買い」と言えるでしょう。コミュニケーションに大きな支障は出ないほどのクオリティは担保できていると思います。

また、本製品は通常のBluetoothマイクと同じ仕様のため、通常マイク同様にボイスチェンジャーなどとの併用も可能です。家族や周りに、ボイスチェンジャー利用時の声が聞かれたくないという方も試してみるといいかもしれません。

「mutalk」は現在初回ロットが、公式販売サイトにて予約受付中です。今後も、「HaritoraX 1.1」の発表や、開発中の製品などメタバース領域においても気になるデバイスを続々控えているShiftall社。今後の展開にも目が離せません。

参考リンク
プレスリリース
Shiftall販売サイト
Shiftall公式Twitter

ABOUT US
アシュトン「メタカル最前線」編集長
2021年3月より「VRChat」はじめソーシャルVR/メタバースの魅力を発信するメタバースライターとして活動。週100時間以上仮想空間で生活する「メタバース住人」として、AbemaTV「ABEMA PRIME」、関西テレビ「報道ランナー」、TBS「サンデー・ジャポン」ほか多くのメディア取材を受ける。4月よりメタバース文化の最前線を伝えるマルチメディアプロジェクト「メタカル最前線!」を運営。