アルバムの楽曲をありったけパーティクルライブに詰め込んだ!?Alternoise初のフルアルバム「現実譚」発売記念パーティクルワールド体験レポート

電車内で、プレイリストの楽曲をイヤホンで聴いていると、馴染みのある曲には安心感を覚えるものです。そのため、つい微睡んでしまうこともありますが、目的の駅に到着するアナウンスが聞こえるまで、意識を保とうとする、あの独特な感覚。今回取材したパーティクルライブには、まさにそのような心地よさに似た音楽体験がありました。

3月22日、バーチャルスリーピースバンド『Alternoise』は、初のフルアルバム『現実譚』の発売と同時に、VRChatにてパーティクルワールドを公開することを発表しました。幸運にも先行視聴会に招待いただきました。

『Alternoise』ファンやVRの音楽シーンを追っている人だけでは、もったいない完成度の高さ。音楽体験として、最高だった魅力を可能な限りネタバレなしで伝えます。

メドレー形式にすることで、ワールドとしての体験が最高に

『Alternoise』は、ギターボーカルの「のいざん」、ベースの「うらら」、ドラムの「ふたまる」で構成されたバーチャル3ピースバンドです。

パーティクルライブという形式は、通常、1曲もしくはセットリストを構成する複数の楽曲を披露するものを想像するかもしれません。しかしながら、今回のパーティクルワールドは、バンドのフルアルバム発売を記念したものです。

そこで、アルバム収録曲のサビなどをメドレー形式で紹介する方式を採用。言ってしまえば、アルバムのトレーラーを制作するような試みをしてみたわけです。

メドレー形式をパーティクルライブに取り入れたことで、音楽とビジュアルが次々と展開し、贅沢でリッチな構成が実現。この記事で掲載している数枚の写真だけでも、その表現の幅広さが伝わるのではないでしょうか。

ある楽曲ではMVの世界観を追体験。別の楽曲ではリリックビデオをVRMVに仕立てる演出に。これらの演出の方向性の切り替えも、飽きを感じさせない工夫です。

Alternoiseの名刺代わりになるワールドに!

楽曲同士を繋げる役割を担う電車というモチーフも、巧みなアイデアです。場面転換も、次々と楽曲が変わっていくのも、体験として自然に感じられます。電車以外の場所へ転換する際に挿入される、眠気に襲われるエフェクトも「まさに!」と電車に乗っているのを感じさせる演出です。

冒頭で紹介した通り、電車で好きな楽曲を聴き続けている時の安心感と心地よさ。日常の音楽シーンと地続きであるかのような感覚。パーティクルライブのワールド体験としても素晴らしい出来栄えですが、音楽への触れ方そのものの体験としても、非常に質の高いものに仕上がっています。

この独自のアプローチを可能にしたのは、アルバムが完成するほどの楽曲と歴史を積み重ねてきた『Alternoise』の2年間の歩みがあったからです。

『Alternoise』を知らないという方にも、まずはこのワールドに足を踏み入れていただきたい。まさに名刺代わりの作品なので、まずは体験してみて、気に入ったらぜひアルバムを購入してみてください。

そんなパーティクルワールドとフルアルバム『現実譚』は、3月22日に同時に公開・発売されます。