【PR】目標は新しいメタバース医学会を設立すること! 現役理学療法士・うぇあさんが語る医療者が活躍できるメタバース

みなさん、「メタバース×医療」と聞いてどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?

あまり結びつきが想像つかない?もしくはVRを用いた手術研修など産業向けの事例を思い浮かべる方、またはVRChatで開催されている「VR医療相談集会」などが思いつく方などもいらっしゃるでしょう。

本日取り上げるのは、「医療メタバースエバンジェリスト」という肩書でおもにclusterを中心にイベント活動などを行う現役理学療法士のうぇあさんです。あまり聞きなれない単語が並ぶ肩書を持っている彼ですが、現在延べ1000人ほどが参加するコミュニティ「メタバース・医療協創大学」を主催していたり、今年10月頃にはこれまでにない形での新たな学会イベント「メタバース医学会」を立ち上げる予定だったりと、メタバースと医療の新しいかかわり方を模索して活動しています。

そんな、うぇあさんの活動を詳しくインタビューしてきました!

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「メタバース進化論」をきっかけにclusterと出会った

――本日はよろしくお願いします。まず、「医療メタバースエバンジェリスト」という肩書について、具体的にどのようなことをされているのか教えてください。

うぇあ:
はじめまして。メタバース医療エヴァンジェリストのうぇあです。普段は、メタバースプラットフォーム「cluster」にて、メタバースと医療と、メタバース医療の3つを啓蒙することをコンセプトに、イベントや勉強会の開催などをしています。

左:こまちさん 右:うぇあさん

――もう少し詳しくお聞きしたいのですが、そもそも「メタバース医療」というのはなんでしょうか?

簡単に言うと、医療分野でメタバースをもっと普及させたいということですね。例えば、すでに手術の練習やカウンセリング、治療などにVR技術やメタバース技術を活用する事例は出てきています。こういったものをもっとたくさんの人に知ってほしいし、さらに広がっていってほしいと思っています。

――うぇあさんは、普段医療関係のお仕事をされているんですか?

そうです。普段は、香川県で理学療法士として働いています。いわゆるリハビリ分野ですね。例えば、下半身不随になってしまった患者さんが再び歩けるようになるために支援をしたり、麻痺を起こしてしまった手を再び動かせるようにトレーニングをしたり、運動を通して身体の操作の感覚を取り戻してもらうというのが主な仕事です。

――現役の理学療法士さんなんですね。メタバースにはどう出会いましたか?

もともと、新しい技術が好きで、それこそスマートフォンが出たときも我先に手に入れたりしていました。メタバースに興味を持ち始めたのは、FacebookがMetaに社名を変えたときに、世間が騒ぎ出したことがきっかけでしたね。それで、当時本屋さんに足を運んだ際に、國光さんや 佐藤航陽さんの本と並んで、バーチャル美少女ねむさんの「メタバース進化論」という本を見かけたんです。いろいろあったメタバース本の中でも、表紙のインパクトが大きくて、中身も知らないことばかりで、「メタバースってこんなに可能性があるんだ」と衝撃を受けて、そこからclusterを始めました。2022年2月頃でした。

――ねむさんの本がきっかけだったんですね。通りで、「メタバース○○エヴァンジェリスト」ってどこかで見たことのある肩書だと(笑)

そうなんです(笑)
リスペクトを込めて、参考にさせていただきました。

まずはいちプレイヤーとして、ワールドクラフトをしてみたりと楽しんでいたんです。そのなかで、自分がやっている医療と掛け合わせて新しいことをしてみたいと思い、いまの活動を始めました。

最初は、スマートフォンしか持っていなかったのですが、いまはゲーミングPCもVRゴーグルも新しく買って、昨年12月頃からはVRChatも始めています。

――すごい。本を読んで「新しい世界だ!」と思ってもそこから実際に、一歩踏み出して、メタバースに来て、さらにそこで自分の活動を始めてみようという人はかなり限られると思います。

医療従事者もメタバースで活躍できるようにしたい

――いま現在、医療メタバースエバンジェリストとして行っている具体的な活動について簡単に説明いただいてもよろしいでしょうか。

そうですね。基本的にはcluster上での勉強会などになってきます。私自身、メタバースを始めてから同じ医療界や医療に興味のある社会人の人たちを集めてFacebookとLINEのオープンチャットに「メタバース・医療協創大学」というコミュニティを立ち上げたんです。そこにいま、両方合わせて延べ1000人くらいの人が集まってくれています。

そのコミュニティの人たちを巻き込みながら「M-Learningプログラム」という勉強会プロジェクトを立ち上げたり、最近はそこからのご縁で「精神医学会」という学会に招いていただいて、メタバースに関する啓蒙活動を行ったりしていました。

――実際、医療界において実感としてメタバースの活用というのは手ごたえありますか?

