みなさん、VRChatで国際交流をしていますか?
「YES」と答えられる人は意外にも少ないのではないでしょうか。米国企業VRChat inc.が提供するソーシャルメタバース「VRChat」。当然、海外のユーザーが多く日本ユーザーは一説には全体の12%ほどだと言われています。しかし、多くの日本人ユーザーは日本語コミュニティでの交流がメインで、海外パブリックインスタンスに入ることに抵抗を感じているユーザーも少なくありません。
そんななか、日本人ユーザーが中心となって英語圏ユーザーに向けて日本のカルチャーを紹介するという珍しいコンセプトのコミュニティイベント「VRJapanTours」が開催されました。参加対象は主にアメリカ在住の英語圏ユーザー。開催時間もターゲットユーザーのタイムゾーンに合わせ、日本時間では朝10時より開催されました。
今回は、そんな「VRJapanTours」の立ち上げイベントに、スタッフとして参加してきたため、こちらのイベント内容を詳しくレポートしていきたいと思います!
日本の小学校を英語プレゼンテーションで紹介!
今回の「VRJapanTours」は、プレイベント。本格開催となる5月開催を前に、運営チームの知り合いを中心に10名ほどの海外ユーザーを招待し、行われました。参加者の中には、バーチャルマーケットのグローバルチームに所属するLhunさんや、ライブストリーマーのfrostyfrogさん、HatKidさん、イギリス在住の著名ワールドクリエイター・Lakuzaさんなど多彩なユーザーがいます。
プレイベントでは、開催時期が4月ということもあり「新学期」と「お花見」に焦点を。前半では、「神穣小学校 shinjo-es」という日本の典型的な小学校をイメージして作られたワールドに訪れました。
ワールドでは、運営スタッフ・Nippon NavigatorのHayaTikazeさんが日本の学校カルチャーを英語でプレゼンテーション。出席を取る際や、「起立・礼・着席」を紹介する場面では、参加者たちも日本の小学生になりきって、積極的に参加する様子が見られました。
自由時間では、ランドセルや名札など教室にある日本ならではのアイテムに参加者から質問が飛び出す場面も。特に、ワールド後方に置いてあった「リコーダー」が人気で、日本では当たり前だったり懐かしいと思うものが、海外ユーザーには初めて見る興味のそそられるものになるのだと改めて気づかされます。
VDAによる剣扇舞が大盛り上がり!夜桜でお花見を楽しむ
後半は、夜桜がキレイなワールド「丘の上のお花見会場」にてお花見カルチャーを紹介。ワールドには、お花見が楽しめるブルーシートや日本酒、さらにりんご飴やクレープなどの屋台まで、ザ・春の日本カルチャーと言える品々が集まっています。
20分ほどの自由時間では、特に詳細な説明も要らずユーザー同士が教えあって、自然と「お花見」が行われます。お酒を片手にコミュニケーションを楽しむのは、万国共通なのでしょうか。前半での自己紹介や一緒に授業を受けた一体感もあったのか、非常に和やかなお花見会場と化していました。
そして、自由時間の後は目玉となる「国際仮想現実ダンサー協会」(以下
、VDA)による剣扇舞のショーケースが。「VDA」は、VRアクターチーム「カソウ舞踏団」を率いるダンサー、俳優、パフォーマーのyoikamiさんが率いる国際的なVRダンサーコミュニティ。日本のユーザーも多い一方で、既に海外向けパフォーマンスの経験もある今回のイベントにはうってつけの団体です。
今回は、代表のyoikamiさんをはじめ、Lag:N/Aさん、jenaraさん、Lu-nyanさん、SeINCさん、雪代琴狐さん、Vanillaさん、の全7名の日本人パフォーマーが参加。扇と日本刀を用い、日本らしさとインパクトを兼ね備えた圧巻のパフォーマンスを披露しました。
時間も距離も関係ない!メタバースならではの国際交流
参加したユーザーからは「日本カルチャーや日本のVRChatコミュニティへの意識が薄い人にとって、こうしたイベントが架け橋になることは非常に重要だと思う」「正真正銘の日本の小学校を再現したワールドで、細かいところも見て知れて面白かった」などポジティブな感想が伝えられました。
今回のイベント、なにより驚きなのが運営チームは全員が日本の自宅から、参加者もアメリカやイギリスなど数千キロ離れた自宅から参加している点です。
何をいまさらと思うかもしれませんが、海外在住のユーザーを対象にしたイベントを気軽に無料で開けてしまうというのは「VRChat」ならでは。距離や時間に囚われず、インタラクティブな交流ができるメタバースのメリットは、国際交流イベントだとなおのこと強調されるなと感じました。
また、パブリックインスタンスでは多くの日本ユーザーが懸念するような、荒らしを目的としたユーザー、差別的なユーザーなども残念ながら遭遇する可能性がありますが、イベント形式であればその可能性は限りなく低くすることができます。海外交流がしたい日本人ユーザーにとっても、イベントスタッフの立場で交流ができる点はメリットになるでしょう。
英語圏向けのイベント告知方法や、英語圏コミュニティに適したイベント運営方法などまだまだ知見を貯めなければいけない課題はありますが、英語圏など海外コミュニティを対象としたイベントの開催運営方法が広まれば、より豊かなVRカルチャーが花開きそうです。
<Part1.School>
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