私自身、clusterをはじめる前から、理学療法士の仕事をしていく中で「mediVRカグラ」というリハビリ専用のVRソフトなどは見かけていました。それは、リハビリ治療中の患者さんにVRゴーグルを被ってもらって、「水平ゲーム」や「落下ゲーム」を使って姿勢バランスのリハビリを補助するようなものでした。

MediVRカグラの使用例(引用元:プレスリリース

効果はある一方で、ゴールドスタンダードといわれるような既存の評価の高い手法と比べると、どうしてもまだ足りない部分があり、あくまでも補助的な療法だというのが現場の人間としての意見です。

個人的には、そうした直接的な医療現場でのVR活用はもちろんですが、「cluster」や「VRChat」などソーシャルVR空間で、医療者が活動できる幅を広げたいと考えています。

これまで、YouTubeやFacebookなどが登場したことで、医療情報をオンラインで発信するような医療従事者の方が随分と増えてきましたよね。分かりやすく、予防の知識なんかを伝えたりして、「自分も気を付けなきゃ」と思ってもらえる場面って増えたと思います。メタバースでもそうやって、困ってる人を助けたり、もっと一般の方にも医療に対する意識を持ってもらえたりするような活動をしていきたいんです。

――なるほど。新しいソーシャルな空間、コミュニケーション空間としてのメタバースで、医療者が活動できる場を広げていきたいんですね。

そうなんです。さらに、YouTubeの広告収入みたいに、例えばメタバースでのカウンセリングが収益に繋がったりといったような仕組みが生まれれば、もっとサステナブルに発信がしていけるし、より気軽に医療にアクセスできる人が増えると思うんです。

医療界全体を巻き込む「メタバース医学会」設立を目指す

――いまは、clusterでの勉強会「M-Learning」などが活動の主体だと思いますが、今後はどのようなところを目指しているんでしょうか?

いま一番大きなチャレンジは「メタバース医療学会」を立ち上げることです。今年の10月~11月頃を目指して目下準備中です。

――10月!結構すぐですね。学会って医療関係者であれば誰でも立ち上げられるようなものなんですか?

実はそうなんです。学会というのは、あくまで研究者や医療者同士が集まって最新の研究成果などを共有する場所という意味なので、「設立します!」と宣言さえしてしまえば誰でも立ち上げることができます。法人化なども特にいらず、任意団体からスタートできますし。

ただ、当然ただ設立しただけでは発表者も参加者も集まりません。そのため、大きな病院であったり、大学などの研究機関であったりと連携を取って、後援などをお願いする必要があります。それによって、どれだけ信頼できる学会なのかが決まってくると言っても過言ではありません。

――なるほど……その協力者集めにまさにいま奔走しているということですね。ちなみに具体的にはどのような学会にしていくのでしょうか?

まず、開催場所はclusterにて行います。まさに今来ていただいている会場が開催予定ワールドですね。ここでスクリーンを使って、発表を行っていくんです。

そして、せっかくclusterで開催するし、メタバースなので、一般の方にも開かれた学会にしていきたいと考えています。

―― 一般の方にも開かれた学会というと……

通常の学会って、医療関係者のみが集まって、最新の研究成果や論文などを小難しい専門用語を交えて発表していくと思うんです。これだとつまらないですよね。特に最近は、ZOOM開催なんかも当たり前になってきて、カメラもマイクもオフでただ聞くだけ聞いて帰っていくようなものも多い。

これは私見ですが、一般の方が聞いて、よく分からないような内容の発表をしても、それって自己満足で終わってしまうと思うんです。せっかく研究成果を発表するなら、世間に広く認められて、きちんと専門家ではない人にも伝わる内容を発表してほしいんです。

なので、この「メタバース医療学会」では小難しい話ではなく、きちんと誰が来ても内容が分かって楽しめる。そんな学会にしていきたいです。

――非専門家の方も参加対象にされてるんですね。

そうです。ただ、協力していただく発表者の方々にも思うところがあるみたいで、実際に実施する際はこのようなタイムテーブルで、一般参加者向けのコーナーと医療従事者向けのコーナーを分けて実施するような形になると思います。また、メタバースを初めて体験する方に向けて、ワールドツアーなんかも併催してみたいです。

――「学会」と聞いて、思い浮かべるイメージとはかなり異なったものになりそうですね。

いままで開催してきたセミナーも全部そうなんですけど、「半分お笑いイベント」くらいのカジュアルさを作っていきたいんです。それこそ、以前「M-Learning」ではよしもとNSCの卒業生で現役医療関係者のはたきちさんに発表をしてもらったりもしていて。カジュアルに医療知識に触れるきっかけづくりになればなと。

医療界全体を巻き込んで、これまでにない新しい学会をメタバースに作っていきたいです。

ABOUT US
アシュトン「メタカル最前線」初代編集長
2021年3月より「VRChat」はじめソーシャルVR/メタバースの魅力を発信するメタバースライターとして活動。週100時間以上仮想空間で生活する「メタバース住人」として、AbemaTV「ABEMA PRIME」、関西テレビ「報道ランナー」、TBS「サンデー・ジャポン」ほか多くのメディア取材を受ける。2022年4月に「メタカル最前線」を創刊。